先週は、研究会で上京していた、今後の日本の英語教育界を支えていく俊英と、東京駅付近で宴。
対面は1年振りくらいですが、その時はご本人の発表を聞いて、その後話しだけ。今回は飲食しながら2時間ほど。英語教育の話しも少ししましたが、まあ雑談ですね。楽しい時間でした。
今週の授業も無事生き延び、週末は全○連を横目に、日本英語教育史学会の例会にオンライン参加。
先月の例会が久保野雅史氏の発表だったので、久しぶりに参加したのですが、その時に300回記念の陣容を知り、これは是非聞かねばと申し込んでいました。
第300回 研究例会 2024年 11月 16日(土)
シリーズ:わたしのしごと
「“口のことば”としての英語研究と教育の40年」
発表者:田邉祐司(専修大学)
シリーズ:私の愛した教材
「恩師の編んだ教材」
発表者:河村和也(県立広島大学)
http://hiset.jp/reikai/reikai300.pdf
何と、300回記念例会。
私は学会員ではないのですが、こちらの例会は非学会員でも参加でき、オンライン開催で、しかも無料。
何という寛大な学会でしょう。
私が初めてこの学会の例会に参加した時のことは、過去ログで書いています。
2006-09-18
二人で歌うのはduet、では三人では?
tmrowing.hatenablog.com
この時のことはよ〜く覚えています。
私は例会開始の少し前に会場入りして、ロの字型か、コの字型配列の、たまたま空いている席に座っていたのですが、少しして、別室で理事会か何か会議をしていた方たちが着席すると、私の両隣が出来成訓氏と伊村元道氏という得難い経験をしたのでした。
それから、18年。
300回記念の例会は驚いたり、しみじみしたり、考えさせられたり、憂いたり、唸ったり、であっという間でした。
実践例の共有ということで、私もマイクオンで爪痕を残しておきました。
オンラインの懇親会にもお邪魔し、ぐい呑み片手に歓談。
例会の中身は、学会の報告で正式に出るでしょうから、こちらでは内緒。
懇親会でも、例会の振り返りなどで示唆に富む情報や経験談も交わされていましたが、個人的には、極めて少人数の参加者だけが残った閉会間際に、私がフィギュアスケートの話しをしたときの反応が印象的というか、嬉しかったです。
私のように熱心なフィギュアスケートファン(=スケオタ)ではない人も、N杯は地上波でも放送してくれるので見てくれているのだなと、あらためて思いました。
お1人が、女子シングルの試合のことに言及し、
- あの試合で一番印象に残ったのは、3位になった人。
と口にしたら、もう1人の方も、
- 私もそうです!
と同意。
そこから、私が青木さんの今シーズンのプロの素晴らしさを熱く語りました。
それにしても、一般の方にも鮮烈な印象を焼き付ける青木さんの滑りの尊さよ。
青木さん、現役を続けてくれて本当にありがとうございます。
今週末のGPシリーズは「フィンランディア杯」。ヘルシンキでの開催です。
この大会は、シリーズ第2戦の「スケートカナダ」と同じく、吉田陽菜(よしだはな)選手と、松生理乃(まついけりの)選手がアサインされています。
今、このブログを書いている時点では結果はわかっていますが、地上波放送の時間などを考慮し、ここでは結果や詳細は伏せておきます。
ただ、今シーズンの青木さんのSPの鮮烈さ、艶やかさとは又違った、繊細さ、優雅さを極めたフリープログラムを松生選手が滑っているので、WEB上のアーカイブででもいいので、是非見てほしいと思います。
ロシア勢が参加できなくなって以降の現在の女子シングルでは、日本選手が上位を占めている印象です。今シーズンはルナヘンも故障でGPシリーズを棄権しているので、尚更日本人選手の活躍が取り上げられているようです。彼女たちの成長ぶりは勿論ですが、今の滑り、ジャンプなど、演技を正当に評価してあげてほしいと思います。
サイズ、身長ひとつを取ってみても、今の日本女子選手の特徴がわかるのではないかと。
女子で一時代を築いたレジェンドでいえば
- 浅田真央さんは163cm
- 安藤美姫さんは162cm
だったのです。
- 現世界女王の坂本花織選手は159cm
- 樋口若葉選手は152cm
で登録されています。
