what is worth saving

高3進学クラスは、音読したりさせたりしながら、「パラフレーズ」の続き。これで指定範囲も一段落かね。あと最低でも2〜3ユニットは読めそう。その後は、『Upgrade』で出てくる程度の、語法の整理だろうなぁ。
今日のポイントは、 “in order not to lose face” の処理。当然、構文としての、否定の目的「〜しないように」という時には、 not 単独ではダメで、<in order not to原形>か <so as not to 原形>を用いることは押さえた上で、成句の “lose face” に取りかかる。日本語の「面目」「面子」という語義を把握した上で、この ”face” の持つ、”the way you look” とか “appearance” という要素が感じられれば、

  • suffer a loss of reputation (ISED)
  • to no longer impress people or be respected by them, especially by showing that you are not in control of a situation (MED)

という語義・定義も腑に落ちるというもの。では、この文脈での “reputation” とは何か?そう、「フィンランド人の沽券である、tough people, tough nation である (と思われている) こと」でしょう。結局、その前がきちんと読めていないとパラフレーズできないわけです。逆に、うまく英語でのパラフレーズができなくとも、パラフレーズしようと思うことで、原文をより正確に・適切に読むことができるとも言えます。
語義のポイントとしては、”quite” を扱っておきました。そろそろ、悩む頃だと思うので。ここは教材の全文訳が頼りになりませんね。今回の用例では、MEDでいう、

  • fairly but not very

という感覚を当てはめるべきところではないかと。
というようなことを確認した後、再度重ね読みなどもさせます。高1から、対面リピートをやってきているので、語句の保持の能力はそれなりに上がるけれども、正確な調音とリズム、イントネーションは常々チューニングが必要。音源のスピードに合わせて読む重ね読みも、1語遅れや、(気分的に) 3語遅れのシャドウイングも高2まではやってきましたが、最近はもっぱら普通に音読です。語彙のレベル。構文の複雑さ、密度が上がっているので、闇雲に自分の音読スピードを上げて英語ネイティブに付き合う必要はありません。一緒に読んでみて、どこで自分の調音が崩れるのかが分かれば、それを再構築するまで。私自身が高校生の時のリスニングの学習方法は過去ログでも記しました (http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20050313) が、今なら、良い教材・良い音源を見つければ、それをじっくり消化吸収することの方を選ぶでしょう。

その次の時間は大移動で普通科2年。
英和辞書・和英辞書の新刊を誕生日プレゼントで3名に。普通科には、流石に学級文庫の新設や進学クラス棟から毎回移動することもできないので、辞書に限らず、いろいろな参考図書が必要な時のために、地道に種を蒔く意味もあります。クラスの中に複数の辞書がある、和英辞典がある、レファレンスがある、ということの利点、豊かさに気づく時がそのうち訪れるでしょう。授業は、不規則変化動詞のまとめ。これで、A-B-B型とA-B-C型が一段落。この不規則変化動詞というのも、中学2年の終わりには、おそらく皆通過してきている項目でしょう。でも、高2の時点で定着していない者が多い。苦手だからこそ、暗記しようと闇雲に繰り返すのではなく、自分で実例を観察し、規則性を発見・把握した上で、覚える時の注意点にスポットライトを当てられるような手順を残したいものです。自力で空所を補充できるか、まずやってみて、その後、辞書引きで補充完成。変化の類型を整理し、板書後、

  • リズムよく、きちんとした発音で練習した方が「覚えやすい」。必ず覚えられるとは言えないけれど、「その方が覚えやすい」ことは確か。

といって、音読・斉唱。
昼はカップ焼そば。
ソースの匂いを準備室に充満させて済みませんでした。
午後の進学クラス2年は、助動詞「的」表現と、助動詞の相互乗り入れ可能なものと、別な路線を走っているものとを自分の中で落ち着けていく作業に。
それと並行して、助動詞と時制のズレ。私の授業では「番付表」を用いて階層性を考えているので、<横綱+大関>の生じる環境を観察する、目指せファーブル、目指せシートン、の時間。
理屈としては、

