Uchida Yoshiko

彼女は日本では、"Picture Bride"の作者として有名なのであろうか?今日、読んでいた短編集に彼女の作品が収められていた。"Tears of Autumn"という1989年初出の作品。(この短編集にはR.A. SasakiやAmy Tanなど23作品が収められている。)
ウェブサイトの中には、授業で文学作品を扱うヒントとなる情報を提供してくれるところがあるが、そのうちの一つにこんなものがある。
http://www.webenglishteacher.com/uchida.html
"Picture Bride"の授業案なのだが、主題は、Personal Freedom and Civil Rights、対象学年は中3から高1にかけて、となっていた。いってみれば、国語とか文学の授業での題材なのでこのような展開が可能なのだろう。現在の日本の英語教室に目を転じてみると、この手の社会性あふれる主題を扱う教材は、どんどんnon-fiction化しているような気がする。例えば、Yoshiko Uchidaを授業で扱うとしたら、彼女の作品を読むのではなく、彼女の生い立ちなど伝記的な内容を読むわけである。語彙、文法の統制がしやすい、テストが作りやすい、というような実務面での要因は理解できるが、やはり良質のフィクションを読ませる機会を高校卒業までに与えておきたいと思う。読み手の持つスキーマに頼ることの難しいフィクションでこそ本当の意味での読解力が問われているような気がしてならない。