I don’t know who you’ve been talking to, but ....

0限は高1。
授業へと職員室をあとにしようという時に電話で欠席連絡。
5分少し遅刻で教室へ。
スモールトークから辞書指導。おおよそ20分。

  • 流行のことをファッションといっているが、「風邪が流行っている」は何と言えば良いだろうか?

という意味のことを英語で投げかける。当然「」の部分は日本語で言っていますが。
高1レベルですから、 辞書に頼らずに言えるのは

  • A lot of students have colds.

くらいです。『グラセン和英』(三省堂)を引いて、

  • Colds are going around in our school.

を得る。Substitution drillsで意味の拡がりを確認。そこからさらに、「流行の兆しを見せている」だったら?と問う。

  • Few students had colds last year, but more students have colds now.

などと対比で二文に分ける手も可としておいた。
冬期課外で扱った、「推移」の進行形の活用で、

  • More and more students are having colds these days.

までの道のり、ギャップをどうしたものかなぁ。

  • 和英辞書を使う前に、自分に6,7歳の妹弟がいたとして、その言葉をどう説明するか考えてから、英語に取りかかる.

という心構えを二つ三つ、他の例をあげて説く。体系には未だ遠いが気休めくらいにはなるでしょう。
教科書はクリス・ムーンの話なので、サイド・リーダーとの連動企画。教科書のタイトル ”One Step Beyond” のみを用いて、どのような話しになるか推測させるオーラル・イントロダクションから。教科書のリード文とサイドリーダーのリード文を読んでから、サイドリーダーの英文を速読。ここまででおおよそ20分。
英語の使用比率は40〜50%くらいですかね。もっとも私が話している時間自体が全体の40〜50%ですから。

高2は副詞と副詞句と副詞節。
フレーズのディクテーションから。<前置詞+名詞>単独では副詞として働くが、その直前に名詞が置かれた場合に、ひとかたまりの名詞句を作るのか、それとも名詞との間に切れ目があるのかを瞬時に判断する練習。

  • in the U.S. / in England /in English

のそれぞれが、

  • I study Math in the U.S.
  • I study English in England.
  • I study Math in English.

という環境に現れる時を想定。単純に頭の体操ですな。他にも、名詞句の扱いを揺すぶる活動を盛りだくさん。

高3はセンター直前で最近出題の、語義類推問題への対処をば。
テキストには有り難いことに「因果関係」に着目などとストラテジーが示されているのだが、実地で使いこなせるほど因果関係に習熟しているか、という問いかけである。
まずはbecauseのロジックと語法を確認。何のことはない空所二つのうち一方に入れて英文を完成させるたとえば次のような課題。
1. ( 1 ) he was late for school ( 2 ) he overslept.
2. ( 1 ) we are very busy ( 2 ) we have a lot of homework.
「高3のセンター直前にもなってこんなことを?!」という人は現実を知らなすぎる。多くの高校生がこのレベルの課題を瞬殺出来ないのだから。時や条件、譲歩なども含めて、副詞節(従属節)が怪しい生徒にはこの練習は効果がありますよ。とにかく思考のスピードをあげさせることです。一つの接続詞につき数題の例文を用意してwarm up。節をシャッフルして、補充すべき接続詞をalthoughやunless, until やby the time, in case 辺りまで含めれば相当に鍛えられます。上級者・習熟度の高い生徒であればリスニングでどうぞ。
ところで、このセンター試験の語義類推問題。英語ができる受験生は下線部の成句を知っているので、意外にもパラフレーズの適否で悩んでいるって、ご存じでしたか?個人的には、「受験生が意味の分からない語句」を問うのであれば、いっそのこと空所補充にしたらいいだろうに、という見解です。

『英語徹底口練』(実務教育出版、2007年)で自分のトレーニングをしている話は前から書いているが、コラムでおもしろいものがあった。
日本語で「何番目」にあたる的確な表現が英語にはなく、whichを用いざるを得ない、という趣旨の話。(上掲書、p.100)

  • あなたの席は前から何番目ですか

などの順番における発想の違いは今までにいろいろなところで目にしてきたが、

  • 何の絵を描いた学生が一等賞をもらいましたか

  • 一等賞をもらった学生は何を描きましたか

の差異を経て考察された、

  • 左から何番目の絵を描いた学生が一等賞をもらいましたか

という例示が秀逸。このコラムの執筆は外池滋生氏。このようなwh-疑問での疑問点を以前、同僚だったriverson氏と話したことがあったのだが、「この例文」、というのを忘れてしまった。
仲俣暁生氏の「海難記」で「2008年小説ベストナイン+1」のエントリー冒頭に、片岡義男氏と柳父章氏の作品に言及した箇所があって、すぐに水村美苗『日本語が亡びるとき』の批評が思い出されて、頷くことしきり。リストされた小説の評価以上に、この部分に反応した私も私だけれど…。

  • 広田照幸『21世紀の社会と教育』(アドバンテージサーバー、2008年)

読了。ブックレットの版型で、40ページ弱の講演録の体裁。「幻の…」などといわれているとは、これを読むまで私は知りませんでした。
連休は西地区の指導者研修会で香川県府中湖へ。
指導者30人強、選手140人強の参加。天気が少々心配ですが、旧知のMコーチが講師ですからとことん学びとことん懇親です。うどんを食べる時間があるといいのですが…。
連休明けは推薦入試が待っています。志願者がいてくれて何よりです。

本日のBGM: Boat of Fools (Keiichi Suzuki)