遺憾の如何

noteで公開している有料記事に「英作文診断テスト」がありますが、その中に

  • 語義8題

という短めの記事があります。

note.com

この「8題」は、20世紀末のオリジナルの「診断テスト」では扱われていなかったもので、日本語と英語の間のズレや隙間など、これまで私が英語の学習をしてきて、英語の授業をしてきて、学習者の遭遇した様々なトラブルスポットを見てきて選び抜いたものになっています。

診断で用いる問題は「和文英訳」形式で、気前よく8題全てオープンにしています。

解説と補充例、類例、対比例などを読んで、日英を往還していただければ、

  • 語義と生息域

と私が普段から繰り返し説いていることを実感できることと思います。宜しくご検討下さい。

ということで、今日は「語義」(と「生息域」)の話。

昨日からこんな記事が話題ですね。

アルジャジーラ

The US has expanded sanctions against the International Criminal Court (ICC), targeting its president and a senior lawyer. The Trump administration has sought to ‘dismantle’ the court, calling it a threat to US sovereignty.

TRT

US imposes sanctions on ICC President Tomoko Akane and a senior prosecutor, freezing their US assets over investigations into American and Israeli forces

これに対しての、外務省から発せられた情報はこちら。

国際刑事裁判所(ICC)に対する米国の制裁について、外務報道官談話を発出しました。

国際刑事裁判所(ICC)に対する米国の制裁(外務報道官談話)|外務省
リンク先の文言はこちら。

そして、その英訳版。

www.mofa.go.jp

批判が殺到しているのは英訳版の次の文言。

  • From this standpoint, the announced measures are very unfortunate.

"very unfortunate" は確かに衝撃的。

TRTのツッコミはこちら。

Tokyo has described US sanctions imposed on Japanese chief of the International Criminal Court (ICC) Tomoko Akane as "very unfortunate," according to a statement by Japan's Foreign Ministry

ロイターは平凡な英語で。

Japan criticises US over 'unfortunate' sanctions on ICC

驚きとともに怒りが感じられるツイートはSergey Vasiliev (セルゲイ・ワシリエフ)氏 (@sevslv)

VERY unfortunate!
Dear Japan, this is your Judge. If you do not stand up for her, who will?

ごもっとも。返すことばがありません。

EUの声明との温度差があまりにも…。

The EU deeply regrets the decision by the United States to impose sanctions against International Criminal Court (ICC) President Judge Tomoko Akane and Senior Trial Lawyer Abdoulaye Seye.
Read the full statement by HR/VP
@kajakallas
here: International Criminal Court: Statement by the High Representative on US sanctions against the President and a Senior Trial Lawyer | EEAS

今日は、この形容詞 "unfortunate" の語義を確認しておきたいと思います。

外国語の場合は、どうしても「訳語」で語義を確認してしまいますが、その場合でも「辞書」に当たっておくことは大事です。
ソーシャルメディアのTLで流れてくる「批判」の中には、今回の “unfortunate” を

  • 不運/不幸

で捉えているものが散見されましたが、それは再考の必要があるでしょう。
少なくとも、日本語環境でよく使われる

  • 遺憾の意

の生息域で出てきた語だと解釈すべきかと。

次の引用で、左はWisdom(三省堂)、右はG6(大修館書店)ですが、どちらも語義項目の2番目が、今回問題となっている語義です。

この辺りは確認した上で、語義と語彙選択を考え、批判するべきを批判する、というのが望ましいと思います。

辞書の類語の扱いでは、上記引用の語義で言えば1に当たるものでの比較考察が多いので、丁寧に用例を見て行く必要があります。

COBUILDから。

unfortunate ADJ
If you describe something that has happened as unfortunate, you think that it is inappropriate, embarrassing, awkward, or wrong.

  • It really is desperately unfortunate that this should have happened just now.
  • ...the unfortunate incident of the upside-down Canadian flag.

敢えて、日本語訳をつけるとすれば、次のようなものになるでしょうか。

起こった出来事を「遺憾」と表現する場合、その出来事が不適切、恥ずかしい、気まずい、あるいは間違っていると考えていることを意味します。

  • まさに今、このようなことが起きてしまったのは、本当に痛恨の極みです。
  • …カナダ国旗が逆さまに掲げられたという遺憾な出来事。

OALDの英英和は無難な訳語。類語としては regrettableをあげています。

unfortunate
2[ox5000][B2] 残念な
(formal) if you say that a situation is unfortunate, you wish that it had not happened or that it had been different
SYNONYM regrettable

  • She described the decision as ‘unfortunate’. 彼女はその決定について「残念だ」と述べた.
  • It was unfortunate that he couldn't speak English. 彼が英語を話せないのは残念だった.
  • You're putting me in a most unfortunate position. あなたのせいで私は最も望ましくない立場に置かれている.

同じ語義と思われるunfortunateの類語を、Collinsの一般用で見てみると次のような記述です。

regrettable or unsuitable
Synonyms: regrettable, deplorable, lamentable, inappropriate, unsuitable, ill-advised, unbecoming

  • the unfortunate incident of the upside-down Canadian flag

餅は餅屋で「類語辞典」。 Oxford類語では regrettableとunfortunate との使い分けを項目立てています。

NOTE Unfortunate or regrettable?
Both unfortunate and regrettable can be used to describe things that happen and collocates include incident, occurrence, error, consequence and tendency. However, sth that is regrettable is usually considered to have been at least partly within sb's control: the use of regrettable suggests that sb wishes to accept some blame, or blame sb else. Sth that is unfortunate is more often considered to be the result of bad luck.

これを見る限りでは、unfortunateには「遺憾の意」の表明はあっても、当事者感が薄い、という印象を与える、ということが言えるでしょうか。
同じ項目を小学館版の日本語訳で読むと、やはり「不運」に引き摺られ過ぎる嫌いがあります。

ノート unfortunateとregrettableの使い分け:
unfortunateもregrettableも,物事に用いることができ,incident,occurrence,error,consequence,tendencyなどと結びつく.しかし,regrettableな物事はふつう,少なくとも部分的に人の力の及ぶ範囲内にあると考えられる.regrettableを用いることで,責任を認める[責任を転嫁する]ことを人が望んでいることを示唆する.unfortunateな物事は不運の結果であると考えられることが多い.

やはり「当事者意識の薄さ」を捉えてこそ、上述のヴァシリエフ氏の批判・怒りも理解できるような気がします。


一般的な和英辞典とは性格が異なりますが、かつてこんな辞書がありました。

  • 『日本語キーワード英語表現辞典 形容詞編』 (三省堂、1997年)

【惜しい】
お・しい/セキ regrettable
残念 shame
⇒哀れな; 渋い ; せこい

shame の類義語

  • shame: It's a real shame that she died before finishing her autobiography. 彼女が自伝を完成する前に亡くなったのは本当に惜しい
  • pity: It is a great pity (that) he died so young. 彼があんなに若くして死ぬなんてとても残念だ
  • be too good: These shoes are still too good [fine] to throw away. この靴は捨てるにはまだもったいないよ

■残念・悔やまれる

  • もう少しで優勝できるところを、ほんとうに惜しかった It really was a shame-I was so close to winning.
  • いい人なのに気の弱いのが惜しい It's too bad that even though he is a good person he is so faint-hearted.
  • 1点の差で負けて残念な試合だった Losing the match by one point was hard to take.
  • 残念だなあ、また雨だよ What a pity! It's another rainy day today.
  • 惜しい方を亡くしました I will regret his passing.
  • 首相はその件に関して遺憾 (いかん)の意を表した The Prime Minister expressed his regret for the matter. / 遺憾ながら本番組は打ち切りとなります We regret to say that this program will be canceled.
  • 彼は勇気はあるが、惜しむらくは才知に欠ける He has spirit, but unfortunately lacks talent.
  • 惜しむらくは彼は体が丈夫でない Unfortunately he is not very strong.
  • 惜しいことに、タッチの差で彼女は2着となってしまった  Unfortunately she missed coming in first by the slimmest margin, so ended up in second place.

ここでは形容詞regrettable、名詞shame と重なる生息域で、日本語のキーワードから英語表現に拡げて行く、というアプローチです。
この項目で文修飾副詞としての “unfortunately” の用例があるところが、なかなかよくできているとは思いますが、今日のテーマでもある、形容詞 unfortunateの語彙選択の適否を確認するには不十分ですね。


高校の授業で、私がこのunfortunate界隈をどのように扱っているか、というと、ごくごく表面をなぞる程度です。
カタカナ語ではとかく「アンラッキー」といいますが、英語ではネガティブなコメントの頭出しには、 (?) unluckily ではなく、

  • unfortunately

を使う、という部分を強調する程度です。

以下、問題集の正解の英文を取り上げての補足を、ハンドアウトからそのまま抜き出して再録。

  • Luckily we got home before it started to rain. 幸運にも,私たちは雨が降り出す前に家に帰り着いた。

※luckilyは主に文頭で、文修飾副詞。
次のCOBUILDの定義確認。
  You add luckily to a statement to indicate that it is good that a particular thing happened or is the case because otherwise the situation would have been difficult or unpleasant. 運よく、幸いにも
※ほぼ同義でfortunatelyがあるが、luckilyと共にプラスの意味合いであることを確認。
よくある言い回しとしては、
luckily [fortunately] for 人など で「…にとって幸運にも;幸運なことに」
Fortunately for me, he was good enough to help me out.
ありがたいことに彼は親切にも私を援助してくれた (W)

☆※ネガティブな状況下では、unfortunately for … を使う。
cf. Unfortunately for her, she did not get the scholarship.
気の毒なことに彼女はその奨学金を得られなかった (O-LEX)

※類義表現の as luck would have it の意味の±は文脈で決まる。(以下Wの解説引用)
as lùck would háve it
(くだけて)運よく; 運悪く(!主節の内容により幸運・不運のどちらにもなる; luckの前にgoodやbad, illを用いて区別することもある)
  As luck would have it, he’d left five minutes before we got there.
    あいにく, 彼は我々が着く5分前に出発していた.

ここまで読んだ方には、unfortunateは基本語というには使い方の難しい語だと感じてもらえたのでは?

類語辞典には、同意語/類義語の他に、反意語/対義語も載っていますが、Collinsがここで取り上げている "unfortunate" の語義に対応させているのは、fortunateではなく、

  • appropriate

である、というところをしっかり押さえておくのが吉。
その点を踏まえれば、今回の談話の英訳で "unfortunate" という語をあてがったこと自体が "inappropriate" だったと言えるでしょう。

とまれ、今回の外務省のプレスリリースでの英語表現は、形容詞 “unfortunate” をその生息域で適切に使う場合の留意点、という意味で、最良の教材となったと思います。

本日はこんなところで。

本日のBGM: 残念賞 (the ピーズ)

open.spotify.com

hardly ever とseldom の使用頻度と生息域

豪雨後に帰宅してから、結構な頻度と時間で寝ていました。
自覚している以上に、心身ともに疲れていたのでしょう。
そんなに何度も経験したくはないものです。

過去ログで

  • once in a blue moon

を取り上げた回がありました。

「三十一日」は「晦」? 「つごもり」?
tmrowing.hatenablog.com

それ以外に、時折引き合いに出した

  • hardly ever界隈

をまとめていませんでしたので、今回はそちらをメインで。

この手の「語法研究」はもう既にどなたかが発表しているのかもしれませんし、その研究のメタ分析も存在するのかも知れません。
市井のいち英語講師にはなかなか難しいところなので、ご存知の方がいらっしゃいましたらお知らせください。

今日はまず、オンラインコーパスの検索結果をザックリと。

rarely
seldom
hardly ever
scarcely ever

をGoogleBooksのNgram Viewerで見てみます。英米だけでなくグローバルな集計で、1960年から2022年までの推移。

rarelyの圧倒的優位は実感、肌感覚とも一致するでしょうが、seldomとhardly everの差は、書き言葉というだけで説明できるか、ちょっと「?」な感じです。

副詞seldomの使用実態調査としては、オンラインコーパスが普及する以前の1990年に、

  • 田中茂範 『会話に生かす受験英語』(アルク)

で次のような英語ネイティブのインフォーマントのアンケート結果を出していました。

このアンケート調査対象の、所謂「英語ネイティブ」は100名。77%が米国出身。平均年齢は約31歳。
そしてこの項目で調査に用いられた英文は、

  • We seldom have any foreign tourists any more. (ここには、めたtに外国人の旅行者が来なくなった)

でした。
同書の当該頁の解説から引用します。

seldom は、 「頻度的にめったにない」の意が基本であり、よく似ている rarely は 「ことがらそのものがまれな存在である」の意が基本であ る。 seldom はふつう、動詞の直前に置かれる。 他動詞のあとにもって くることも可能だが、あまりふつうの用法ではないし、動詞の前のほうが否定の力が強い。 文頭に置いて、倒置構文にする例なども受験参 考書で学んだが、 倒置がおこると表現としてはだいぶ堅くなる。
また、 seldom を very so, too などで修飾することもできる。

  • e.g. She very seldom eats breakfast. (彼女はほとんど朝食を食べない)

注意が必要なのは、この調査での「くだけた会話場面」の定義です。

そして、最後に同書のタイトルに繋げるべく「会話例」が示されています。

A: I want to see a movie this weekend. What would you recommend?
B: Sorry. I seldom go to the movies, so I can’t recommend anything.