今回フィンランディア杯に出ている
- 三原選手は156cm
- 吉田選手は155cm
そして
- 松生選手は151cm
です。
身長が低いと思われている宮原知子さんが152cmでしたから、松生選手はさらに小さいわけです。
それでいて、あの伸びやかなストロークとエッジワークの美しさですから。
もっともっと国際大会の舞台に出て、その卓越した滑りをジャッジにも印象づけてほしいものです。
GPファイナルの女子シングルには、既に坂本選手、樋口選手、吉田選手が決まっていますが、残りの3人の進出者は、最終戦の「中国杯」の結果をもって決まります。
その顔ぶれも気になりますが、それ以上に、今年の全日本はどうなってしまうのか、もうハラハラドキドキしています。
国際大会の派遣は、世界選手権と四大陸選手権、ということになるのだと思いますが、どちらも枠が3つあるのだから、上位のシニア枠の選手から3人を世界選手権へ、次の3人は四大陸へ、6人皆に国際大会の経験を積ませてあげて下さい。お願いします。
英語の話に戻って、気になる語法シリーズへ。
こちらの「シリーズ」ネタは、年間のファイナリストとかを決めるわけではないので、書いて残しておきたいものを適宜書いています。
今日は、
- mediocre
という形容詞に関して。
私が提供しているオンラインでのライティング個別指導はテクストタイプ別で指導をしているのですが、その今週の講座では説明文に分類される「和文英訳」が課題となっていました。
そのお題の中にmediocreという語が思いつけばほぼ等価での置き換えができるという日本語表現があったのです。でも、結局、このmediocreという語の語義をしっかり掴まえていて、その生息域を感じられていないと、日英での裏返しは覚束ないもの。
この語は今では大学入試対策の、所謂「単語帳」でも取り上げられている模様。
『ピナクル』(アルク)では見出し語ではないものの、例文に含まれる重要な語として小さい扱いですが、説明は適切でした。流石です。
一方、某単語集ではカッコつけて補足しているところが顰蹙もの。こんなことを書くセンスを疑います。
20世紀の大学入試出題例が『クラウン受験英語辞典』(三省堂、2000年)にあるので、この辞典をお手持ちの方は見てみて下さい。
私の手元の辞書の扱いを比較してみたいと思います。
性格の明るさとか暗さの話しなどどこにも出てこないことを確認して下さい。
語義以外に気になるのは、G6ではCEFR-Jの語彙レベル表示。CEFRではなく、CEFR-Jに基づいたランク分けをしていますが、mediocreをB2に収めるのはちょっと解せません。
CEFRでB2まで表記のCOUBUILDでもランク外、C1まで表記のOALDでもランク外。
CambridgeではC2表記です。
語義の記述としてはランダムハウスの「かろうじて…」、類語の扱いとしてはCollinsのpassable; tolerable 辺りが実感できていれば幸いでしょう。
最後のCollinsの類語一覧でのpassableやtolerableまでの実感を持っていれば、acceptableとかlivable辺りまでも守備範囲に入れられるので、mediocreの輪郭線もより明瞭になり、肌触り、体温などもリアリティーを持つかと。
このような目利きを、初期段階の学習者に求めることは難しいし、不適切でしょうが、教える側の目利きは求められて然るべきだと思っています。
指導者は教え込まずに「気づき」を促すことが求められるようになって久しいですが、私がこれまで高校現場で接してきた学習者に限っていえば、目の前にある英語表現が自ら語ってくれる声は聞こえず、ことごとく気づき損なって今に至る、という人が多い印象です。学習者が自分の現在地を実感できず、自分の成長に自信を持てずに、歩みが遅いという時に、「出口まで行けば光が見える」と励まされるだけで歩き続けられるとは限らないでしょう。進んでも進んでも暗闇が続くのなら、灯をつけるのは自然な対応策だと思います。
ということで、私の授業では、語義と生息域は、「諭して倦まず」というつもりでやっていますし、これからもやり続けると思います。
本日はこの辺で。
本日のBGM: トンネル(ハンバート ハンバート)



