『ネガチョフ & ポジコフ』

風邪を抱えつつ週最後の授業。
高3ライティングは、ドラフトがあまりにもお粗末でやり直し。久々に吠えました。遅れていた分をカバーしようとインベンションの段階で焦っていたことが原因とも考えられるが、「言いたかったけれど言えなかった表現」のところに、テーマ語彙の導入で板書した英文にあたる日本文をかかれてもねぇ…。見直しのポイントを順を追って説明し取り組ませて、書き直し。最後に5分、時間をとって、自分のドラフトと書き直した英文とを比較させる。意識の持ちようで、これだけクオリティが変わるのだ、ということを自覚してもらいたい。何のために先日、小学生の教材である『はじめての…』をわざわざ高3の授業で使って批判したのか。中学高校の授業の内容、すなわち「教科書レベル」を身につける、というのは本当は大変なことなのである。ただ、その大変なことをきちんとやれば、何も小学校から「日本文化紹介」をしなくたって、英語の力は養われるのだ、ということを身をもって体験したはずなのだ。
本当なら、次週火曜日にやるはずだったハンドアウトを配布し、「早くこれに入ろう」、とハッパをかける。

高2は10月の歌のみに変更。
歌詞の聴き取り確定から。1回通して聴いて、空所1から7までグループごとに板書。再度、1行ごとにCDをかけ、語句に関するコメント、音声に関する注意を与えながら板書のチェック。今回難しかったのは、空所4と5。片方のクラスは1で躓いているグループもあって先が思いやられた。
歌詞が全て確定してから、電子辞書を活用してのパラフレーズ。今確認したばかりの空所それぞれに入る語句を英語で言い換える作業。空所は以下の7つ。(お時間のある方は→ http://www.mikescottwaterboys.com/mikescottwaterboys/Lyrics/song.asp?idsong=75にある歌詞を参照の上、パラフレーズにチャレンジしてみてください。)

  1. (the) changing wind
  2. adventure
  3. miracles
  4. being blessed
  5. service
  6. peace and silence
  7. beauty

全5グループのパラフレーズ候補を比較しながらフィードバックと模範解答例の提示。辞書だけでは分からない、文脈に即した語彙に関する説明を与える。歌詞とその表す意味を理解し、全体像を踏まえた上で「気づき」のタスクへをやって回収。
今日の授業では、生徒は特に自己表現もしていなければ、ペアでの対話練習をしたわけでもない。コミュニケーション活動などなきに等しいが、最後に英語がしっかりと残る授業になったことは間違いない。さらには、主題の設定、解釈の多様性、語彙の選択などこれまで「英詩」を扱ってきたことを総括する機会となったことと思う。
さて、神保町の古書店で以下の本を100円で入手。あまりにも変色していて、商品価値はないのだろうが、私には重要な意味がある。
『新英語教育講座第三巻』(主幹 市河三喜、研究社、昭和23年)

  • 英語の語彙と慣用句(山本忠雄・桝井迪夫)
  • 英語の綴字(松本鐘一)
  • 英習字(篠田治夫)
  • ローマ字(星山三郎)

戦後間もない頃にこのようなシリーズを出版していたエネルギーにあらためて感動を覚える。

某TV局で「早寝早起き朝ご飯運動」を持ち上げる特集が。
男性アナの「子どもたちの顔が生き生きしていますね」という紋切り型のコメントならまだ我慢できるが、インタビューで「心と体の問題を解決する唯一絶対の方法」とまで陰山英男が言っているのが聞き捨てならなかった。
本日のBGM: いらない(TOMOVSKY、1996年)