出版が1990年ですから、既に35年が経過しているので、ここで反映されているのは「古い」時代の英語の実態だ、という評価もできると思います。

最新のデータはあるでしょうか?
SoftMatchaの検索結果から。


rarelyの圧倒的優位は変わらず。seldomとhardly everの差はケタ違い。でも、その詳細は一次資料を見ないと不明なので、単純な比較は難しいです。

ということで、COCA系のコーパスで、

NOW
Glowbe
COCA
TV

の順に見て行きます。

2020年以降のこの5、6年の世界の英語使用の実態を見るには必須のNOWから。


使用頻度の大まかな比率を確認。
最新の2026年はまだ途中なので、直近の2020年から2025年までの単純な合計を考えても、

rarely: 51587 + 48284 + 51804 + 38899 + 40702 + 77052 = 308328
seldom: 7393 + 6364 + 6510 + 5130 + 5063 + 7454 = 37914
hardly ever: 2172 + 1388 + 1612 + 1245 + 1234 + 1930 = 9581
scarcely ever: 32 + 16 + 22 + 11 + 19 + 22 = 122

ですから、比率でいえば、
rarely (≒ 1 基準):

  • rarely 約 308000 : seldom 約 38000 : hardly ever 約 9600 : scarcely ever 約 120 ≒ 1 : 0.12 : 0.031 : 0.0004。

rarely が圧倒的に多く、scarcely ever は極めて稀だということが明白。seldomとhardly everの差も4:1くらいに大きいことがわかります。

Glowbeで見てみましょう。


Glowbeは世界20エリアの英語の使用実態を2012/2013年の2カ年に跨がって集計したものなので、干支一回り以上古いといえば古いのですが、6大メジャー以外のグローバルな実態を可視化した重要な記録ですので、ここでは合計の数値を見ておきます。

rarely: 62156
seldom: 14960
hardly ever: 4173
scarcely ever: 106

比率(rarely ≒ 1 基準):

  • rarely 62156 : seldom 14960 : hardly ever 4173 : scarcely ever 106 ≒ 1 : 0.24 : 0.067 : 0.0017。

NOW と同じく rarely が最多ですが、GloWbE の方が 全体に占めるseldom・hardly ever の相対比率がやや高めとなっています。scarcely ever が極めて稀な点は同じです。

地域差/文化差を推測したところで、次にspoken/ writtenも含めた「生息域」を見てみましょう。
ベンチマークとなる均衡コーパスでCOCAを。
でも、COCAは2019年までの米語の実態であることを確認。コロナ禍以降の英語の変化は反映されていません。


SPOKEN(話し言葉)での比較

  • seldom: 379
  • hardly ever: 146

SPOKENのカテゴリーでも seldom は hardly ever の約 2.6 倍です。
「seldom は堅くて話し言葉では使われない」という、日本の英語教材の解説でしばしばみられる「思い込み記述」とは逆に、COCAに限って言えば、話し言葉のカテゴリーでも seldom のほうが明確に優位です。
TV/MOVIE (台本のある話し言葉)のカテゴリーでは、seldom 215 対 hardly ever 276 と、ここだけは hardly ever がやや上回りますが拮抗しています。SPOKEN(比較的自然な発話寄り)では seldom が大きく勝る点が注目に値します。

経年変化(1990–2019、5年区分)

seldom

  • 1990-94: 1704
  • 1995-99: 1373
  • 2000-04: 1146
  • 2005-09: 1013
  • 2010-14: 809
  • 2015-19: 542

hardly ever

  • 1990-94: 297
  • 1995-99: 292
  • 2000-04: 296
  • 2005-09: 238
  • 2010-14: 190
  • 2015-19: 178

この推移から推測できることは、第一に、全期間を通じて seldom は hardly ever を一貫して大きく上回っているということです。
最も差が縮まる 2015-19 でも seldom 542 対 hardly ever 178 で約 3 倍です。話し言葉に限らずコーパス全体でも seldom は劣勢ではなく、むしろ主流の語です。
第二に、経年での「減少率」に大きな差があります。seldom は 1704 → 542 と約 68% の急減で、明らかに衰退傾向にあります。一方 hardly ever は 297 → 178 と約 40% の減少にとどまり、比較的安定しています。つまり seldom は絶対数では優位を保ちつつも、長期的には勢いを失いつつある語で、hardly ever のほうが相対的に地位を保っている、という動的な構図が読み取れます。

この差を比率で見ると、seldom/hardly ever は 1990-94 の約 5.7 倍から 2015-19 の約 3.0 倍へと縮小しており、両者は接近しつつあります。仮にこの傾向が続けば hardly ever が seldom に迫る可能性を示唆しますが、現時点(2015-19)ではまだ seldom が話し言葉・書き言葉の双方で優位という結論になります。

教材作成に対する示唆、含意としては、「seldom = 堅い・使われない/hardly ever = 口語的で自然」という二分法は、少なくとも米語の実データ、それも話し言葉のカテゴリーにおいては支持できないと言えるでしょう。
ただし seldom が世代交代的に減少局面にあるという見方は可能なので、指導の際には、世代差などを補足する意味はあるでしょう。

台本のある話し言葉の例として、TVコーパスでも地域差、経年推移を見ておきましょう。


TV Corpus の該当数値を整理します。TV Corpus は台本のある話し言葉(ドラマ・番組の会話)を大量に集めたもので、自然な口語に近い実態を映します。

全体比較(total)

  • seldom: 614
  • hardly ever: 752

TV Corpus では COCA と逆転し、hardly ever が seldom を約 1.2 倍上回ります。台本上の会話という「話し言葉らしさ」が最も強いこのコーパスでは、hardly ever のほうがやや優勢です。ただし圧倒的な差ではなく拮抗の範囲といえるでしょう。

経年変化(年代別)

seldom

  • 1950s: 15
  • 1960s: 63
  • 1970s: 51
  • 1980s: 88
  • 1990s: 82
  • 2000s: 124
  • 2010s: 191

hardly ever

  • 1950s: 2
  • 1960s: 28
  • 1970s: 46
  • 1980s: 51
  • 1990s: 92
  • 2000s: 221
  • 2010s: 312

この比較から何が推察できるか?

第一に、初期(1950s–1980s)は seldom が優位。
1950s では seldom 15 対 hardly ever 2 と圧倒的な差があり、hardly ever はまだ会話表現として定着していなかったといえるかと。1980s まで seldom がリードを保ちます。

第二に、1990s を転換点として逆転が生じたとみることができます。
1990s で seldom 82 対 hardly ever 92 とほぼ並び、2000s 以降は hardly ever が明確に上回ります。2010s では hardly ever 312 対 seldom 191 で約 1.6 倍の差です。
つまり台本上の会話という場面では、時代とともに hardly ever が seldom を追い抜き、主流の口語表現になっていったことが読み取れます。

第三に、両語とも絶対数は年代を追って増加傾向にあります。これは TV Corpus の年代別収録量の増加も影響しているため、比率で見るのが妥当でしょう。
seldom/hardly ever 比は 1950s の 7.5 倍 → 1980s の 1.7 倍 → 2000s の 0.56 倍 → 2010s の 0.61 倍と推移し、口語における hardly ever の台頭が明瞭です。

ベンチマークたるCOCA との対比

ここが重要な点です。COCA(書き言葉中心で SPOKENでも比較的フォーマルな発話)では全期間・話し言葉カテゴリーでも seldom が優位でした。一方 TV Corpus(台本上の自然な会話寄り)では、近年 hardly ever が逆転して優勢です。

この二つを重ねると、何が導けるか?

seldom は書き言葉・ややフォーマルな話し言葉に強く、hardly ever はよりくだけた日常会話に強い、という register(言語使用域)の棲み分けです。日本の教材で語られがちな「hardly ever は口語的」という直感は、COCA の書き言葉データでは否定されますが、TV Corpus の会話データでは近年むしろ裏付けられる、という一見矛盾する結果は、この register 差で整合的に説明できます。

したがって教材作成における留意点としては、seldom を単純に「堅い・改まった表現で、日常は使われない」と切り捨てるのは誤りで(書き言葉・報道・学術では今も主流)、同時に hardly ever を「くだけすぎ」と敬遠するのも不適切です。
両者は使用域が異なるだけで、日常会話では hardly ever の使用頻度が増加しつつあり、書き言葉では seldom が現在でも自然な選択肢だと整理するのが実データに即しています。

ここまでの分析と考察(推察)を踏まえて、近年の入試問題の実態と、それに準じた対策教材を精査することが、「今を生きる」上での英語学習や英語指導では必要で重要だろうと思います。

次の例は実際の入試でhardly everが出てきた空所補充完成の完成後の英文です。
付加疑問のtagが空所となっていて、4択で選ばせる作問です。このような英文を完成させることが hardly ever という英語表現の運動性能の向上にどの程度寄与するのか誰か教えてくださいな。

She hardly ever goes to the movies, does she?
You hardly ever study on Sundays, do you?

こんな四択も実在します。

Since Mr. Smith is a selfish man, he ( ) helps his wife with the housework.

  • a.ever seldom b.hardly ever c.hardly never d.seldom never

正答はb. という想定での作問でしょうが、sinceで作られる従節の “a selfish man” という状況設定、人物設定が、主節の「殆ど家事を手伝わない」という内容と整合するのか甚だ疑問です。

より現実的な例文とするなら、

Since Mr. Smith has traditional views on gender roles, he has hardly ever helped his wife with the housework since they got married.
スミス氏は男女の役割について伝統的な考えを持っているため、結婚して以来、妻の家事を手伝ったことはほとんどない。

くらいまで具体化しないと上手くいかないように思います。

上述のアルクの1990年の本では、調査後に「会話例」まで補充して seldomの生息域を実感してもらう工夫をしていたことと比べると、35年も経っているのに、入試問題も、その対策教材も

  • な〜にやってんだか?!

という印象です。

hardly ever は読解素材文でもしばしば見かけます。

Blinking is a way of providing moisture to the eye. The average blink rate is ten to twenty times per minute. Blinking is involuntary, not something we consciously do. The blink lasts a fraction of a second; we rarely even realize it’s happening, and it is fast enough that it does not interfere with our vision. We all blink so often that we tend to ignore it altogether; we hardly ever notice blinking in other people.