  • 横綱の助動詞の「過去形」という姿形への変化を、話者の心的態度や可能性の査定を表すための「カード」として切ってしまった以上、横綱は「時」を表すためのカードをもう持っていない。そのため、大関の助けを借りて、発話の基準時よりも以前に遡るための目印として使う。当然、横綱の付き人は原形、大関の付き人は-ed/en形なので、その大原則は守る。

という部分を常に押さえておけば、あとは適切に用いられた用例の採集。私も学級文庫の中にある一冊を手に取り、パラパラと読み始めて、9ページ進んだところで、

  • This is a counterfeit. If the Buddha had really used this bowl, it should give out a dazzling light. You must have found this in some temple in the mountains.

という文に出くわしたので紹介。これは、『英訳日本むかしばなしシリーズ3・かぐや姫』 (中尾清秋編著、日本英語教育協会、1985年) の一節。この「英検3級程度」の副読本シリーズはすでに絶版だけれども、今の高校生や英語再入門の大人が読むのに好適。日本昔話であれば、ネタバレを気にする必要もないし、意味や内容ではなく、英語ということばを読むことに注力できる。クライマックスでの「ひめさま」のことば、

  • I feel so sad to have to leave you, but please do not cry. This is the destiny of all heavenly beings. I thank you for all you have done for me these many years. In future, whenever you see the full moon, please think of me.

この最後の “think of” を「思い出す」「思い浮かべる」というような文脈で使いこなせる高校生が増えて欲しいと思う。このシリーズ、中尾先生編著ということだけで、英文ライターの情報がないので、やはり全文中尾先生の筆によるものなのだろうか。このレベルの英文が達意に書けるようになりたいものだ。
教室では、

  • 「9ページ読んで、お目当ての用例が一つ出てきたのだったら、一冊読み終える頃にはどれだけ…。と思って最後まで読んだけど、結局、この一つだけだった」という時に、最後まで読んで損したな、と思うようならそこまでですよ。

と念を押しておいた。

放課後の職員会議は延期。
職員室にいた英語科の先生方と新課程の英語科のカリキュラムに関して、問題点の洗い出し。学校設定科目として開講する科目の必然性を説く。英語科全体のコマ数とか、専任比率とか、人事が絡むので、普通は「カリキュラム検討委員会」などというような教科エゴを呑み込み、乗り越える部署が求められると思うのだが、なかなかそういう動きがまとまらないようでもどかしいところ。
最終的な私案の科目と単位数をエクセルに打ち込もうと思ったのだが、自分のPowerBookの電源は既に落としていたので、教務のPCを使うことに。共有PCのある奥の部屋で仕事をしていたら、いきなり心拍数が不安定となり大粒の汗が溢れてきて自分でもびっくり。身体のバランスが何か狂ってきているのか?本業はオフの日なので、一頻り汗が落ち着くのを待って、日暮れとともに早目の帰宅。運転中にさっきみたいな症状が出ないか冷や冷やでした。

夕飯はリクエストで昨日に引き続き豚汁。
昨日の豚汁で何かが足りないと思っていたのだが、豆腐でした。
そこでさらにパワーアップさせるべく、良質の豚肉のみならず、私の大好物の椿き家・塩豆冨を投入してもらう。This is it! 私の舌は、記憶の中にある、あの西巣鴨の「とん清」の豚汁を求めているのでしょうね。ああ、泣きそう。副菜はニラ玉。玉子が美味。このニラは自家製かな?

ちょっと仮眠を取ってから一仕事。自分の英語のトレーニングも少々。そろそろ朝のジョギングも再開しようかしら。でも、腰周りの贅肉の前に、自分の頭の中の贅肉をなんとかすることだな。
左耳に違和感。
風邪に注意が必要なサイン。

本日のBGM: The face I love (Ann Sally)