「ここグリグリね!」

本日のブログのタイトルは、私が授業中に重要事項に言及する時の決まり文句です。

  • テストに出る確率が高いから印を付けておけ。

ということですね。

他に定型といえるようなものとしては、

  • この項目は、英語の先生を100人つれてきたとしたら、95人はテストに出したくなるところ。

というのもありますね。もっとも、それを言った後ですぐに、

  • 私は少数派かな。

と付け加えることもしばしば。

私の授業「アルアル」のご紹介でした。

さて、

「コウビルド活用法」(その1〜その3)

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の改訂版については先日、こちらでもお知らせしました。

今日はそれに続いて、「コウビルドのトリセツ」(その4)として新たな記事を公開しました。

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その4だけでA4にして27ページの大部となっていますが、巷のどの取説サイトや動画よりも、「コウビルドの芸風」を捉えたものになっていると自負しています。
「その4」の主な内容は、

・『コウビルド英英辞典(第10版)』の2023-2024年の改訂での特色
・コウビルド(第10版)中級(第5版)との比較と留意点
・コウビルドの弱点を知り良さを引き出す

となっています。
冒頭で、今回(2023年)の第10版の改訂の特色・特徴を紹介しています。
また、中級(第5版)との差異にも言及しています。既に公開している「辞書活用法(前半/後半)」での「手持ちの辞書を知るためのチェックポイント」からいくつかの項目を取り上げて比較していますので、比較の「物差し」となる、そちらのチェックポイントも合わせてご覧下さい。
「辞書活用法」を含む、こちらのマガジンが便利でお得です。

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先日も呟きましたが、今回のコウビルドの改訂は感動的ですらあります。
ただし、21世紀以降、自動詞・他動詞表記を排し、動詞型等、記号の意味付けを根本的に変えた現行のコウビルドの良さも、巷ではあまり理解されていないような状況での今回の改訂です。これが十分に理解されないというのは、日本の英語学習・英語教育にとって大いなる損失だと思いますので、物書堂さんのアプリ辞書での「コウビルド」改訂版リリース記念セールが終わる前に、無料のオンラインセミナーを開催することとしました。

セミナー受講料は無料ですが、テキストとしては「コウビルド活用法」と「コウビルドのトリセツ」の「その1〜その4」までを想定していますので、別個お買い求め下さい。
内容のバランスとしては、「その4」での改訂の特色に重きを置きますが、それを理解するためには「その1」から「その3」まで、目を通しておくことが重要だと思いますので、趣旨を十分に理解してお申し込み下さい。

#拡散よろしくお願いします 
物書堂さんのセールが終わる前に、緊急開催です。
無料のセミナーですが、受講の条件がありますのでご注意下さい。
※申し込みページの諸注意を必ずお読みの上で申し込みをお願いします。

「コウビルドのトリセツ」のオンライン・トリセツ
5月6日(月曜・祝日)14:00 -17:00 定員30名
passmarket.yahoo.co.jp

ということで、カレンダーの5月6日は「グリグリ」でお願いします。

GWを見越して、オンライン個別指導の課題も配信して、出講先の高校生用のハンドアウトもアップロード完了。トリセツの改訂執筆で調べモノが集中し、COCAの本日分のクエリーをほぼ使い果たしたので、仕事は一段落。

先日の「辞書」関連のセミナー受講者の一人が寄せてくれたコメントを思い出しています。

このセミナーでは辞書活用に留まらず、これまでの辞書変遷史、松井先生の語法・語義指導の一端を学べることも重要かと思います。ライティング指導のセミナーでも教えていただいた語法・語義指導のポイントをさらに深く理解できる機会にもなりました。これ自体が単独でセミナーになると思います。
https://twitter.com/tmrowing/status/1782323882822885840

語義語法の指導のために、私が普段からやっているのは、辞書の読み比べと、オンラインコーパス等での検証ですね。
普段の流れはこんな感じ。

普段、私が接する英語は、「洋楽」などと言われる音楽を除けば「英語ニュース」が大部分を占めますので、COCA系の利用でも、NOWコーパスとGLOWBEがデフォルトです。
最近ではあまり米英やインドなどの映画やドラマも見ませんので、随分偏っているとは思いますが、その分、こういったオンラインで得られる資料で補う努力はしています。

拙著『チャンクで積み上げ英作文』を作る過程でも、ほぼ毎日COCAのクエリーは消費し尽くしていましたが、その時にちょっと衝撃的だったのは

  • 全く知らない人/赤の他人

に相当する英語のチャンクの実態でした。






ここに示したもののうち、均衡コーパスはCOCAとCOHAだけですから、結論めいたことは言いにくいですが、地勢図のようなものは見えるように思います。

私が英語を身につけたのは1970年代から80年代にかけての時期ですが、strangerと結びつく形容詞はtotalまたはperfectで覚えていました。
こうして検索結果を見れば、その頃でも、completeはかなり使われていた筈ですが、私の記憶には強く残っていなかったのです。
そして、現在ではcompleteが優勢。perfectはかなり少数派で、今後は絶滅危惧種のようになるのか?などと感じたのでした。
ということで拙著では、そのささやかな抵抗の意味も込めて、敢えてperfectもあるよ、ということを示しました。

日々の英語ニュースを紹介するツイートを細々と続けていますが、その程度の英語との関わりでも、今の英語とのギャップに驚いてばかりです。
ただ、私自身は、6大メジャーの英語ネイティブの使う英語が全ての英語学習者、英語使用者の規範だとは思っていません。
empowermentとかownershipとか便利な言葉でぼんやりさせたくはないのですが、以前にも紹介したことのある、この見識を繰り返して、本日はお開きにしようと思います。

本日のBGM: Fighter (Glim Spanky)

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