”make believe”

普通科は、四角化の山場、分詞による前置修飾と後置修飾。観察と分類、仮説と検証。苦手なことができるようになるまでのもどかしさと、できた時の快感。そういったものが「どよどよ」と渦巻く50分であった。まずは、をやった後で、識別整理ができるかまでは、もう一頑張り。
進学クラス2年は、キーワードからの英文復元。ダメ出しをされた生徒のリベンジから。暗唱は1年次からやっているはずなので、要求されているのは、それを自分の言葉でいう「もどかしさ」と、どう折り合いをつけるかなのですよ。課題となっている英文・文章、そしてその作者と自分がどう向き合っているか、「やっつけ仕事」で通過しているうちは身に付くはずもありません。
3年生は、パラフレーズ。1つの文章から、3箇所抜き出し、下線部を言い換える。
まず、自分でやってきたものを机の上に拡げ、回転寿司。自分が回る。まず、1題ずつ5人分回ってきて、自分の席に戻り、修正が必要だと思えば修正。それを3題分繰り返して提出。
残り時間で、新たな長文の再読。
決めの英文で、引用符に囲まれたフレーズの和訳と解説があまりにも拙かったので、具体例を挙げつつ、頭の働かせ方を修正。

  • その言葉で表されている、典型的な、時に物凄く極端な具体例を想起する。
  • 反意語・対義語、または全く対照的な、反対の事例を想起し、それを裏返すことによって、語義、意味を捉え直す。

今回の英文は、

  • Edward T. Hall, an anthropologist, says the Japanese handle their uneasiness about being packed into public places by avoiding eye contact and drawing within themselves emotionally, thus “touching without feeling.”

という最終文。
最後の引用符部分を、「無感覚に触れること」という訳語で、わかったことにしようというその魂胆が気に入らない。授業では、handle とavoid eye contact の部分のパラフレーズから。handleは、cope withとかdeal withとかのいかにもお受験的なものだけではなく、「不都合なもの」を目的語にとるのだから、manageやwrestle, tackle、「困難な状況から逃げない」と裏返して反対にすれば、face / face up toあたりでも充分機能することを説く。avoid eye contactは、close one’s eyesではなく、look the other wayの即物的意味と比喩的な意味を経て、ignoreまで引き延ばせば、ズレと元の立ち位置とがはっきりとしてくる、という話し。続いて、「感情的にひきこもる」などというとんでもない日本語を当てられていた、draw within themselves emotionally のパラフレーズを経て、決めのフレーズへ。私の方からの「ヒント」は2つ。一つ目は、

  • ダチョウは、外敵に襲われそうだと思うと、砂の中に自分の頭を突っ込み、見えなくなることでその敵を回避できたと思うらしい、と言われている。

2つ目は、オフレコ。でも、こっちのヒントとして出した具体例は必ず分かりますね。どうしても知りたい方は、メール下さい。

放課後は、7限の後で、湖に行って乗艇するには時間が足りなかったので、エルゴでワンショットのドリルをしつこく。明日から、選抜大会の県予選です。
フォーラムの総括の続きは週明けにでも。

帰宅後、突然のメール。
高校の同窓・同期からでした。いよいよ我々32期に同窓会の幹事が回ってきたのですね。よく考えてみると、山口にきたことを自分のクラスの人には誰も連絡してませんでした。ごめんなさい、生きてます。
電話で暫し話して、このブログのことも伝えて、近況報告。札幌でのクラス会が盛り上がった話し、「時間が誤解を解いていった」ということばを聞いていろいろ嬉しくなる一時でした。いつ帰れるかは分かりませんが、できる限りのことはさせて頂きます。

  • 中野好夫『人間の死にかた』 (新潮選書、1969年)

を入手。パラパラと。この、マイブームは何の現れなのだろうか、得体が知れないが、まあ、この自分と付き会い続けるしかないのだろう。
大阪ではPupa。いいライブだったことでしょう。3号へと思いを馳せる。
晩酌用にはもったいないかな、と思いつつ、自分へのご褒美に獺祭。人肌よりちょっと高めのお燗でリラックスして就寝。

本日の晩酌: 獺祭・純米大吟醸・遠心分離磨き3割9分・おりがらみ本生 (山口県)
本日のBGM: 予感 (原田知世)