早五月。
今日も告知を。
4月25日の「初級」と同じ内容で、行う「文字指導/handwriting 指導法」のセミナーです。
2021年5月9日(日) 13:00〜16:30 オンライン開催
絶賛受付中です。
これまでの受講者の声は、こちらの過去ログにまとめていますので、受講を検討する際の参考にして下さい。
4月の「文字指導/handwriting指導法セミナー」の受講者からのフィードバックのうち、リアルな「声」というか、「叫び」に近いものをご紹介します。講師の私の胸にも刺さりました。
セミナーの感想を一言でいえば、まさに「思い込みからの脱却」。
副題の通りです。
事前に資料をプリントアウトし、目を通していたのですが、お話を聞くと、その予習で得たものさえ思い込みだった…。
というか、初めて英語を学んだ中学1年生の日から、自分が教える側にたってからの期間も含めて、なぜ誰もこのことを教えてくれなかったのか?そして自分は気づき、学ぼうとしなかったのか?という驚き。今まで英語関係の勉強会やセミナーなど、それなりに出ていましたが、このような基礎中の基礎ともいうべき内容のものは初めてです。テキストやノートで、様々な種類のフォントや四線が使われているのは目にしていましたが、それぞれの特色や意味など、深く考えたことがありませんでした。
驚きをもって学んだことをいくつか箇条書きにします。
- 指導は小文字から
- 補助線は補助にすぎない
- 文字の”からだ”の名前
- フォントの比較
- 目にする文字の間での差、見る文字と書く文字の差
- 形の認識<動きを意識
- 同じ動きの入った文字を一緒に
- 球+棒”を避け一筆書き
- カウンターの形状と分岐点
恥ずかしながら、まったく知らなかった世界であり、非常に興味深く、ほほう、ほほうと感嘆の声をあげながら受講したのですが、最後まで解消されない疑問も出てきました。
まず、なぜ、せめて教科書だけでも(望ましくは、問題集などもすべて)初学者に易しいフォント、字体、4線を統一しないのか?
どんな文字を使うかは、教科書の出版社に一任されているとのこと。公立の学校で使用される教科書だけでも、現時点で日本で最適と思われるものに統一されるべきでは?特に小学校と中学で使う書体や4線が異なっていれば混乱するかと思うのですが…。今回は様々なフォントとその特徴の紹介が主でした。もちろん、識字障害の方にはこのフォントは向いているなどのコメントはありましたが、私の中では、最終的に最適なものはどれなのかが、よくわかりませんでした。
もちろん、意図的にそのような言及をさけられたのではないかと思うのですが、実際のところ、悩みます。さまざまな会社のテキストを使っていると、書き順、字体の違いが多く、その都度子供たちから、どれに従うべきなのか、質問を受けます。メインテキストとワークブックなど、それぞれ違っており、また気づけばホワイトボードに書く私の文字も違っていたりして…。また、こちらに入ってくる年齢がまちまちなため、いろんな程度の”うろ覚え”の生徒さんたちがいます。その”うろ覚え”のソースも、小学校で習う”ローマ字”、パソコンの授業で身近になるキーボードの文字、看板、洋服、漫画などいろいろな場面で見かける様々な文字…と様々です。母語でも同じなのでしょうが、いったん感覚で覚えてしまったものを”矯正”することの難しさも日々感じています。
そしてもう一つ。受験時の採点ではどう判断されるのか?先生も書かれているように、”学校現場の手書き文字の「テスト」での〇×△に関してのローカルルールが多数存在”しており、中学生に対して”Mの「谷」が基線まで伸びていなくてもまったく構わない、ということを周知”することは難しいです。学校のテストの採点において何の権限もない、いわゆる”塾の先生”である自分にとっては、やはりひとつ”コレだ”という手本が必要であり、そのためにも、”教科書のフォント統一→習う文字の形と位置の統一” を求める気持ちがあります。中学一年生で、模範となる文字指導をし、その後、4線がなくてもある程度、模範形に沿った、誰からも識別されやすい文字を書けるようになってほしいというのが、現在の私の考えです。
小学生低学年はともかく、教科書が改訂され、覚えることが多すぎる(と感じています。)中学一年生にどれだけの時間を文字指導にあてることができるのか・・・?不安はありますが、まずは教える側である私が今回のような知識を得ることができたことを第一歩と前向きに喜びたいと思います。
今回のセミナーに続く中級編?を望む声がよせられている…と聞きますが、私はもう一度初級を聞き直して理解を深める必要があるように感じています。つけてくださった資料なども、少しずつ読みながら勉強していきたいと思います。日々のレッスンに追われ、自分自身の勉強がおろそかになっています。今回のセミナーを良いきっかけに少しずつ、学んでいきたいと思います。ありがとうございました。
長文で率直な想いの溢れるフィードバックでした。ありがとうございます。
ここ3年ほど、文字指導に関わるセミナーを開いていますが、英語教育に携わる人でさえ、多くの方が、
「文字指導のセミナーに5千円も払うなんて!」
「休みの日に、3時間とか4時間とかかけるだけの意味や価値がある?」
「受講者の声で紹介されている内容がウソ臭い!」
などと感じていることでしょう。
私としては、
- 他では得られないものが得られるまたとないチャンスですよ。是非に!
- 想像しているものの、かなり先に行けて、さらにそこから今まで見たことのない景色が見られますよ。
としか言いようがないのですが、ソーシャルメディアでは、次のようなプラスの反応もありますので、このセミナーが不要となる日まで、地道に普及啓蒙をしていきたいと思います。
一昨年のセミナーを受講して下さった大名力先生のツイート
英語の手書き文字についてしっかり理解するには,松井孝志さんのセミナーに参加して,手島良さんの『これからの英語の文字指導』(研究社) を読むのが近道。
— 英語の発音と綴りなど (@bupxdnq) 2021年4月30日
英語を教える人なら利用しないのは勿体無い。 https://t.co/tt0V5ZvwU2
松井孝志さんのセミナーを受講するとよくわかるが,アルファベットでは,適切な筆順は固定しているものではなく,年齢とともに変わりうるもの。
— 英語の発音と綴りなど (@bupxdnq) 2021年4月30日
同じく一昨年のセミナーを受講して下さった手島良先生のブログ記事。
昨シーズン、今シーズンと連続で受講して下さった山下桂世子先生が、昨シーズンのセミナーに参加した際の振り返りのブログ記事。
英語の文字指導/ handwriting 指導法セミナー
https://kayokoyamashita.com/archives/15908
こういう方たちにも、handwriting指導法の理解を深めたり、ご自身の実践や研究との接点を実感していただく機会を提供できている、というのはなかなかに意義深い、貴重なセミナーなのではないか、と思っています。
連休明けの5月6日(木)の21:00まで受け付けていますので、よろしくご検討下さい。
本日はこの辺で。
本日のBGM: First of May (Bee Gees)