まばたきは、目に潤いを与えるための仕組みです。平均的なまばたきの回数は、1分間に10回から20回です。まばたきは不随意の動作であり、意識的に行うものではありません。まばたきの持続時間はほんの一瞬であり、自分がまばたきをしていることに気づくことさえめったにありません。また、その動作は極めて速いため、視界を妨げることもありません。私たちは皆、あまりにも頻繁にまばたきをするため、そのことをすっかり忘れてしまいがちです。他人のまばたきに気づくことなど、ほとんどありません。

Napping is hardly ever discussed in historical sources and seems to have been widely taken for granted. Falling asleep in public tends to be only mentioned when the nap is the source for a funny anecdote, such as when someone joins in with the wrong song at a ceremony, unaware that they have slept through most of it. People also seem to have enjoyed playing tricks on friends who had involuntarily dozed off.

歴史資料では、昼寝についてほとんど触れられておらず、当時はごく当たり前のこととして広く受け入れられていたようだ。人前で眠ってしまうことについては、その昼寝が面白い逸話のネタとなる場合に限って言及される傾向がある。例えば、式典の大部分を眠って過ごしていたことに気づかず、間違った歌に合わせて歌い出してしまうようなケースだ。また、人々は、思わず居眠りしてしまった友人に対して、いたずらを仕掛けることを楽しんでいたようである。

多くの学参や問題集が rarely / seldom と hardly everを同義として雑に扱うだけですが、比較的新しい教材である

  • 『英文法ハンドブック』(旺文社、2025年)

では、p.362で次のような記述で、使用域への注記を与えています。

rarely / hardly ever は日常的な語ですが, seldom はかなり堅い語で, 文語体では使用されますが,日常会話ではめったに使われません。

とはいえ、何を根拠に上記のようにhardly ever が日常語で、seldom が日常会話では使われないと断言しているのかは明らかではないので、この注記の「めったに使われません」自体に注意が必要だろうと思います。
まずはお手持ちの教材からチェックすることをオススメします。

そして、そろそろ

  • 入試問題頻出

という謳い文句にサヨナラをいう時期ではないでしょうか?
たとえ、そのデータを元に学習して入試問題が効率良く解けたとしても、

  • その入試問題の、さらに元になる一次資料は「現代英語の実態」をどの程度反映しているのか?

を併せて考察しなければ、native/non-nativeに関わらず、「今を生きる」人として、英語の運動性能を身につけることに寄与しないと思うのですね、

yarnの動画クリップから、seldomが使われているものをいくつか紹介して、本日はおしまい。

Pulp Fiction(1994年) から、 “is seldom the same”
https://yarn.co/yarn-clip/d8751451-807e-4280-b4d8-deab1e50551a

台本のある話し言葉。

Club Your Enthusiasm (2000年)から、“Right, when they lose, which is very seldom.”
https://yarn.co/yarn-clip/74d91937-3dda-43a0-b54c-52ead9f39cfa

「シットコム」だから日常会話ではない、とは言えないでしょう?

Do Who (2009年)から、 “It wasn't exactly straightforward.” “It seldom is.”
https://yarn.co/yarn-clip/198c35c5-293e-4f8f-aaae-57e1e5fff736

対話例です。

Spy (2015年) から、 "Well-behaved women seldom make history?”
https://yarn.co/yarn-clip/abb5fffc-1bb0-4ad7-a15c-6d9c266ea76c

ステイサムも出演していたCIA界隈のスパイアクション。スパイが潜むのは「日常」で、舞台は「現代」ですね。

The Sandman (2022年)から、 “Unfortunately, good people seldom survive in this world.”
https://yarn.co/yarn-clip/8fa5245f-86dd-42db-906d-0e23a4fb6869

ゲイマンの原作は映画化より随分昔の1990年代といえるでしょうが、まあ許容範囲かと。

本日のBGM: Now and then (Metafive)

open.spotify.com

汗と涙とシトルリン

ELEC協議会の夏期研修会終了。
7年ぶりの対面でのライティング指導評価の話でした。約3時間の長丁場、受講者の方には心より御礼申し上げます。誠にありがとうございました。
AIに関連して、「マツイノハチワリ」を押し出した内容だったのですが、第3部の最後一部未消化でタイムアップ。肝心の話が8割で終わるということでご不満の方もいらっしゃることと思います。大変申し訳ありません。
未消化分も含めて、当日、私が使う予定だった150枚のスライドのpdf資料(1頁4枚割りにしています)にアクセスできるリンクを受講者の方にお送りできるよう、協議会の担当の方にお願いしています。そちらもあらためて参照していただいて、疑義等はお尋ねいただければと思います。
既に、協議会からのアンケート結果よりも前に、個人的にメールでレポートを送っていただいていますのでご紹介。
私の過去のオンラインでのセミナーも受講してくれたことがある、桜修館中等教育学校の陣野俊彦先生。

本日ELECのセミナーを受講しました陣野俊彦です。
先生の対面でのセミナーが最後になるかもしれないと聞き、最前列を確保しセミナーに臨みました。いつも以上に内容の濃いお話をありがとうございました。
2023年12月の(オンラインでの)英作文のセミナーで先生がおっしゃっていた言葉を思い出しました。

  • 「効率よく、技術を身につけたい、身につけさせたい」という流れとは対極にあるのが本来のライティング指導なんじゃないでしょうか。」

2年半がたった今、AIの精度が上がれば上がるほど、教員の目利きが一層必要になると気が引き締まる思いです。
それを踏まえて良い英文の条件を考えると、辞書を揃えて(おかげさまで物書堂を使わない日がなくなりました)例文を比較しチャンクを含め、生息域を確認したり、先生がやられているような時事英語を読み例文を収集するなど、地道な取り組みに差がついてくると痛感しました。
特に添加のディスコースマーカーには意識をして読み、良い英語を自身が読み、生徒に読ませる取り組みは今後習慣にしていきたいです。
来週から夏期講習が始まり、念願だったチャンクで積み上げ英作文を教材として初めて使います。名詞句を対面リピート、書き取りを徹底させるのが楽しみです。
重ねてになりますが本日はありがとうございました。本当に参加ができて良かったです。

協議会からのアンケートが届いたら、またあらためて、コメントしたいと思います。
今しばらくお待ちください。

13日は午後からの講座で、終了後に会場近場で旧交を温めて帰路についたのですが、私が住む千葉県での未曾有の豪雨により、JRが止まってしまい、地下鉄からの接続ができず、帰宅を断念。
引き返して、都内で宿泊しました。

ニュースでの映像、テロップでの死者情報など、7年前の台風と同等か、それ以上の被害も出ています。
私の自宅周辺の被害は大きくなく、何度か停電を繰り返した程度とのことで安堵。

一夜明けての都内は、恨めしいほどの青空に白い雲。

  • 暑い。

と独り言ち、さてどうしたものかと思案していました。
もともとは、木曜日にELECの研修の講師。その大仕事を終える自分へのご褒美に、と翌金曜日のバスケットボールの女子日本代表の対韓国戦チケットを買っていたのですが、木曜日に帰宅できなかったので、半分諦めていました。

でも、大会サイトにブラウザでアクセスしてログインして、電子チケットをiPadでも開けることがわかり、都内に残った意味があったとばかりに有明アリーナに!
リュックには、15インチのMBPと研修会で念の為にと持参したJBLのBTスピーカーなど重装備を背負っての移動は堪えました。

今回の会場の有明アリーナは、8000人以上が来場し、試合終了後は退場規制や帰路ルートの制限もかかるので、駅に行くまでにも通常より時間がかかり、さらには駅についてもすぐには乗れないことがあります。この辺りは最初からわかっていたため、そもそも終電覚悟でチケットを買っていたので、豪雨の影響でJRの千葉方面が通常運行していないこともあり、延泊を決定。
着替えも買えたので一石二鳥、とポジティブに捉えました。

因に、私の推しは No. 2 Norika Konno!
日本の宝とも言える、オールラウンダーですが、ポイントガードでの起用を本当に考えるなら、もっとプレイタイムを与えてあげないとダメだと思いました。
ペイントアタックで自分で決めてもいいところで、コーナーやウイングにパスを捌くことも多く、もったいない印象。

今野選手のインタビューが見つかりましたので追記。
note.com
ご本人も、自分でスコアしても…と思っていながら、チームとしての連携を選択していたのですね。

ワールドカップに向けての最後の評価試合という性格も持つことを抜きにしても、第1Qで韓国に好きなようにやられての借金があまりに大きく、負けゲームだったところを最後の最後でひっくり返したのは、田中こころ選手の個の力。
劇的な逆転の瞬間も目撃して叫びましたけど、フロアーでの選手の組み合わせ、戦術を含めたベンチワークでは課題が大きかったのでは?

来月にはワールドカップですから、早晩最終メンバーが発表されるのでしょう。
今野選手が選ばれることを願っています。
因に、今、録画を見ていたら、客席に自分が映っていました!

延泊後、明るくなった早朝に帰路につき、JRを乗り継いで10時過ぎ頃に帰宅。
小玉西瓜が出迎えてくれました。

JRの完全復旧までにはまだ日数がかかりそうで、週末、週明けと不義理をする方も出てきますが、何卒ご容赦を。

帰宅後、千葉県内の「放置」自動車のニュースを見ました。
最寄り駅を降りて信号待ちをしている間に、動いている車でも、ボディに泥水の跡が生々しいものが何台も通り過ぎて行きました。
それに加えて、私が気になったのは、「音」。
「異音」を発しながら走っている車です。
泥水に浸かって、足回りに何かが挟まっているだけではなく、エンジンやファンの「中」で何かマイナスの影響があったのではないかと心配します。

  • パンクしたまま走ってる?

と思うほどの「異音」を放っていたのはゴッツイタイヤを履いたランドクルーザーのような車。
私が身をかがめて通り過ぎて行く車体下を覗くと、前輪の間辺りで明らかに「異物」を引き摺って走っていました。馬力がある車で、窓を閉めて走行していると気づかないものなのでしょうか。

今日は敗戦の日でしたね。
バスケットボールは男子代表が日韓戦。
女子男子と日韓戦をこの日程で行っていることの意味を反芻します。
合掌

本日はこの辺で。
本日のBGM: 生きる (真心ブラザーズ)

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「終わりの始まり」はまだ分かるけど、「始まりの終わり」って何?

台風が異例のコースを辿り関東に接近とのこと。
皆さんお気を付けて。

今、私が推しているテニス選手といえば、フィリピンのAlex Eala さんです。
カナダはトロントで開催中のトーナメントは残念ながらベスト16で終了。
試合後の会見の動画が流れてきました。

"TULOY-TULOY AKONG MAGTATRABAHO. SALAMAT."
Alex Eala has this to say to her Filipino fans after her dream run in the 2026 Canada Open comes to a close. | via
@DYANCASTILLEJO
Tennis Canada

引用符部分は「タガログ語」だと思われるのですが、私には全くわからないので、DeepLの助けを借りると

これからも頑張っていきます。ありがとうございます。

という意味のようです。この翻訳がどの程度正しいのか、私にはわかりません。

私に分かる「英語」の話しで、このツイートから気になる語法として取り上げるのは

  • come to a close

です。ここでの closeは名詞。発音は動詞と同じで、語末は有声音です。意味としては endと同じと見ていいでしょう。
Alex 以下の文は報道見出しに準ずる文体で書かれていますから、現在形の “comes” は過去形、または現在完了形に相当します。
DeepLの訳では

  • 2026年カナダ・オープンでの夢のような活躍に幕を閉じたアレックス・エアラが、フィリピンのファンに向けてこう語った。

となっています。これは適切な訳だと思います。

気になるのは辞書の扱い。
O-LEX英和

The long summer holidays have finally come to a close.
長い夏休みもついに終わった

O-LEX和英

その音楽祭は幕を閉じた
The music festival came to a close.

