二人で歌うのはduet、では三人では?

週末は土日とも朝から本業。チームも新体制になっての合宿。ようやく、上級コーチの登録証が届いた。
土曜日の午後は本業を抜け出し、ELEC同友会の研究大会実行委員会とビデオによる授業研究会。若手T先生による発表を聞き、コメントなどを述べてきた。授業者の技を学んだり(盗んだり?)、批評で授業者を伸ばすこと以上に、自分の授業を振り返ることが大切。パラフレーズとパターンプラクティスの連関が自分の中ではっきりと見えてきたので収穫の大きい会であった。前会長である下村勇三郎先生から久しぶりにポジティブな評価をいただいた。やはり人間、褒められると嬉しいものだ。
終了後、懇親会。校務を終えた、M先生、T先生が合流。授業者を囲みさらに二次会でカラオケ。久しぶりに『狂い咲きピエロ』(爆風スランプ)を歌った。紅一点、同僚でもあるK先生が最後までお付き合いしてくれて楽しい宴でした。T先生と一緒の帰りの電車で、英授研帰りのA先生と遭遇。放談。
日曜日の午後は、日本英語教育史学会の月例会へ。かねてより同僚のK先生(上述の方とは別人)からお話は聞いていた興味はあったのだが、今回、初めて参加することに。
前半が「平成元年版中学校学習指導要領外国語(英語)」について(今野鉄男)
後半はJ.C.ネスフィールドの履歴について(出来成訓)
会が始まる10分前くらいに到着。学会の要職にある方たちは別室で会議をしている時に、私がたまたま座った席が、会が始まってみるとなんと出来成訓氏と伊村元道氏の間の席であった。前半の発表につづくディスカッションでは極めて贅沢なステレオリスニング状態。出来先生の「指導要領が拘束力をもつようになった戦後はまだしも、戦前の英語教育において、ある教授法に基づいて教科書が編まれるということがなかったのはなぜか」という問いかけがあり、強く印象に残った。
後半の出来先生の発表には、ただただ圧倒された。a friend of mineなどに見られるof に関して「大塚高信先生は、斎藤秀三郎のappositionalとでもいうべき見解を高く評価しているが、解釈の可能性としてはネスフィールドがそれ以前に示している。ただ、それも当時のスクールグラマーとしては一般的な見解だったのかもしれない。」「スクールグラマーはマレーで終わっているわけではない。スクールグラマーは、スクールグラマーとして今日まで発展しているので、やはりきちんと押さえておかないといけない」という趣旨の発言にはドキリとして急いでメモ。
学会員の方一人一人の立ち位置がしっかりしていて、発言を聞いていて実にスリリング。レジュメはメモ書きでいっぱいに。奥行きの深い学会でした。事務局の馬本先生は、このブログを見ているとのこと。ありがたいことです。終了後、出来先生からは「英語教育の歴史に興味を持って調べたりするのは大変結構なことだけれども、時間のかかることですから、ご自分の英語の力を深める、研鑽を積む時間がとられてしまってはいけませんよ」というお言葉を。肝に銘じます。
懇親会では、『英語教育』(大修館書店)の「英語教育時評」などで切れ味鋭い論評を読ませてもらっている江利川春雄先生、ライティング指導の大先輩である田邉祐司先生と実際にお話しでき非常にinspireされた。もっと英語力をつけなければ、と痛感。田邉先生に全国誌での連載にまつわる舞台裏の苦労話などを聞くと、「現場の苦労」というのはまだまだ幸せな部類に入るように思えた。さらに店を移して濃いメンバーで懇親を深め、日付が変わる前に帰宅。メールを開けると田邉先生から現場教師の心を奮わせるメールが届いていた。深謝。
7月の博多イベントでお世話になった福岡の先生からも嬉しいメールが届いていた。自分の作った教材に関することでもあるので一部紹介。

  • 『東大特講リスニング(ルートT)』はおかげさまで、現在3年生が使っております。担当者がA社のN高校のK先生の教材を使っていたのですが、ルートTを持っていったら早速教材を変更しました。指導内容・方法等は後日報告いたします。
  • GWTに関しては、先生に感謝です。私のクラスの生徒がGWTを3月から6月にかけて受講したのですが、夏休みを境に英語力が非常に伸びトップの生徒と肩を並べるまでになりました。全英連のエッセイの骨子もGWTの効果が明らかに見てとれました。本人もGWTのおかげでライティングだけでなく総合的な英語力が伸びたと実感しているようです。やはりライティングは英語力のすべてです。

感謝するのはむしろ私の方で、頑張って作った甲斐があったというものです。この先生の普段の実践がいかに素晴らしいものであるかを知っているだけに、生徒の英語力伸張に役立ってくれたことはもちろん嬉しいのだが、生徒が自信をつけてくれる(た)ことが何より。今後ともご意見をお寄せ下さい。
今日は、締め切りの切迫している原稿をいくつか書き上げる予定。予定は未定、不確定…。
本日のBGM: Reason to believe (Aimee Mann & Michael Penn; オリジナルはBruce Springsteen)