2005-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『論理思考を鍛える英文ライティング』

富岡 龍明,ロバート・ノリス著『論理思考を鍛える英文ライティング』(研究社)を使って、高校3年の補習で東大対策にこんな課題をやらせていた。 課題6:次の英文の空所に適切な表現を書き入れ文章を完成させなさい。 English teachers should [ 1 ]instea…

現代「自己表現」批判

英語教育の研究会やワークショップでライティングは不人気である。中学校ではスピーキングやリスニングをテーマにした企画の方が集客力があり、高校では文法やリーディングの扱いの方が圧倒的に関心が高い。センター試験でリスニングの導入が決まっているが…

副詞的目的格

I have many more books than she has. という英文でのmany をmuchにするのは誤りである。比較級の程度を強調するmuchの用法からの類推で誤る人がいるのだが、大学入試の語法問題でも出題されるので、高校までの学習を「きちんと」行っていれば問題ない項目…

聞き取りのコツ(ふたたび)

前回、リスニングによる内容理解とグラマーディクテーションとをミックスした練習方法を紹介した。多くの英語教育関係者が読む全国的な雑誌でも、この手法に基づく授業を紹介してもらったのだが、反響はほとんどない。日本人学習者に最適といっても良い学習…

用例を惜しまず積み重ねるということ-

英和辞典の最大の制約は『日本語訳』を入れざるを得ないため、英英辞典に比して倍のスペースを取られるということだ、ということはすでに指摘した。今回は、もう少し具体的に話をすすめよう。 chief という語が形容詞で用いられるとき、その用例は辞書ではど…

これでTOEICリスニング満点? 聞き取りのコツ

英語の聞き取りが苦手だ、という場合に、 音そのものが聞き取れない 聞き取れた音が表す意味がわからない 新たに入ってくる音により、聞き取れた音の理解度が低下する その都度理解しているつもりでも、はじめになんと言っていたのか忘れてしまう 最終的に何…

用例(辞書編)

辞書にも例文は不可欠である。学習用といわれる英和辞典ではなおさらである。 以前、文英堂が『ユニコーンジャーナル No.51』に学習用英和辞典について思うところを書いてくれ、というので原稿を書いたことがある。(蓋を開けてみたら、何のことはない『ユニ…

例文

英語の授業、英語の教材、辞書に「例文」は欠かせない。単文であれ、短文であれ、文章であれ、その例文には、授業者、著者の「教材観」「教育観」そして、「言語観」が現れている。 教材の例文にこだわった人として、まず思い浮かぶのが、『英文法解説』(金…

不定詞と動名詞

伝統的な学校文法を修正、または否定して、よりネイティブスピーカーの発想や感覚に近い枠組みで英文法を構築しようという試みが多々生まれてきている。『理屈』や『規則の暗記』ではなく、『イメージ』『フィーリング』なのだ、と力説されても、ちょっと待…

英語の『質問』に関して

先日参加した研究会/勉強会で、日常的な質問がたくさん載っている『The interview book 英語でわたしにインタビュー』(2003年刊、講談社インターナショナル)を教材作成に使っている先生がいてうれしくなった。この本は、ただ、質問だけが載っているのでは…

語順

『語順ということを広く解釈すれば、構文に関する諸問題は、一応みな語順の問題ともなる。このように、語順というと、何か漠然として、つかみ所のない問題のように感じられるせいか、文法上の他の分野にくらべて、従来研究されることが少なかったように思わ…

アルク イディオム診断テスト

アルクのサイトでオンライン診断テストなるものがある。そのイディオム編の結果「上級レベル」とでた。 診断結果が以下の文言。

国際英語?

先日、若手の先生方を中心とする研究会と、そこからさらに懇親会にまで参加した。その懇親会の席で、ある先生と、「world Englishesをきちんと反映している教材がない」「英語ができるようになる、という場合に、あれもこれもといろんな方面を意識するのでは…

教材研究の進化?テクノロジーの進化?

教室に大きくて重い4in1のCDMDラジカセを持って行かなくてもいい方法を考えていたのだが、iPodをAux接続しても根本的解決にはならないどころか、コードやコネクターの分かえって面倒だったりする。高価なiPodアクセサリーは、自宅では全く必要ないので購入は…

The non-native teacher

1994年刊のPeter Medgyesによるモノグラフである。翌、95年には英語教育関係の著名な賞を取っていたかと思うのだが、今や絶版のようである。刊行からもう10年が経とうとしている。日本にいる英語教師(both native speaker English teachers and non-nativ…

Uchida Yoshiko

彼女は日本では、"Picture Bride"の作者として有名なのであろうか?今日、読んでいた短編集に彼女の作品が収められていた。"Tears of Autumn"という1989年初出の作品。(この短編集にはR.A. SasakiやAmy Tanなど23作品が収められている。)

either の語感,あるいは質問の論理学

高3の講座で、多くの生徒が理解不十分だった英文をあげておく。 A logical policy would be to decide what priority to give to the two favorite goals of recycling --- saving raw materials and having less rubbish --- and then ask whether recycli…

bottom-up or lower order processing?

以前勤めていた高校で、高校3年生に配布していたプリント(ハンドアウト)がでてきた。 「読んでわかるとはどういうことなのか?」と題して、概要把握だけでは読めたことにならないという戒めの意味を込めて、当時の認知学習論を展開したものであった。 例…