ジーニアス和英

物語はいよいよ終幕を迎えた
The story has finally come to a close.

クラウンイディオム

Our pleasant trip has come to a close.
私たちの楽しい旅は終わった.

研究社英和活用大

The discussion came to a swift close.
討論はすぐに終わった.

研究社和英大

その年もあわただしく暮れた.
That year came to a busy close.

ここまでみた用例では、全て「終わった」ことを表しています。

類義表現に、

  • draw to a close

があります。

COBUILDでは次の定義と用例。

When an event or period of time draws to a close or draws to an end, it finishes.

  • Another celebration had drawn to its close.

同じ定義と用例が米語英英和にあるのですが、成句見出しの日本語訳に「?」。

PHRASE 終わりに近づく
When an event or period of time draws to a close or draws to an end, it finishes.

  • Another celebration had drawn to its close.

もう1つの祝賀会が終わった。

この「終わりに近づく」の「近づく」はミスリーディングではないかと思いました。
例えば、次のようなcloseと共起するdrawの使われ方との混同があるのではないかと。

  • 議論が煮詰まってきた. The discussion has drawn close to a conclusion. (ジーニアス和英)

英和・和英辞典の扱いでも、draw/come to a closeを同義とするだけでなく「近づく」という訳語での記述が散見されます。
Wisdom英和は妥当な記述かと思われます。

  • An era was drawing [coming] to a close. 1つの時代が終わろうとしていた
  • bring [draw] A to a close Aを終わりにする, Aにけりをつける.

一例目、「接近」の意味は、進行形のグラデーションが担っていることが分かる用例です。

それに対して、Wisdom和英では、

  • 終わりに近づく draw [come] to an end [a close].
  • 大詰めに近づく draw to an end [a close].

と、drawやcome自体に「接近」の意味を担わせています。

O-LEX英和もdrawで「接近」の意味。

draw to an end [OR a close]
終わりに近づく

次のO-LEX和英の日英対応は適切か?

会談は幕切れに近づいた
The talks drew to a close.

「幕切れに近づいた」のではなく「幕を閉じた」のではないか?

次のG6の記述は[ ]の読みがわかり難い。drawだと「終わる」、comeだと「近づく」という意味になるのか?むしろ逆ではないのか?

dráw [còme] to a clóse
終わりになる[近づく].

確かに、drawには「移動のプロセス」が含まれはしますが、「接近」を前面に出すなら「進行形」が適切だろうと思います。

  • あわただしかった1年も暮れようとしている. A [This] busy year is drawing to a close. (ジーニアス和英)
  • 事件の捜査も間もなく終局を迎えようとしている. The investigation into the case is drawing to a close. (O-LEX和英)

動詞 drawの語義を考えると、Merriam-Webster は draw to a halt / draw to a stop を「減速して止まる」と定義し、The car drew to a halt. を挙げています。

  • The car drew to a halt. = 車は(徐々に減速して)止まった  ×「車は停止に近づいた(が止まっていない)」ではないことに注意。

「徐々に」は draw の語彙的意味(draw near / draw level / draw alongside)が担い、「止まった」は到着点を表す前置詞句の to a halt が担うもの。draw to a close でもまったく同じ考え方が適用できるでしょう。

Cambridge がこの意味の配分を最も的確に記述しているように思います。

draw to a close / an end
C2 to gradually finish

ここでは「徐々に終わる」と定義していて、主要部は finish であってgradually は副詞的修飾を表すもの。意味の重点はあくまでもfinishにある、ということです。

Cambridgeの用例も注意が必要です。

  • As the evening drew to a close, people started reaching for their coats. 夕暮れが近づくにつれ、人々はコートを手に取り始めた。

単純形で「接近」の含意となることがないわけではありません。
例えば上記の例のように、接続詞asを用いた「前景後景」で、推移を表すような場合が典型です。

研究社和英大

20 世紀の終わりが近くなって環境問題がにわかにクローズアップされた.
As the twentieth century drew to a close, environmental problems suddenly came into the limelight.

研究社英和活用大

The spectators counted (down) the seconds as the game drew to a close.
試合が終わりに近づくにつれ観客は(一斉に)秒読みをした

Cambridgeでも、"come to a close" では、定義文中に、graduallyを使っていないことも要注目です。

come/draw to a close
to end:

  • The singer's tour comes to a close in Tokyo tonight.
  • As the interview was drawing to a close, she said something surprising.
  • The lobster season has come to a close.
  • Her sixth and final term as chair of the organization will come to a close next March.
  • As his presidency drew to a close, he started to make plans for the future.
  • The year drew to a close with the prospect of great change ahead.

用例中の接続詞 as、最後の用例の with … aheadでの未来への言及を確認。

この接続詞asとの共起は、大学入試の素材文などでも時々見かけます。

By age fourteen, the precocious teenager had booked passage to America ― just as the Civil War was coming to a close.
14歳になる頃には、この早熟な少年はアメリカ行きの船のチケットを手に入れていた――ちょうど南北戦争が終わりを迎えようとしていた頃のことだった。

この出題では、was coming to a closeをパラフレーズして、was finishingを答えることを求めていました。私が同じ形式で作問せざるを得ないなら、finishではなく、endにして、was finishingにしますけどね。 コーパスに頼るまでもないでしょうが、為念。

次の英文は、文頭にasを選択補充したあとのものですが、設問では、長文に5個所空所があって、それを補充する最適な組み合わせを選べという、「日本の大学入試あるある」でした。

  • 読んでいるときくらい、読みに集中させろよ!

As 1999 drew to a close, two weeks of continuous rain drummed down the sides of the northern mountains in Venezuela.
1999年も終わりを迎えようとしていた頃、ベネズエラ北部の山々では、2週間にわたって雨が降り続き、山腹を激しく打ちつけていた。

次の英文も要注意。

Thanks in part to El Niño, snowpack in the Sierra Nevada is greater than it has been in years. With the winter snowfall season coming to a close, California officials said that the pack peaked two weeks ago at 87 percent of the long-term average.
エルニーニョの影響もあって、シエラネバダ山脈の積雪量はここ数年で最も多くなっている。冬の降雪シーズンが終わりに近づく中、カリフォルニア州当局によると、積雪量は2週間前に長期平均の87%に達し、ピークを迎えたという。

これは、第2文の文頭に、withを補充したもの。付帯状況の<with + 名詞 + -ing形>への習熟を問いたい?
でも、原文では次の通り。

Thanks in part to El Niño, snowpack in the Sierra Nevada is greater than it has been in years. With the winter snowfall season winding down, California officials said that the pack peaked two weeks ago at 87 percent of the long-term average.
https://www.nytimes.com/2016/04/12/science/california-snow-drought-sierra-nevada-water.html

ここでは “-ing形” が進行相を反映するから、ほぼ同意とみなせるのであって、“wind down” = “come to a close” で等価と考えて本当にいいのかは疑問です。

  • wind down

に関しては、このブログでも過去に取り上げているので、この機会に是非。

句動詞 wind down を取り上げた記事
tmrowing.hatenablog.com

他動詞 unwind を取り上げた記事
tmrowing.hatenablog.com

“draw” を他動詞で用いて、

  • draw … to a close

ということもありますが、これと類義で、自動詞comeに対応する他動詞 “bring” を用いることもあります。

  • bring… to a close

の受け身の例を入試の読解素材文から。

Of course human beings are not alone in their awareness of mortality. The variety of defensive postures (b)employed by other animals when threatened indicates a rudimentary* recognition that life can be brought to a close very quickly by unfriendly forces.
もちろん、死を自覚しているのは人間だけではない。他の動物が脅威にさらされた際に示すさまざまな防御姿勢は、敵対的な力によって命が瞬く間に絶たれてしまう可能性があるという、ごく初歩的な認識を示している。

この出題では、パラフレーズを四択で求めていました。

life can be brought to a close very quickly by unfriendly forces

  • 1 life can suddenly end because of hostile circumstances
  • 2 life can instantly bring close friends together because of its mysterious power
  • 3 life can temporarily remove us from dangerous situations
  • 4 life can force unfriendly people to become very close to each other

closeを名詞だと見抜けない受験生を想定して、誤りの選択肢を作成しているのでしょう。

  • アサハカ?

でも、前半で引いた辞書の訳語の「近づく」の問題点を考えると、笑えないですよね?
おおざっぱでも、この程度の整理はできるはず。


  • 単純形(主節)の come to a close / draw to a close は、それ自体では「接近」を表せない。
  • to a close を伴う以上、終端への到達を含意する。
  • as / when 節、will soon、be about to、begin to、be set to などの枠組みに埋め込まれた場合、節全体としては「まだ終わっていない」「未達」を表すことが可能。辞書の「終わりに近づく」は、この枠組み込みによって生じる「読み」を「語義」に繰り上げてしまったもの。
  • 「接近」を担うのは come / draw の語彙でも単純形でもなく、進行相か、as などの他の要素である。
  • 英語表現をひとつひとつ丁寧に。

といういつものことばで、本日のブログを終えたいと思います。

本日のBGM: 世界の終わり (吉井和哉)

open.spotify.com

🎶 こんなとこ 来たことないけど 🎶

研修会告知。
いよいよ来週の木曜日、13日です。
私の担当は午後の講座。申し込みは1日単位です。


www.elec.or.jp

スライドの最初の4枚をフライングで。

前日まで受付中だと思います。

  • 松井は初めて

という方も

  • 松井はちょっと…

という方も、公の対面での研修会でライティングについて話をするのは、おそらくこれで最後になるんじゃないかと思いますので、よろしくご検討ください。



土曜日に、こんなシンポジウムがあったので、対面/現地で参加してきました。
4+2人組の「次期学習指導要領をどうする!?」シンポジウムです。


dousuru-6nin.jp

中身に関しては、ソーシャルメディア等で明らかにしてはいけないというお約束なので、そのうち主催側から何か公式のリリースがあることでしょう。

東京駅すぐそこ、というような会場でしたので、丸善に寄って、こちらを購入。


亘理陽一
『それでも外国語を学ぶのは何のため?』
東洋館出版社
それでも外国語を学ぶのは何のため?www.toyokan.co.jp

ツイッターでは既に、こちらについても呟いていましたが、上の本は亘理氏初の単著。

腰帯の背側の

  • アナーキー

という言葉遣いがちょっと気にはなりました。
あと、個人的には「映画」だけの巻末付録での解説が欲しかったです。

さて、
今回の上京で、山手線に乗る機会があったのですが、その車中でこんな広告が目に留まりました。

既に、ツイッターでは注意喚起というか、問題提起をしていましたが、

  • 「頑張れ」より、 “頑張りかた” を 教えて欲しい。

という日本語表現。

この文を単純に読むと「AよりBを教えてほしい」で「教えてほしいこと」の比較のように感じます。
でも、Aには「発話内容=ことば」が来ていて、Bには「行為・方法=ことがら」が来ているので、比較の対象が揃っていないことに気づきます。
では、何と何を比較しているのか?

