”Sisters and brothers should help each other.”

高1の授業開きは、2種類ある英語の科目の概説と教材の対応から。中学校で選択科目で英語をとっていたとしても、「英語I」と「オーラルコミュニケーション」の違いほどではないので、それぞれのねらいを説明。
中学英語の徹底を丁寧に、かつ厳しく説く。一部の私立中学では前倒し、先取り宜しく『プログレス』や『トレジャー』を使ったり、中学校の2年生くらいで三冊の検定教科書を終え、問題集をゴリゴリやらせて、中3ではもう高校の学習を始めているのだが、普通の中学校では (現行の) 指導要領で示されたねらいを達成するべく「タスク」を組み、「プロジェクト」や「イベント」をこなし、限られた言語材料で作成されたはずの教科書を3冊終わらせるのがやっとというのが実態だろう。そして、その教科書でさえ、十分に定着していない生徒が現任校に入学してくるのだから、「進学指導」とか「受験指導」の前に、まず「ことば」としての英語の学び直しから始めなければならない。
学んだことを理解したつもりになるのが一番危険、ということで「六掛けの戒め」を披露。大いに頷いていたが、本当にわかっているのだったら、ここにはいないので、

  • 1年12ヶ月の名前を英語で書く。

という課題から。12ある名詞のうち、6個かけたら5割でしょ?では、6割って?と問う。
続いて、

  • 1週間7曜日の名前を英語で書く。

これも同様。
偏差値の高い低いではなく、何が出来るようになることが英語が出来ることにつながるのかを考えさせる。ここで、縦書き練習を導入。まずは、2月 “February” から。こうやって、綴り字と発音の関係に入っていく。
2コマ目で、辞書の取扱説明。
一昨年の新入生は『ウィズダム英和』という実力不相応の採択だったのを、昨年度は『ユースプログレッシブ英和』に替えたのだが、今年度は『エースクラウン英和』という採択。和英辞典は継続して『グランドセンチュリー和英』。両方とも、自分が関わっているものなので、安心感が違う。いえ、生徒のではなく、私のね。
英語の歌は今年度の新入生も月2曲ペースで使うので、まず、私の授業で定番のCarole King。歌詞カードを配布し、1曲通して流す。その後、

  • 今、あなたの頭に浮かんだ感想を英語一言、単語一つで表して下さい。

という課題。GoodとかBadなどの形容詞以外にどの程度、感情や評価を表す語彙があるかを見ることもねらいの一つだが、まずは辞書の使い方。『グラセン和英』を使って、自分の表現したい語を見つける時間。辞書の該当ページを開いて、そこで机の上に広げたままにして、立ち歩きで情報収集。他の生徒の見開き2ページから、どの語を選んだか推測。自分は何を選んだか、他の人の選んだ語は何か、発見があったか、などそれはそれでおもしろいのだが、自分の机に広げた辞書はページがこんもりしていてページ数によってはすぐにページがめくれたり閉じたりしてしまう。
辞書を両手にとり1/2のページで分割。50音のどのあたりか確認。次に前半1/2をさらに二分割。50音の確認。という具合に、辞書の背中ののり付けを「パリパリ」とストレッチ。
続いて、『エースクラウン』も同様に、両手にとって分割し、次々と背中のストレッチ。背中が十分にほぐれたところで、辞書の半分の前半1/2で二分割。その見開き二ページの左上と右上に書いてあるそれぞれの語が何を意味しているかを確認。自分の調べたい語が、この見開きより前にあるのか、それとも後ろにあるのか、を知るには、abc …、いわゆるアルファベット26文字の順番が身に付いていなければならないことを指摘。ここで、恒例の「アルファベット三三七拍子」 (過去ログ参照→http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20080421) 。まずは、表から。
小文字でabc…を板書し、2,3抜かして書き終える。

  • 何がどこに抜けてる?

と問い、正しい順番を再確認し、歌詞カードの裏に丁寧に視写。英語が苦手な生徒は意外に時間がかかるものです。その後、正しい発音で音読。二重母音など丁寧に。で、三三七拍子に区切って、リズムをつけて範読に続いて斉読で音読。その後、個人で2分間、順番と音になじむ練習。
歌詞に出てくる、

  • honest

を調べさせる。「場所にあたりをつけて一気にページを開いて一発で見つけなさい!」と発破をかける。ぱらぱら、ぺらぺらと前後に移動しお目当ての語へ。生徒に意味を問う。

  • いま、ページを裏表いろいろめくっていたけど、こころの裏表がないのがhonestですね。

とコメントして、裏へ。
zyx...と26文字を逆に書いていき、同様に三三七拍子でリズムがとれると、もう、辞書引きの達人です、と一区切り。
残りの時間で、『エースクラウン』は、どんな人が作っている辞書なのかを確認。当然、私の名前も。
先日のK先生の結婚式の写真をN教授に送って頂いていたので、その写真をPowerbookの画面で見せてコメント。"Dr コーパス" とのご対面です。
次回は、『ぜったい音読』の進捗状況確認。

高2は、音声CDでやる気の萎えた『Viewpoint』の第一課。英語を読む際の頭の働かせ方を丁寧に。『クラウン英文解釈』的な、遅々として歩みです。
すらすら読めるときはいいが、ちょっと語彙のレベルが上がると途端に形・構造を見失うのは、文法が定着していないから。では、そのときに要求される文法は、文法の精選問題集のような4択か?という問いかけ。読み進め、意味を理解したかを日本語で確認。その際、いくらパラフレーズして、原文よりもやさしい英語で理解しても、イメージを頭に浮かべられても、その後、もう一度原文にある英語表現にもどらないとダメ、と念を押す。そうしないといつまでたっても、自分の守備範囲を拡げられないから。「段落の基本時制をしつこくチェック」「話題と主題は別」、「具体例は江戸前のすしネタの玉」など授業の定番も押さえ、時折板書で絵も描きながら、終了。
放課後は本業の練習。
アップに続いて、エルゴで10分3セット。休息は5分。初心者も経験者もまだまだUTで動きをつくる段階です。最後は、ダンパー全閉で加速のドリル。ちゃんと体がつながったことを確認して終了。
明日は、午前が県の協会の総会。午後から乗艇の予定。天気が気になるところ。

本日のBGM: The Look of Love Pt. 1 (ABC)