2005-01-01から1年間の記事一覧

マニュアル本 vs. 読んだ人が途方に暮れるような本

中間の成績も出したので、本を買って帰宅。 松井久博、吉田晴世著『中高一貫英語教育成功の秘訣 高校教諭と大学教授による英語教育のコラボレーション』(松柏社、2005年) 清水義範著『わが子に教える作文教室』(講談社現代新書、2005年) 春日武彦、内田…

文化の日

中間考査終了。採点、成績付けは大変苦労した。 高3ライティングは、descriptive passageを中心として、まとまった作文を2題。整序完成を1題。これだけでも60%の配点にしてある。採点基準や評価基準はいつもの4Dsに準じて点数化するので、単純に言えば、…

メディアミックス戦略?

雑誌『NHK英語でしゃべらナイト 創刊1周年記念号!』を買ってきた。 初っ端から申し上げにくいことだが、この番組、パックン英検のところ以外まともに見たことがないのである。 いくつか疑問もあるので、無知をさらけ出しつつ書いています。 疑問その1 発…

英語教科書、表と裏

昭和女子大OCでの投げ込み教材用に、ある程度まとまった内容のShort StoriesやMaximsなどを準備する一方で、ELEC同友会英語教育学会での発表に向け、中学校の教科書のライティング活動を検証している。対話文も含め、いろいろな教科書を読んだが、文章・テク…

Can it really be so?

先日、突然O先生からメールがあり、「確率を表す副詞の%スケール」を示した文献を知らないか?とのお尋ね。 Possibly / likely / probably / certainlyなどの副詞がそれぞれどのくらいの確率を表すか、ということである。 ちょうど、中間テストで難儀してい…

現場の here and now

地上波再放送の『レインボーブリッジを封鎖せよ』を見た。何回目だろうか? 後半から終盤に移るあたりで、お台場周辺の地図に所轄の警察官(刑事、婦人警官含む)が、地元の現場を知る者ならではの情報を書き込んでいくシーンが好きだ。現場には現場の here …

中間テスト直前 

高3ライティング、中間テスト、難産の末完成!詳しくはテスト後に。 今日は、「ことわざ」課題提出のあと、descriptive passageの仕上げで、日本的事物の説明・定義文の部分ディクテーションと音読。 「落語」、「柔道」、「血液型占い」の説明の文(それぞ…

They have all changed their song.

昭和女子大OCこじんまりとスタートしました。 M先生のご紹介で、学生さんも数名参加。テキストが揃わなかったので、別な教材でワークシートを作成して、リスニングとリーディングでの概要把握から、音読、ペアでのダイアログ練習からリテンション、ディクテ…

日記、ブログ、力こぶ

本業で3日間の宿泊合宿より帰宅。かつての五輪選手なども含め日本の各種スポーツのトップレベルのコーチと情報交換。制度が変わり、ワークショップやディスカッション中心。疲れました。 今週の更新頻度が低かったのはそういうわけなのです。 『植草甚一日…

私のアンソロジー

昭和女子大のOC講座、成立の模様。やれやれ、ほっとしました。頑張りますよ!!高3 英語俳句提出完了。書画カメラで、提出されたカードを見せ、簡単にコメント。コンテストの応募規約で「作品に対するコメントを80字以内で書く」というのがあるので、プリン…

Dead Poets Society

本業大忙し。現実逃避というか、内田樹的に言えば『解離傾向による問題回避』か、こういうときは本を読む。 以下、今読んでいるものを紹介。 Heaven On Earth: 101 Happy Poems edited by Wendy Cope Faber and Faber, 2001 「明るい」詩を集めたもの。「女…

中学校からもっとライティングを!

所属しているELEC同友会英語教育学会での今年の大会(11月13日 於:拓殖大学)では、標題の発表を行う予定。 大会紀要にも同じような序文を載せたが、繰り返し説く必要性があるのでここにも記しておく。3つのキーワード 「書くこと」の指導を考えるとき…

愛と青春の旅立ち

10月の歌を考えていて、"Up where we belong"を聴いていたのだが、前回前々回と「愛」にまつわる曲が続き、「どうせまたラブラブな曲なんでしょ?」というある生徒の声が耳に残っていたので、もう少し捻ることにした(ちなみにこの曲はリチャード・ギアの…

名詞 vs. 動詞

高3のライティングの授業で同じコマを担当しているK先生から、ハンドアウトをいただいた。無生物主語や、名詞構文といわれるものをまずは自分の頭で考えて読みほどく作業が丁寧にまとめられている。例文は、江川泰一郎氏の『英文法解説』(金子書房)から…

I can still see the hem of your dress

行事に関わる時間割変更で、今週の授業は今日で終了。次の授業が来週の木曜日。 高3は、英語俳句の導入。過去の作品例を書画カメラで見せながら、英語俳句の学習効果を指摘。現在の勤務校は各教室にTVモニターが設置されていないので、書画カメラのある部…

和文英訳を考える

なかなかおもしろい仕事の依頼を受けた。某県の英作文コンテスト当日の講演。実際には、その県の高英研(高等学校英語教育研究会)の英作文を統括するセクションから、某先生へ依頼があったものなのだが、その先生が校務でどうしても出られないときに、その…

REMO? No, HEM.