Aの鉤括弧(=「」)を行為と読み替えて、 A=学習者の私への(漠然とした)励まし と B=学習者の私への具体的な方法の提示 とでもして初めて比較の対象が揃うことになるかな、というのがこの広告を見た時に私が感じていたことでした。

最近のフィードバック研究では、

  • WCFはcomprehensive ではなく focused であるべし

などと言われることが多いのですが、その前に、

  • 個々のフィードバックが適切、的確であること

を考えたいと思っています。

  • 言いたいけど言えなかったこと

  • 言うべきだったけど言えていないこと

の間の川も渡らないとね。

今、このブログを書いていて気づいたのですが、先の広告の1行目は「かぎかっこ」で、2行目は “二重引用符” なんですよね。
困ったものです。

noteで公開中の私の記事を水本篤先生が紹介してくれた(?)ことが影響してか、アクセスが増えました。

松井先生のチャンクのワークシートを購入したので寝る前に音読する。

こちらで公開中なのは、「その2」にあたるワークシートです。

『チャンクで積み上げ英作文』 Advanced 類例ワークシート #2
<名詞A + 前置詞 + 名詞B>の名詞チャンクの拡充(CEFR B1–C1)
note.com

他にも3種類公開していますのでよろしくご検討下さい。

note.com

note.com

note.com

「名詞句」に興味関心を示す人は、英語指導者にもいらっしゃるとは思うのですけど、結構多くの方は飽きっぽいというか、根気がないというか、すぐ、別の「ホットな」話題に行ってしまうみたいで、さらには、一つ一つがそもそもとても大きなものの間に架橋したがる人も…。

つい今朝方も、こんなツイートをしたばかりでした。

名詞句の限定表現をどれだけ丁寧に扱うか、ということだと思いますよ。
#何か聞いた
拙著の緑本『チャンクで積み上げ英作文(Standard編)』から。

名詞は四角化で視覚化を30年以上やってきた、その先にあるのはこんなものです。
三原重夫さんの訃報を知り、喪失感の大きさに、ただただ合掌するだけ…。

本日のBGM:橋の下 (ローザルクセンブルグ)

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"more than everything combined"

今日は気になる語法というよりは、語法の扱いが気になる、という話し。

古くからある、新聞など報道文の見出しでは「省略」がなされる、といわれてきました。
ソーシャルメディアでも、まだ制限語数がある twitter (現X) でも、英語では現在、1回の投稿でかなりの文字数を入力することが可能です。

次のツイートは25語。スペースを含む「半角」の文字数で考えると178です。文末は分詞構文ですが、それ以外に省略はありません。

Japan announced its new basic plan for immigration control and residency management, outlining measures aimed at tightening rule enforcement and cracking down on rule violations.

次のツイートは37語。スペースを含む「半角」の文字数で考えると200ですが、省略はありません。

US President Donald Trump said the US will hold off new strikes on Iran after it was asked to by the Islamic Republic and other Middle Eastern nations because “perimeters of a deal has been agreed to”

次のツイートは40語。スペースを含む「半角」の文字数では248ですが、省略はありません。

Government lawyers said the damage was the result of a “flawed installation by the contractor” as well as “the rush to complete the project prior to events associated with the America 250 celebration in the weeks surrounding Independence Day 2026.”

これが今風だと思いますが、いまだに「省略」がなされているものも多いようです。

次のツイートの見出しの一文は14語です。これを、省略を補って復元して、通常の英文にするとどうなるでしょうか?

Judgment reserved in parties seeking to intervene in PIC CEO's bid to overturn suspension

参考までに、元のニュースのページはこちら。
www.ewn.co.za

以下、生成AI 三者とのやり取りのまとめを載せておきます。


案その1 (Gemini3.6 Flashからの回答のまとめ)

Judgment has been reserved in the application by the parties who are seeking to intervene in the PIC CEO's bid to overturn his suspension. (24 語)

  • Judgment [has been] reserved: 見出し特有のbe動詞の省略を補い、現在完了形で受け身(has been reserved)にしています。
  • in [the application by / the case of] parties: 「…に関する申立て/訴訟において」という意味合いを明確にするため、述部に相当する言葉を補っています。
  • parties who are seeking: 現在分詞の前に関係代名詞とbe動詞(who are)を補っています。ここでは現在進行形になっています。
  • his suspension: 文脈上、CEO自身の停職処分を指すため、所有格のhis (または her) を補っています。


案その2 (Claude Opus 4.7とのやり取りのまとめ)

The judgment has been reserved on the applications made by parties who are seeking to intervene in the bid brought by the PIC CEO in his bid to overturn his suspension. (31語)

  • The judgment has been reserved: 見出しでは be動詞(has been)が省略されています。reservedは過去分詞で受け身を表します。主語のjudgementには省略された定冠詞 theを補っています。
  • on the applications made by parties seeking: 見出しのinは前置詞一語で簡潔に関係性を示す意図で使われていますが、本来は「〜の申し立てについて」という意味でon the applications byのような表現が説明する方が自然です。またpartiesの後には省略されていたwho areを補っています。
  • the bid brought by the PIC CEO: bidは「試み・申し立て」を意味しますが、見出しでは簡潔にするため後置修飾ではなく、前置での限定で表していたものを語句を補って、意味を明確にしています。
  • in his bid to overturn his suspension: 見出し文では限定詞が省略されることが多い。ここでは所有格hisを補っています。

案その3 (ChatGPT 5.6 Lunaとのやりとりのまとめ)

The court has reserved its judgment on an application by parties who are seeking to intervene in the PIC CEO’s bid to overturn his suspension. (25語)
補ったもの・理由:

  • The court has:見出し文の受動態でのbe動詞の省略 “Judgment reserved” を踏まえて、動作主を主語に置き換え、能動態で「裁判所が判断を留保した」とした。
  • its: “judgment” の所有者として裁判所を明示した。
  • on an application by: “in parties seeking to intervene” は複数の省略がなされている表現なので、意味を明確にして「介入を求める当事者による申立てについて」と補った。
  • who are: “parties seeking” の現在分詞による後置修飾を通常の関係節にした。
  • his: “suspension” がPICのCEO本人の停職・資格停止を指すと解釈して補った。

これらの回答に対しての、私からの更問い。

  • parties seeking → parties who are seeking

で、関係代名詞+be動詞 who areとして現在分詞の前に省略された関係節を補う、としていますが、この縮約の-ing形は、常に「進行相」に対応するわけではありません。
parties who seek

parties who are seekingと
parties who have/had been seeking (決定がなされた以前からseekしていたはず)
での比較考察をしてください。

また、

  • overturn suspension → overturn his suspension

でhisやherに断定するのは如何なものかと思います。
the CEO'sと名詞を使って所有格とするか、性別を明示しないtheirにするべきではないでしょうか?

この更問いに対するそれぞれの回答。
Gemini

修正版の英文
The judgment has been reserved regarding the parties who are seeking to intervene in the PIC CEO's bid to overturn the suspension.

    • -

1. “seeking” に対応する関係節の比較考察
見出しの分詞 “seeking” は時間的制限を持たないため、復元する関係節の時制や相によって意味の視点が変化します。

parties who seek (単純現在)

  • ニュアンス: 「介入を求める当事者」という恒常的な性質、属性、または法的な立場・権利を客観的に記述します。
  • 評価: 法律文書や一般的な記述としては自然ですが、特定の具体的な裁判手続き(現在進行中の事案)を描写するニュース文脈としてはやや抽象的になります。

parties who are seeking (現在進行)

  • ニュアンス: 「現在まさに介入を申し出ている / 手続きを進行させている」という進行中の具体的な動作・状態を表します。
  • 評価: 「判決が保留された」という現在の状況に対して、その当事者たちが今なお申立てを行っている(手続きが継続している)状況を鮮明に表すため、報道を日常英語に起こす際にも最も一般的かつ自然な表現となります。

parties who have been seeking / parties who had been seeking (完了進行)

  • ニュアンス: 判決保留(Judgment reserved)が言い渡されるまでの間、「それまで継続的に介入を申し出てきていた」という過去からの継続的プロセスや背景・経緯に焦点を当てます。
  • 評価: 「保留決定」に至る法的手続きの歴史的動向や経過を強調する文脈においては極めて適しています。文脈の焦点を「過去からの経緯」に置くか「現在の進行状態」に置くかで who have been seeking との選択が分かれます。

2. 所有格・定冠詞の補足に関する精査
“overturn suspension” の suspension 前に置く語の検証です。現代のジェンダーニュートラルな英語運用および可読性を考慮すると、以下のようになります。

his または her と断定することの不適切性

  • CEOの性別が文中に明示されていない段階で三人称単数男性所有格(his)を補うことは、現代英語のガイドライン( inclusive language )に照らして不適切です。

their を使用する場合の注意点

  • 単数形のCEOを指すジェンダーニュートラルな代名詞として “their” を使うことは現代英語で定着しています。ただし、本稿では直前に複数形の名詞 “parties” が存在するため、their suspension とすると「当事者たちの停職処分」と誤読されるリスクが生じます。

the CEO's (名詞の所有格) または the (定冠詞)の採用

  • the CEO's suspension: 誰の停職処分かを曖昧さなく100%明確に示すことができます。
  • the suspension: 直前に `PIC CEO's bid`(CEOの試み)とあるため、文脈上「その(CEOの)停職処分」であることが明白に伝わり、かつ冗長さを避けた最もニュートラルで自然な標準英文となります。

したがって、修正版では最も誤解がなく自然な “the suspension” を採用しています。


Claudeの回答

ご指摘への回答
1. “parties seeking” の縮約解釈について

現在分詞 “-ing” による後置修飾は、必ずしも「関係代名詞 + be動詞」の省略(=進行相)とは限りません。実際には、関係節の縮約形(reduced relative clause) として、時制・相の情報を落とした中立的な形です。以下、3つの候補を比較します。

相・時制のニュアンス この文脈での適切さ
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parties who seek to intervene 単純現在。習慣的・恒常的、または一般論的な行為として提示。法的手続きにおいて「介入を求める(立場にある)当事者」というカテゴリー的・類型的な表現。 ◎ 法律文書では最も標準的。手続き上の「申立人」という属性を静的に示す。
parties who are seeking to intervene 現在進行形。「今まさに求めている最中である」という一時性・進行中の動作を強調。 △ 判決留保時点で申立行為は既に完了しているため、進行相はやや不自然。
parties who have been seeking to intervene 現在完了進行形。過去のある時点から現在まで継続して求め続けてきた含意。 ○ 事実関係としては正確(審理前から申立ては継続している)だが、やや冗長で法律英語としては重い。

結論:法的手続きの文脈では、申立人であることを類型的属性として示す “who seek” が最も自然で、かつ英字新聞の見出しから復元する際の標準です。進行相 “who are seeking” は動作の一時性を過剰に強調してしまいます。

2. “his suspension” の代名詞選択について

ご指摘の通り、his と断定するのは不適切です。理由は以下の通り:

  • PIC (Public Investment Corporation) の CEO が男性であるという情報は原文に一切ない
  • 現代英語では、性別不明・不特定の場合は singular “they”/ “their” が標準(Merriam-Webster, APA, Chicago Manual of Style も採用)
  • さらに、 “the CEO's” と名詞繰り返しで所有格にすれば、性別に関する推測を完全に回避できて最も明確

優先順位:
1. the CEO's suspension — 最も明確・中立。ただし直前に “PIC CEO's bid” があるため反復感が出る
2. their suspension — singular they で性別中立。現代英語で完全に許容される
3. his/her suspension — 冗長で古風
4. his suspension — 根拠なく男性と断定するため不適切

この文脈では直前で “PIC CEO's” が既出のため、反復を避けて “their suspension” が最もスマートです。
修正版:最終的な補完英文

  • Judgment has been reserved in the case of the parties who seek to intervene in the PIC CEO's bid to overturn their suspension. (23語)

補完箇所の総括

見出しの省略 補完後 補った理由
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Judgment reserved Judgment has been reserved 完了形の助動詞+受動態の be 動詞を復元。法廷用語 judgment is/has been reserved (判決留保)の定型表現。
in parties in the case of the parties 前置詞句の目的語を明確化。法的文脈で「〜の件について」の意を補う定冠詞と句。
parties seeking parties who seek 関係節の縮約を復元。進行相ではなく単純現在とし、申立人という類型的属性を示す。
PIC CEO's the PIC CEO's 特定人物を指す定冠詞を補う。
overturn suspension overturn their suspension 所有格を補うが、性別不明のため singular “they” を採用し中立性を確保。


