麻黄湯とレンコンと私

高3は「福袋」ドラフト。10分で構想、20分で書き上げる。3分程度で構想に用いたワークシートの方にアウトラインを転記させ、提出用紙には恒例の「言いたかったけれどうまく言えなかった表現」を2つまでメモさせ、回収。
これをもとに次時ではPeer ResponseからRevise & Rewriteの予定。今週でこの課題も一区切り。来週からはクライマックス「ことわざ」編。去年の活動を踏まえて、相当気合いの入ったワークシートを作成した。自画自賛。
高2はグループ課題。Grace Nicholsの小論の部分指定パラフレーズと、Dylan Thomasの小論をもとにしたパラフレーズ問題と模範解答がやっと完成の運び。課題3つを並行していたとはいえ、行事を挟んで1月くらいかかったなあ。これで来週はこの素材をもとに集中的に言語活動と「解説」ができる。10月の歌第2弾はとにかく短くということで、困ったときのTom WaitsかJules Shearにしたい。1分少々なので何とか1週間で終われるだろう。
昼休みと放課後と昨日の高3の相談の続き。教材のリストと学習の指針を与え、podcastingのネタ説明。演劇好きの生徒には『オリバー!』のDVDを貸してあげた。今時のDVDは英語字幕を出したり消したりでリスニングやスピーキングの練習にも使えることを確認。ソフトを借りる時に必ず字幕のチェックをするよう念押し。もう一人の生徒はすでに指定校で進路が決まっているので、入学後のプレースメントテストに備えてしっかりと英語をやりたいのだそうだ。優秀。
帰り道で大学の横を通るとき、シャドウイングしようとヘッドフォンをつけようとしたところで昨年度教えた生徒と遭遇。駅まで道すがら、去年と今年の授業の話など。去年の授業の何を覚えている、と言ってやはり歌であり、詩なのだった。Both Sides, NowとUp On The Roofはすらすら口をついて出てくる。どちらも30年以上前に作られた曲。流石。
今日の授業でもワークシートを提出させるときに、片方のクラスで言ったのは、

  • 教科書の誰が書いたのか顔の見えない英文、英検やTOEICの読解問題の英文がいくら読めても、ある日突然「ああ、そういう意味だったのか」と気がついたり、ある一節が自分の心に引っかかってどうしても忘れられなかったり、ということはまずない。授業では授業でしか読めない英文を読み、授業でしかできないことをやりますよ。

ということ。(関連記事は→ http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20050217
帰宅して、『英語青年』11月号を読んでいたら、日本医科大学助教授の中村哲子氏のこんなことばに遭遇してどきっとした。

  • さて、この授業によって英語運用能力試験のスコアが上がるかと問われれば、否。英語が話せるようになるかと言われれば、これもまた否。ただ、20年後でも学生はこの作品のことを覚えていることは請け合える。もしかすれば、台詞の数行が口から出てくるかもしれない。TOEICコースで何をやったかについて、20年後には記憶がなかろう。どちらを取るか、それが問題だ。(「英語教育と戯曲の関係---頼れる12人の怒れる男」p.32)

こういう授業を受けてみたいものだ。
さて、昨日の記事で引用したマトリクスの出所が知りたかったのだが、『新英語教育』が見あたらず。さんざん探した挙げ句、味噌煮込みうどんの鍋敷き代わりになっているのを発見。裏返しになっていたとはいえ申し訳ない。
いつもお世話になっている同僚のS先生経由で、授業参観の依頼が来たので了解。S先生の授業も、私の授業も見たいのだそうだ。テスト前なのでスケジュール調整がうまくいくかしら。高3のライティングは2学期まで(11月一杯!)しかないので、もし希望される方がいましたらお早めにご連絡を。
授業中から風邪気味でのどと体の節々が痛かったが、麻黄湯で持ち直す。これじゃ、ドーピングに引っかかるのも無理はないなぁ。レンコン入り味噌煮込みうどんで少し汗を出して、回復の兆し。レンコンはのどに良いのだ。
明日は夜から某社編集会議。なるようにしかならないだろう。来週は打ち合わせが2件すでに入っているので、テストの構想はこの週末で確定しておかねば。
本日のBGM: You Me and God (Duffy, 1995年)