連休中は、このブログタイトルの後半の本業の方で疲労困憊。(でも骨盤の歪みを直してもらったので結構体調はいい) さて、 DOCOMOのコマーシャルで流れる Six Pence None The Richer のKiss Meが今売れている。「なぜ今?」というのが私の感触。それで、高…

シャドーイングとディクテーションで超える中級の壁(秋期講座案内)

今回は火曜日に設定しました。多くの公立高校では水曜日に職員会議(教員会議)などを入れているかと思いますが、火曜日なら参加できるのではないでしょうか?これまでに、ELEC同友会のワークショップや、FTCのワークショップで行ってきた、グラマーディクテ…

木島始

「ときとして、わたしたちは、じぶんの言葉の犠牲になる。せいぜいのところ、言葉は、知性の貧弱な伝達者である。言葉に、してもらいたいことを、いざじっさいに言葉がするとなると、言葉というのは不正確なものだし、徹底した注意を払って、使われなくては…

「よりよい自己」 vs. 「よりよい表現」

『「自己表現活動」を取り入れた英語授業』(田中武夫・田中千聡 著、大修館書店)を批判的に読んでいる。2003年刊のこの本の反響なのか、それとも英語教育界の主流を表すものとしてこの本が登場したのか、最近「自己表現活動」は多くの、いわゆるコミュニカ…

電子辞書の活用法

高2「英詩…」ビデオ収録完了。9月の歌の I want you (Tom Waits)のコメント集作成に手間取ったが、なかなかおもしろいコメントをB4裏表にぎっしり詰めて配布。(アーカイブ代わりに過去の日記スペースを利用してみました、 http://d.hatena.ne.jp/tmrowing…

「100万語多書」と「英訳先渡しライティング」

今日はELEC同友会英語教育学会のライティング部会。帰宅は10時を過ぎ駅前で晩(?)飯。 11月の全国大会に向けてのミーティングも佳境。合間の雑談の中で出てきたのが、標題の概念。 ある概念を考えるときに、その対極概念を想起して比較分析し検証する…

Art is long.

高3ライティングは、「福袋」課題提出。ワークシートの最後の欄に「こういう意味を表したかったんだけれど、英語が出てこなかった、うまく言えなかった表現リスト」を書かせ、その部分にのみ4人一組でpeer responseの作業。なかなか、真剣に該当する表現を…

Do I have to go native?

高2「英詩と過ごす夏2005」収録も半分終了。ビデオ収録の合間に生徒に与える課題でスポーツネタを扱っているのだが、 Dick Fosburyの話を読ませ、跳び方の図解を描かせてみたら、意外にできていなかった。背面跳びは描けても、はさみ跳びが描きにくいのだと…

Words, don’t fail me now!

最近、他の英語学習関係のブロガーのところにおじゃまして、いろいろコメントを書き記している。 いいことも、悪いことも自分のアドレスを残して書き記してくる。英語教師は意外に少なく、いわゆる実用英語のようなスタンスの所が多い。 ・ ビジネスの第一線…

声に出すことで益々素敵なことば

2学期平常授業開始。高校2年の夏休みの暗誦課題『英詩と過ごす夏2005』の作品が一通り出てきた。週末からビデオ収録開始の予定。 今日の授業では、 詩人とその背景、作品名と作品の背景、なぜその詩人・その作品を選んだか、おすすめのポイント、暗誦に取…

声に出さなくても素晴らしいことば

声に出して読みたい、という軽薄な流行とは無関係に、手元にある「名句・名言」を扱う書籍を紹介。当然ながらCDなどはついていません。岩田一男『英語・一日一言』(祥伝社、1970年) 祥伝社の新書NON Bookのシリーズ。縦書き右開き。副題が「知恵と感動のこ…

読むことから始まる

「1クリックから始まる」というのはAmazonだったかと思うが、自分のブログも読み返してみると色んな発見がある。 もともとは荒らされない掲示板代わりに作ろうと思ったが、うまくいかず、その後自分のteacher diaryも兼ねて書き続けてきたので、授業のrefle…

「教室」という装置、あるいは力学

Leo van Lier が 1996年に出した、 Interaction in the language curriculum, awareness, autonomy & authenticity, Longman をシラバスデザインの拠り所として、研究開発に精を出していた時期があった。Authenticityをある条件を満たすマトリクスで考えるの…

『ことばのために』(その2)

ずっと気になっていたので、荒川洋治『詩とことば』(岩波書店、2005年)を買ってきた。 詩のことばと一般のことばの乖離、詩が読まれなくなっている状況といった、「世間」との距離をよくとらえた上で、荒川氏ならではの視点、皮膚感覚が冴えた記述が随所に…