ChatGPTの回答

1. "parties seeking" の時制・相

“parties seeking to intervene” の seeking は、必ずしも「その時点で介入を求める行為が進行中である」という進行相を表しません。

parties who seek to intervene

  • 一般的・反復的・法的な立場を表す。
  • 「介入を求める当事者」「介入を申し立てる当事者」という類型的な意味になりやすい。
  • 見出しや法律文書では可能だが、今回のように特定の申立てを現在行っている当事者を指す場合は、やや一般論的。

parties who are seeking to intervene

  • 現在、その訴訟・申立てに介入しようとしている当事者を指す。
  • seeking は形式上現在分詞だが、ここでは必ずしも「まさに行為の最中」という意味ではなく、「現在の手続上、その立場にある」という継続的な状態を示せる。
  • 原文の parties seeking to intervene に最も自然に対応する通常文。

parties who have been seeking to intervene

  • 過去から現在まで、介入を求める活動が続いていることを示す。
  • その活動が一定期間継続していたという情報を、原文は明示していない。
  • したがって、文脈上その継続性が重要でない限り、補うべきではない。

parties who had been seeking to intervene

  • 過去のある基準時点より前から、その時点まで介入を求めていたことを示す。
  • 例えば「裁判所が判断を留保した時点より前から、当事者らが介入を求めていた」と明確に述べたい場合には使える。
  • しかし、原文からはその開始時期や継続期間までは分からない。また、Judgment reserved は「判断が留保された」という出来事を述べているだけで、介入申立てがそれ以前から継続していたことまでは含意しない。

したがって、原文の省略を補う際には、過剰な時間情報を加えない parties who are seeking to intervene、またはより自然な parties seeking to intervene が適切です。

2. “his suspension” について
“PIC CEO's bid to overturn suspension” は、通常は「PICのCEOが自分に科された資格停止・停職を覆そうとする申立て」と読むのが自然です。しかし、原文にはCEOの性別を示す情報がないため、”his suspension” とするのは不適切です。

the CEO's suspension

  • 性別を示さず、意味も明確。
  • 「CEOに科された資格停止」を表す最も安全な表現。

their suspension

  • 性別を示さない単数の代名詞として文法的には可能。
  • ただし、すでに “the PIC CEO's bid” と所有格が使われているため、ここでも “the CEO's suspension” とした方が、誰の資格停止かが明確で読みやすい。

なお、単に “the suspension” とすると、文脈が十分に共有されている場合には自然ですが、単独で読む通常文では、 “the CEO's suspension” と明示する方がよいでしょう。

修正版

  • The court has reserved judgment on an application by parties who are seeking to intervene in the PIC CEO’s bid to overturn the CEO’s suspension. (25語)

より見出しに近い省略を残しつつ、性別を明示しない自然な英文にするなら、次の形が最も適切です。

  • The court has reserved judgment on an application by parties seeking to intervene in the PIC CEO’s bid to overturn the CEO’s suspension.

ここで、

  • Judgment reserved → The court has reserved judgment
  • in → on an application by
  • parties seeking → parties seeking(縮約形を維持)
  • overturn suspension → overturn the CEO’s suspension

と補っています。seeking については、進行相を強く付加するというより、「現在、介入を求めている当事者」を表す限定用法として解釈しています。

さあ、如何でしょうか?
どの修正版も40語に満たなかったので、冒頭で示した英語ニュースのツイートに照らせば、ニュース英語アカウントでの投稿で十分に機能する英語表現です。

回答を比較すると、意外にも(?) ChatGPTは頑固でしたね。seekingを「縮約」というからには、縮約しない形があるはずなので、それに戻さないと求められた処理をしたことにはならないのですが、進行形に対応するが、進行相を強く付加するものではない、というのは説明になっていません。

生成AI三者に訊いてからの「自分自身の目利き」が問われることに変わりはありません。

  • 英文ライティングのフィードバックは、扱う項目を絞った方が良い
  • Less is more.

とはよくいわれることです。
でも、上記一文に絞ってもなお、そのわずか「一文」の扱いで、これだけ考えておくに越したことはない「表現」があり、生成AIの回答も一意にまとまるとは限りません。

  • Is the less the better?

英語の「作文の教師」として自問するのはこのような問いですね。

高等学校に「英語表現」という科目があったのですが、それに取って代わる「論理表現」という「英語の」科目が作られてしまってから早数年が経過します。
「学習指導要領」やその「解説」であれ、実際の「検定教科書」やその「教師用指導書」であれ、そもそもの英語の「表現」ってどの程度まじめに考えられてきたでしょうか?

そして後数年で、また新しい「学習指導要領」に代わり、名前が変わることでしょう。

そのときには「表現」がまじめに適切に扱われることを願っています。
本日はこの辺で。

本日のBGM: Less is more (Rupert Holmes)

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"so much has gone misunderstood"

  • グレンが死んだ。

56歳。
先日のオラフは50歳。
自分よりも若い人の訃報が続くのは辛い。

Breaking News: Glen Hansard, the Irish musician who won an Oscar for the song “Falling Slowly” from the movie “Once,” has died at 56 in a motorcycle crash.

Hot Press is deeply saddened to hear of the death of Irish music legend Glen Hansard this morning, aged 56
"A brilliant musician, a great singer, and a brilliantly charismatic and intense character, who always gave his utmost in everything he did..."

Glen Hansard (グレン・ハンサード)はアイルランド出身のSSW (=singer-songwriter)で俳優でもある。
Wikiに英語で彼の項目はあれど、日本語ページはない。

私のTLに、さまざまなtributesが流れて行きました。

エルヴィス・コステロ

My deep condolences go to Glen Hansard's family and friends at this dreadfully sad news.
We only sang together a couple of times but I was always glad to see his face and hear his voice.

U2のBono

‘Such an angelic presence’: Bono pays tribute to late friend Glen Hansard

U2のアカウントでの長文のtributeはこちらから。

雑誌Rolling Stone

Glen Hansard was so much more than just the guy from ‘Once.’ He was a rock star, synthesizer and serenader, a busker and bard, a jazzman and a mystic, a hushed folk whisperer and showbiz soul belter.

Read our tribute to the late Irish singer-songwriter:

英語ニュース引用RTで私が取り上げたCBSのニュース。

同格の挿入句でan Oscar-winning singer-songwriter 名詞句の限定の原則を確認 ハイフン付き分詞は前置可能 win + an Oscarが下敷き singerは動詞+-erでそれをする人 songwriterはwrite songsのV+Oを下敷きにした名詞で「人」 singerでもありsongwriterでもある人で通例ハイフンで一語 簡略表記はSSW

葬儀とお通夜(wake = 主としてアイルランドでの用法。埋葬前日の夜に行われる式) のお知らせも流れてきました。

Public wake to be held on Monday for Glen Hansard with funeral at St Patrick's Cathedral in Dublin on Tuesday

改めて合掌。


8月最初の「気になる語法」の記事はこの話題から。

Statement on behalf of UEFA and its 55 National Associations

当該のツイートに貼れる最大の4枚の写真に声明を記しての投稿。

元記事はこちらのプレスリリース。

Statement on behalf of UEFA and its 55 national associations
Thursday, July 30, 2026

UEFA and its national associations will not participate in FIFA competitions.
www.uefa.com

私が「英語ニュース引用RT140字紹介&詳解」で7月31日の朝9時の時点で取り上げたのがこちらのツイート。

声明本文中から “change forever” 採取!

The moment external investors acquire ownership interests in FIFA competitions, football changes forever.

この部分を切り出して引用したのは、この “change forever” を(?)「永遠に変わる」などという、不適切な日本語訳で引用したり言及したりする人が多いことを危惧してのことでありました。

このブログでは、既に

2026-02-24
勢い余って…
tmrowing.hatenablog.com

で記事のまるまる一本を使って

  • change forever

界隈を、豊富な実例で解説していました。

流石に、きちんとした報道メディアでは不適切な日本語訳はしないだろうなぁ、と願ってはいたのですが、こんな投稿が流れてきました。

「これほど重大な提案が秘密裏に立案され…」
「サッカーは永遠に変わってしまう」

FIFAが発表した子会社設立の計画について、ヨーロッパサッカー連盟などが非難

計画が撤回されなければW杯に参加しないとしています

スクショも貼っておきます。

私は、もともとの声明の

  • The moment

で始まる段落を丁寧に読むことで、英文ライティングのセンスが磨かれ、鍛えられると思ってこんなツイートもしていました。

The moment / change foreverの一文で始まる段落は英文ライティングのセンスを磨くのに好適。
次の長い最終文が冒頭の一文としっかり呼応して機能している。
From that moment onwards, every decision (中略) is no longer driven by what …, but by what…

上記引用の不適切な日本語訳を見ての私の補足がこちら。

change forever
は「全く別物になる」「180度変わってしまう」というような意味合い。
foreverは時に関わる「永遠に」ではないからこそ、この最終文でのno longer「最早…ではない」の効き目が顕れるわけですよ。

COBUILD(第10版)では、foreverに次の定義と用例が見られます。

2. ADV [ADV after v]
If something has gone or changed forever, it has gone or changed completely and permanently.

  • The old social order was gone forever.
  • Their lives changed forever.

ただ、英語の定義として、個人的には、andで意味の足し算をしているpermanentlyがミスリーディングで、それよりはむしろ

  • irreversibly

のような副詞を用いて、「変化の不可逆性」を押し出すべきところだと思っています。

COBUILD米語(第3版)にも同様の定義は出ていますが、用例は (be) goneのみで、changeやそれに類する語義の動詞の例は示されていませんし、用例検索でもヒットしません。
ということで、COBUILDの米語英英和ではforeverの語義項目の2は次のような記述となります。

ADV [ADV after v] 永遠に
If something has gone or changed forever, it has gone or changed completely and permanently.

  • The old social order was gone forever.

古い社会秩序は永遠に失われた。

  • なくなる;失う

という日本語表現と共起する「永遠に」は意味が整合するので、訳語に対する疑義も違和感も生まれませんが、そもそもの「永遠」の語義を踏まえれば「変化」を含意する動詞表現と共起する際には、「永遠に変わることはない」などと、否定的な文脈を作るべきだろうと思うのです。

現代の話し言葉も広く反映し、語義や用法の拡大にも寛容な部類の国語辞典二つを引いておきます。

左: 三省堂国語辞典(第8版、三省堂、2021年)   右:明鏡国語辞典(第3版、大修館書店、2021年)

やはり、(?)「永遠に変わる」では拙いと思うのですよ。

今回、改めてこの表現を取り上げた一因には、『OALD英英和』での和訳が不適切だったから、ということもあります。

After her death, their lives changed forever.
彼女の死後, 彼らの人生は永遠に変わってしまった.

She had to face the fact that her life had changed forever.
彼女は自分の人生は永遠に変わってしまったという事実を受け入れなければならなかった.

過去ログでは、changeに類する「変化」を含意する動詞的表現とforeverが共起する際の意味を問題としていました。先ほど、私が指摘したforeverの語義の説明で使用される類義の副詞として、

  • irreversibly

を使っている例を辞書から引いておきます。

Television has irreversibly changed our perception of the Royal Family. (COBUILD)
Their lives have been changed irreversibly. (COBUILD Primary)

COBUILDの形容詞irreversibleの定義文も見ておきましょう。

ADJ
If a change is irreversible, things cannot be changed back to the way they were before.

他の辞書の用例も追加。

When the egg white is heated, it changes irreversibly from liquid to solid. (Oxfordアカデミック)

  • permanently

と共起する例もないわけではありません。

Major reforms during the Great Depression permanently changed the country’s big-business sector. (Oxfordアカデミック)

この最後の一文の「適切な」日本語訳はどうなるでしょうか?

