2005-12-01から1ヶ月間の記事一覧

日本語の語彙に関連して

コーパス言語学の成果を受けて、英語教育の世界でもコーパスを利用した研究が増えてきている。市販の教材も、「コーパス」という言葉を冠したものが増えてきた。 私自身、TEXTANAを使って、簡易学習者コーパスを作っていた時期もあり、コーパスの利用には大…

世間は御用納め

3月末の(財)語学教育研究所主催の春期講習会でライティングに関する講師をすることとなった。 非常に複雑な思いである。いつものように自己表現と自由英作文に関しては警鐘を鳴らすつもりでいるのだが、80分の講座で消化吸収できるテーマとなると相当に…

『今を生きる』人の師匠

若手(といっては失礼か?)教師として今、ピカイチではないかとかねてより注目している(というよりはお世話になっている)U先生から、『仕事場の英語学』と "I am a pencil"とを購入してこの冬に読む、とのメールをいただいた。この貪欲さ、何でも吸収す…

らくらくリスニング

辞書の制作にかかわるようになって14,5年、教科書を書くようになって10年になる。インターネットの普及により、音声教材の活用(そして作成)は10年前とは比べものにならないくらい便利になった。英語学習者によるサイトでの情報発信も増え、情報の…

不幸な「和文英訳」

私が個人的に勝手に「和文英訳御三家」と呼んでいる大学の出題がある。 奈良女子大学 京都大学 大阪大学 の3校である。 他にも和文英訳を出題している大学は数多あるが、この3つは毎年出題を見て考えさせられることが多い。私の勤務校はずっと首都圏にあっ…

そして、誰も批判しなくなった?

大学進学を考える生徒の多い高校に勤務していると、教師も入試対策を否応なしに考えるわけである。『ドラゴン桜』の大ブレイクとその便乗商品などで、「効率よく入試を乗りきる術」には注目が集まっている。ただ、英語という教科に限って言えば、入試問題と…

『教科書』はどこへ行った?

英語再入門、やり直し組の大学生や社会人を対象とした英語学習のセミナーが大にぎわいの昨今。書店の語学コーナーに行っても、その手の「英語本」がこれでもか、というくらいに毎月出版されている。ただ、そのクオリティもまちまちであり、この出版社なら、…

Opportunities are like sunrises -

前回のブログ (12月13日) のタイトルは、米国の著述家(小説家、編集者、教育者)であった、William Arthur Ward (1921-1994) の、The mediocre teacher tells. The good teacher explains. The superior teacher demonstrates. The great teacher inspires.…

A great teacher is someone who inspires.

2学期終了。 成績も無事提出し2学期の仕事は終了。成績提出の事務手続きが変更になり極めて煩雑。提出締め切り間際には長蛇の列となっていた。ペーパーレス化社会の趨勢とは逆行しているので、きっと揺り戻しがあることだろう。 3学期は、昨年と授業形態…

斉藤兆史先生講演会

大学の国際交流センターなるところ主催で、東大助教授である斉藤兆史(さいとうよしふみ)氏の講演会。同僚のM先生と一緒に見に行く。開演前から、学生で満員。初め正直ビビリました。 英語教育系の講演でこんなに人が集まるか? でも、なんのことはない、…

チャンクとコロケーションの指導

『英語教育』(大修館書店)の2005年11月号のForumでの拙稿に、「ライティングは突き詰めれば、読者問題と語彙指導の問題」という旨のことを書いた。 その語彙問題。まずは、Lexical choiceである。 トピックに関するキーワードをチャンクやコロケーション…

添削指導から、何を削り何を加えるか

ライティング指導に関する発表をすると、決まって「評価方法」と「添削」について質問を受ける。とりわけ「添削」の方に関しては、私の意図はなかなか伝わらないようだ。どうやったところで、「添削」が大変なことに変わりはないのだから、嫌なら添削はしな…

面白くないのは訳読のせいか?

山岡氏のサイトにリンクを張ったことで、彼の掲示板で和訳の是非をめぐる議論が始まっている。 どうも、「是非」(「可否」でも「功罪」でも同じことなのだと思うが)とスレッドを立てたことから、議論が突き抜けていかないのではないかと懸念している。(私…

Think!

高2成績付けほぼ終了。高3は、エッセイ(的出題)2題のうち1題終了。残すところ後1題、80人分。なんとか、週末で終われそうだ。採点済みの1題は必修問題で、次のような出題で80 - 150 wordsで答えるものです。 Some students think that to be able …

Beware of Greeks bearing gifts.

期末試験採点中。 自宅マンションが外壁塗装工事に入ったのでなかなか落ち着いて採点できない。高2は一通り○付けは終了。出題での下線部のミスなどがあり、へこむ。期末試験のみで考えると、あとはエクセルへの入力を残すのみ。最終的な100点満点への換…

冬期講座案内

冬期講座の案内です。リピータも大歓迎です。 今回の講座で「中級」と想定しているのは、分かりやすくいえばTOEICで700点前後の方たちです。 先日、とある英語学習サイトの掲示板で見たある学習者は、Listening 395に対して、Reading 155という極めてバラン…

不毛な「文法訳読議論」に陥らないために

昨日のブログのコメントでは、山岡大基先生のサイトでの「なぜ和訳が必要になるのか」に言及した。彼のサイトの掲示板に、その旨を書いてリンクを張ったら、そこからこのブログに来ている人が思いの外多かった。 私の意図は、山岡氏の論考に対する批判とかそ…

『不幸な訳読』

ひきつづき、安井稔『仕事場の英語学』(開拓社)を読んでいる。「比較的込み入った内容の英文が与えられた場合、それに対する我々の理解が、同じものに対する英米人の理解と大きく異ならないですみうるのは、日本語という、英語とは別の世界で、同じことを…

2学期授業終了

お疲れ様でした。 でもまだテストの採点と成績付けがありますからね。 今日の高2『英詩と過ごす夏…』の上映会は、襟を正して臨む意味も込め、同僚のK先生にも見ていただいた。読み方の指導は全くしていませんよと言っておいたが、見終わったあと、「模範の…