大恐慌期の大規模な改革によって、この国の大企業部門は根本から変わった。
大恐慌下で行われた数々の大改革は、この国の大企業のあり方を決定的に変えた。
大恐慌時代の大改革は、この国の大企業部門を後戻りできない形で変えてしまった。

のような「不可逆性」を前面に出すべきでしょう。
そうでなければ、

大恐慌期の大改革を経て、この国の大企業部門はすっかり様変わりし、以前の姿に戻ることはなかった。

のように、副詞的表現で表すのではなく、変化と結果を別立てで記述する、などを検討するのがいいと思います。

某局のツイートに修正/訂正が入る可能性は、恐らくないでしょうが、英語を大切に扱うなら、対応する日本語も大切に扱わないとね。

本日はこの辺で。

本日のBGM: Say it to me mow (Glen Hansard)

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Sunny Day Service は [形容詞+名詞1]+名詞2? それとも 形容詞+[名詞1+名詞2]?

生成AIのClaudeに課金して使うようになって2ヶ月ほどですが、これまで自分が作った教材をまとめるお手伝いをしてもらっています。
訂正や削除・加筆の後でページ数がズレた場合の修正や、図表がページ泣き別れにならないような構成、レイアウトのアドバイスなど、結構重宝しています。

名詞句の限定表現の全体像を掴む、見取り図を自分の中に作る概論として、大きく二つのファイルにまとめ直しました。

2026年版名詞句の限定表現 得手不得手(前半)
note.com

2026年版名詞句の限定表現 得手不得手(後半)
note.com

中高現場、とりわけ中学校段階では、「後置修飾」の類型ばかりが注目されている印象を持っていますが、実際に教科書での扱いが手薄なのは「前置修飾」での分詞形容詞です。
前置の -ing形や -ed/en形は、既に「形容詞」として定着したもの以外は、文法項目として取り上げられることが(ほぼ)ありません。そのような前提で「後置修飾」で使われる -ing形や-ed/en形との共通点や相違点を指導しても効果は薄いでしょうし、活動の中で「気づく」などということは、正直

  • 無理じゃね?

と思うわけです。

この「前半」「後半」のような類型化での「概論」を踏まえて、

  • ではどうやって身につけるか?

の手がかり足がかりとして、チャンクでの対面リピートを地道に続けています。
既に『チャンクで積み上げ英作文』のBasic編とStandard編を世に問うていますが、学校採択教材ということもあり、中高現場の英語教育で「違いを作る」ほどには影響を与えられていません。

この夏に、既に作った教材の再編成&発展でリリースしたワークシートは、この『チャンクで積み上げ』を補い、さらに発展させ、上級レベルへとつなげるものになっています。

大まかな構造を類型化し、同じ構造を保ったまま、
◆ セット 1(CEFR B1以下のレベル / 身近なテーマ)
◆ セット 2(CEFR B2に相当するレベル / 日常〜やや一般)
◆ セット 3(CEFR C1に届くレベル / 社会性の高いテーマ)
と、身近な具体物から社会性の高いテーマへと段階的に発展させ、便宜上、CEFR のランクを目安にレベル分けをしています。

リリース順に示すと、

『チャンクで積み上げ英作文』 Advanced 類例ワークシート #1
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wh-語 + 不定詞 に副詞節や、-ing形+名詞節が続く名詞チャンクの拡充
(CEFR B1–C1)

  • セット1: 客が来たときに何を出せばよいか what to serve when guests come
  • セット2: 交渉が決裂する前にどこで妥協すればよいか where to compromise before the negotiation

breaks down

  • セット3:規制が緩和されたあとに何を監視し続けるべきか what to keep monitoring after regulations are

relaxed
のように段階的に難易度は上がります。
このようなwh-に不定詞が続いたチャンクを「句」として把握したその直後に、時制を持った(助)動詞を含む「節」が続くと、新たな文が始まったと誤解する学習者は多い印象です。
表現面でも、中級以上で一文全体の焦点、重点を的確に表すには習熟が求められるチャンクを、各セットで10チャンク、合計90チャンク扱っています。

『チャンクで積み上げ英作文』 Advanced 類例ワークシート #2
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<名詞A + 前置詞 + 名詞B>の名詞チャンクの拡充(CEFR B1–C1)
この前置詞句による後置修飾は、その重要性を指摘する指導者、その指導者を指導する立場にある研究者は多いものの、具体的な教材は国内だけでなく海外でも殆どありません。
A. 名詞A + 一般的前置詞 + 名詞B(to / for / in / on / with / from / about / into
など)
セットごとに1例のみ抜粋すると

  • セット1:角を曲がったところにある小さなカフェ a small cafe around the corner
  • セット2:需要の急増 a sharp rise in demand
  • セット3:人権への配慮 due regard for human rights

という感じです。
以下、
B. 名詞A + of + 名詞B ── 前置詞 of の特別扱い
C. 積み上げ ── 名詞チャンクを二重・三重に伸ばす
と、3つのカテゴリーごとに3セット、合計90のチャンクを精選配置しています。

『チャンクで積み上げ英作文』 Advanced 類例ワークシート #3
note.com

分詞・不定詞・関係詞・同格による名詞チャンクの識別と選択(CEFR B1–C1)

  • A. 分詞による修飾(前置・後置)
  • B. 不定詞による後置修飾
  • C. 関係詞による後置修飾
  • D. 同格表現

を扱っています。
分詞では、通例進行形にならない動詞から派生した-ing形の後置修飾も扱うし、不定詞では意味上の主語つきのものも収録。関係詞では、連鎖も若干例入れてあります。同格表現では、『チャンクで積み上げ…』のStandardで示した基本3類型を中心に。
各カテゴリーに3セットで計12セット、1セットに15チャンクですから、合計180チャンク。
このシリーズの屋台骨を支えるボリュームのある教材です。
このシリーズでは、私の教室、セミナーで使えるようにと、合成音声で再生して、口頭でも練習できるhtml版のアプリも作っています。
以下、トップページの写真のみ。

そして、本日リリースしたのがこちら。

チャンクで積み上げ英作文Advanced 類例ワークシート #4
note.com

名詞を転用した形容詞の用法(前置)
〈名詞1 + 名詞2〉による名詞チャンクの拡充
『チャンクで積み上げ英作文』ではBasic編でもStandard編でも、少ししか取り上げていなかった
<名詞1+名詞2>による名詞チャンクの拡充を、おおまかに類型化した上で集中的に扱うワークシートです

基本となるAのユニットであれば、
セット1 

  • 6 週末の予定 weekend plans
  • 7 折り鶴 paper cranes

セット2

  • 1 高級紙 quality papers
  • 6 就職面接 a job interview 

セット3 

  • 3 難民危機 a refugee crisis 
  • 8 供給網の途絶 supply chain disruption

とテーマ性も含め、難易度が上がって行きます。
また、セット3には、上述の

  • supply chain disruption

のような「3語」による名詞のチャンクも若干取り上げて、意味の成り立ちも含めて解説をしています。
類書がほぼありませんから、中級以上を目指す方に、是非とも活用して欲しい約170のチャンクです。
こちらも教室、セミナーでの指導用にアプリは作ってあります。
スクショのみ紹介

ここまで示してきた「名詞句」の類型とチャンクの実例は、たかだか30年程度の個人の実践ですが、私の授業、私の指導の過程で生き延びたモノたちと言えるでしょう。

やれ「フォーカスオンフォーム(だけ)ではダメだ」とか、「明示的指導では使えるようにならない」とか、伝統的なPPPは批判され尽くした感がありますが、名詞句の類型の研究に関しては、一方では膨大な知見が積み上がっているのに、現場での指導評価では、そもそもの “forms” の分類分析という「事前」の考察が甘いまま、何かをテストして、その「事後」の処理でいたく統計的に精密に扱っているものが多い印象を持っています。

  • 型の分析が甘かったらそれで何を明示したことになるのか?
  • 気づきを促すとして、いったい何と何の違いに気づかせるつもりなのか?

いささか心許ないように思います。

本日は私の実作の紹介ということで。

本日のBGM: 心に雲を持つ少年 (サニーデイ・サービス)

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" ... hear the boat sing a littlt bit more"

  • オラフが死んだ。

オラフといっても、『アナ雪』のキャラクターではありません。

私の本業、rowingの巨星、超人、怪物 … ありきたりの形容では足りない、

  • オラフ・トゥフテ (Olaf Tufte) 氏

のことです。
ノルウェー出身のアスリートで怪物といえば、サッカーのハーランド選手を思い浮かべる人が多いでしょうが、私にとっては、間違いなくオラフ・トゥフテです。
イワノフ、カルピネン、レッドグレイブ…などなど、この競技にもスター選手は数多いますが、rowingの歴史の中で今後も語り継がれるであろう選手の一人です。
身長193cm、体重95kgという恵まれた体躯だけでなく、2000mのエルゴの記録は5分46秒、最大酸素摂取量(VO2Max) は7.2リットルと、ハードトレーニングに裏打ちされた運動生理学的な資質を備えていました。

World Rowingの特集ページはこちら。

21 JUL 2026
REMEMBERING OLAF TUFTE (1976–2026)
worldrowing.com

信じられない最終Qでのロングスパートで圧勝した

  • 2004年アテネ五輪での1X(シングルスカル)での初優勝

「オラフも、もうダメか…」と多くの人が思っていたであろう、最終Qの大逆転での

  • 2008年の北京五輪での2連覇

を含めて、偉業の数々が記されています。

Olaf Karl Tufte competed at seven Olympic Games, from Atlanta 1996 to Tokyo 2020 — an extraordinary span matched by very few athletes in any sport. He won two Olympic gold medals in the single sculls, at Athens 2004 and Beijing 2008. He also claimed Olympic silver in the double sculls at Sydney 2000 alongside Fredrik Bekken, and bronze in the double with Kjetil Borch at Rio 2016, a medal collection that spans gold, silver and bronze across five different Games.

Away from the Olympics, Tufte was twice world champion in the single sculls, in 2001 and 2003, and was the first Norwegian ever to hold that title. He came up through an era of fierce single-scull rivals who became close friends, a fellowship later immortalised in the “Great Eight” reunion races at the Head of the Charles.

He closed out his competitive career at the Tokyo Olympics at age 45, rowing in the men’s quadruple sculls alongside teammates young enough to have been born after his own Olympic debut; the veteran mentor, still on the water, still leading by example.

In 2021, World Rowing honoured Tufte with the Thomas Keller Medal, the sport’s highest individual distinction, awarded for an exceptional international career combined with sportsmanship on and off the water. He received it ahead of a field that included fellow greats Mahe Drysdale and Ekaterina Karsten, a testament to how deeply respected he was among his peers.

アテネの最終Q

youtu.be

北京五輪

youtu.be

こちらの動画も是非。

www.facebook.com

改めて合掌。


さて、
久々に「紙」の『英語教育』を購入。
お目当ては「第1特集」。石井雄隆先生責任編集の

  • 要約指導におけるテクノロジーの活用

副題は「学習を促す評価の視点から」。

何回か読み返したのですが、よく分かりませんでした。
以下、疑問を徒然と。

  • なぜ、そもそもの素材文の原文を英文で「読む」のか? 
  • 作成した「要約文」は誰が何のために読むのか?
  • パラフレーズして原文を書き換えることが「剽窃」を避けること以上の教育的価値を持つのか?
  • 最終的に、作成した要約文は「良い文章」なのか?
  • 素材文たる原文を読まずに、その要約文だけを読んで一読了解できるのか?

他人の褌ですが、「要約」ということになると、このお二方の言説を忘れることが出来ないので、「引用」をば。

まずはこちら。
精神衛生の状態が良いときしかこの方の本は読みませんけど。

他人の書いた文章を要約するというのは本来、無礼の所業なのだと思うべきである。 私も、文章を書く者として、そう実感する。 私の文章は拙いだろうが、 一字一語にも責任を持ちたい。読点の一つでも意味を意識してつけているつもりである。 全ての語は、それ独自の意味を持っている。
つまり、別の語に置き換えることは不可能なのである。 別の語に代えれば、別の意味になる。筆者は、そう書きたいからこそ、その語を使っているはずなのである。 だから、筆者は、他人に要約されると一種の違和感を感ずる。 「要約が正しいのなら、最初から、 その要約文をおれの文章の代りにしたらどうだ。おれは何のためにこの文章を書いたのか。」 と言いたくなる。

宇佐美 寛 「引用無きところ印象はびこる」
波多野里望 編著 『なぜ言語技術教育が必要か』 (明治図書、 1992年、 p.151)

もうお一方はこちら。

ずいぶん長い間、私は「要約」に頼ってきた。高校入試、大学入試、公務員試験、学位のための資格試験など、受験勉強の癖がいまだに抜けないのだろう。いや、アカデミックな研究の世界でもまた、一部の本物の知識人をのぞけば、みな「要約」を武器にしている。(中略)しかし、その人が本当に「何かを言わねばならない」必然性が感知される場合、その文字面から伝わる意味内容を「要約」してわかったような気になってはならない。その発言に耳を澄まし、その人の意識のふくらみに、その言葉の価値に対して敏感でなければならない。「要約」の欠陥にようやく気づかされた私は、いまだに直らない自分の悪癖に腹を立ててもいるのだ。

宮原浩二郎 『論力の時代 言葉の魅力の社会学』(勁草書房, 2005年、pp. 83 - 84))

上の二つの文章を和文英訳の課題でトライしてみるといいと思いますよ。

最後は、noteで公開している有料記事の紹介。
どれも、類書はほぼないと思いますので、この機会に是非。
詳しくはそれぞれのページでご確認下さい。

2026年版 所謂「準動詞」の地図:不定詞・動名詞・分詞を生き直す
note.com

2026年版名詞句の限定表現 得手不得手(前半)
note.com

2026年版名詞句の限定表現 得手不得手(後半)
note.com

『チャンクで積み上げ英作文』 Advanced 類例ワークシート #1
wh-語 + 不定詞 に副詞節や、-ing形+名詞節が続く名詞チャンクの拡充
note.com

『チャンクで積み上げ英作文』 Advanced 類例ワークシート #2
<名詞A + 前置詞 + 名詞B>の名詞チャンクの拡充
note.com

本日はこの辺で。

本日のBGM: 舟を漕ぐ人 (冬にわかれて)

open.spotify.com

「違いを作る」

サッカーのワールドカップも終了。
大舞台でのスター選手の競演も閉幕。

久しぶりにサッカーの試合を複数見ていて気になったのは、解説者等が使う

  • 「違いを作る」「違いを作れる」

という日本語表現。

物書堂の国語辞典では収録は無し。
SoftMatchaで見るとこんな感じ。


softmatcha-2.s3-website-ap-northeast-1.amazonaws.com

用例を拾っておきます。

...を引っ張る仕事も期待できる――で結局、ポゼッション時の中央のバランス維持やリスク管理は、天野純に掛かる割合はまた高くなる。やや損な役回りかもだけど、その責を果たしつつ違いを作る仕事も!アウェイ側の鹿島ゴール裏。2階席は開放されずも、それなりの密度。鹿島サポータさんはメイン指定のお高い席を買って横から観る人も多いからありがたいアウェイ側の鹿島ゴ...(from ja/ja_cc/level2/CC-MAIN-2021-43.jsonl.gz, position 469,010,987,135)

...撃に終止する。中盤と攻撃的な3枚の距離が開きすぎており、縦パスが通っても孤立している状況が多い。ボールはブロックの外側を動くことがほとんどで、2ライン間でボールを受けて違いを作ることが強みのイスコも、ユベントスにとっては怖くない位置でのボールタッチばかりだった。中盤、サイドバック共にサポートがないため、攻撃が単発に終わる。### ユベントス:規律と...(from ja/ja_cc/level2/CC-MAIN-2018-47.jsonl.gz, position 308,627,332,064)

...たいにプレーすることでなく、メッシやエジルみたいなプレーを右サイドですることなんです。また長くなっちまいましたが、本田がミランで求められるのは右サイドからカットインで違いを作る。これに尽きます。右サイドからカットインして、ロッベンやメッシみたいにゴールを決めまくるというのは、セリエAのDF相手では難しいので、カカとのコンビネーションからのゴ...(from ja/ja_cc/level2/CC-MAIN-2022-49.jsonl.gz, position 491,280,926,076)

これらは全て「サッカー」の話題。

「違いを作れる」の例。(Softmatcha 2 Demo

...み出せる選手が必要だが、うちにそのような選手はいない。久保はとても優秀だがチームの救世主として18歳を当てにすることはできない。<マジョルカサポ>・チームには久保以外に違いを作れる選手がいない。そんなチームはプリメーラ(1部)にないよ。だから1部残留は無理だ。プリメーラ(1部)復帰にファンはとても興奮していただけに残念だ。<マジョルカサポ>・俺が選ぶスタ...(from ja/ja_cc/level2/CC-MAIN-2020-16.jsonl.gz, position 410,775,404,686)

...戦者として、惜しい外し方をするコレアを何度も見てきた。監督なら練習で数限り無く見ているはずだ。断っておくが、コレアは悪い選手ではない。創造性豊かなアシストやドリブルで違いを作れる数少ない選手で私は大好きだ。だが、ゴールを「させる」選手であっても、ゴールを「する」選手ではない。トップ下であってもゴールゲッターではない。あの試合のように右サイドで...(from ja/ja_cc/level2/CC-MAIN-2020-16.jsonl.gz, position 410,518,126,007)

...星はレオーニ選手がいなければ、達成することはなかったでしょう。## レオーニ選手は違いを作れるか?レオーニ選手はJリーグで違いを作れる選手になるのでしょうか。恐らく決定的な違いを作れる選手になると編集部Dは考えています。一つは欧州人GKの質が高いことです。既にジュビロ磐田で傑出した活躍をしているカミンスキー選手は、昨季J2でチーム昇格の原動力となりました...(from ja/ja_cc/level2/CC-MAIN-2019-26.jsonl.gz, position 360,431,462,670)

これも皆、「サッカー」の話題です。

日本語環境の「サッカー界」で使われ始めたのは何時頃なのでしょうか?
ここで英語での類似の表現を確認しておきましょう。

COBUILD米語英英和

make a difference
PHRASE 大きく影響する/全く影響しない
If something makes a difference or makes a lot of difference, it affects you and helps you in what you are doing. If something makes no difference, it does not have any effect on what you are doing.

  • Where you live can make such a difference to the way you feel. 住む場所は感情に大きく影響することがある。

OALD英英和

make a, no, some, etc. difference (to somebody/to something/in something)
[OX3000][B1] (〜に)違いをもたらす, 全然もたらさない, 少しもたらす
to have an effect/no effect on somebody/something

  • The rain didn't make much difference to the game. 雨はその試合にあまり違いをもたらさなかった.
  • Your age shouldn't make any difference to whether you get the job or not. あなたの年齢は就職できるかどうかに違いをもたらすはずがない.
  • Changing schools made a big difference to my life. 転校は私の人生に大きな変化をもたらした.
  • What difference will it make if he knows or not? 彼が知ってるかどうかが一体どんな違いをもたらすのだろうか.
  • I don't think it makes a lot of difference what colour it is (= it is not important). 何色だってそんなに大きな違いがあるとは思わない.
  • ‘Shall we go on Friday or Saturday?’ ‘It makes no difference (to me).’「金曜日と土曜日のどちらに行きましょうか」 「どちらでも構いません」

私も自分の英語の授業でよく、 “make a world of difference” を捩って、

  • That would make a galaxy of difference.

それが世界どころか銀河ほどの大きな違いになる(ほど重要だ)。
といったりしています。

でも、上述のサッカーの話題での「違いを作る」は、英語の “make a difference” のようなgeneralな影響というよりは、「勝敗を分ける局面」でのspecificな使われ方、という気がします。

英語ニュースで見聞きするのは、

  • make the difference

の定冠詞。

実例をば。

All eyes were on Lamine Yamal but Torres made the difference against 10-man Argentina, finding the back of the net in the 106th minute to spark wild celebrations in front of Spain’s triumphant 2010 team in the stands.
football360.com.au
注目はラミン・ヤマルに集まっていたが、10人となったアルゼンチン戦で決定的な役割を果たしたのはトーレスだった。彼は106分にゴールを決め、スタンドで観戦していた2010年の優勝メンバーたちを前に、熱狂的な祝福の渦を巻き起こした。

As so often in the past, individual talent made the difference in a Brazil game. Only this time, the individual talent was on the other side, while Brazil's best player of an entire generation looked a sad shadow of the borderline genius he once was.
www.espn.co.uk
これまで何度もそうであったように、ブラジルの試合では個人の才能が勝負を分けた。ただ今回は、その個人の才能が相手側にあり、一方、ブラジルの一世代を代表する最高の選手は、かつての「天才」と呼べるほどの輝きとは程遠い、寂しい姿を見せていた。

オンラインコーパスで “make the difference” と”player(s)” の組み合わせで見てみると…。


英語ニュースで拾えるようになったのは比較的近年という印象。

CLで目視確認。


サッカー以外の競技スポーツではどうかというと、NBAの記事でも時折目にすることはあります。

Zalgiris Kaunas kept their EuroLeague season alive with a comeback win over Fenerbahce Beko Istanbul 81-78, but Sylvain Francisco made it clear the job is far from done. When asked what made the difference in the closing minutes, Francisco did not hesitate with his answer.
https://basketnews.com/players/21280-sylvain-francisco/news.html
ザルギリス・カウナスは、フェネルバフチェ・ベコ・イスタンブールに81-78で逆転勝利を収め、ユーロリーグでの生き残りを懸けた戦いを続行することになったが、シルヴァン・フランシスコは、まだ道のりは長いことを明らかにした。終盤の数分間で勝敗を分けた要因を問われると、フランシスコはためらうことなく答えた。

ただ、ここではWhatで無生物主語ですね。

Golden State built up to a 20-point lead, but Memphis clawed back, briefly taking the lead in the final quarter. But Curry’s timely shooting made the difference in the closing minutes.
federalcharacter.com
ゴールデンステートは最大20点差までリードを広げたが、メンフィスが粘り強く追い上げ、最終クォーターには一時リードを奪った。しかし、終盤の数分間、カリーの絶妙なシュートが決定的となった。

ここでも無生物主語。

PLAYERS TO WATCH IN 2024/25
With the teams battling it out to be crowned NBA Champions, who can make the difference for their sides this year?
engagehospitality.co.uk
2024/25シーズン注目の選手たち
各チームがNBAチャンピオンの座を巡って激戦を繰り広げる中、今年、どの選手がチームに決定的な影響を与えることになるだろうか?

この例は人主語。

まだまだ「サッカー」での生息域と比べると

  • 「試合を決定づける個人技/能力を持つ」

という意味で、他の競技で使われている例を英語ニュースで見聞きするのは多くない印象。

スペイン、ポルトガル、イタリア、フランスなどサッカーが盛んな欧州の「ロマンス語圏」のコロケーションでは、英語で言う

  • make the difference

に類する表現を人主語で用いるのが一般的なのでしょうか?
それとも、これはサッカー文化で生まれ定着した物言いなのでしょうか?

詳しい方がいましたら、私の思い違いを正すべく、教えてください。

本日はこの辺で。

本日のBGM: 銀河の星屑 (桑田佳祐)

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