deceptively simple, but ...

しばらく更新できずにいました。
辛いニュースがいくつか飛び込んでくる中、まずは、この2ヶ月を生き延びた自分を褒めてあげたい。
「怒濤」でした…。

朝の日課の「英語ニュース140字紹介&詳解RT」も扱える数が減ってしまっていましたが、少しずつ持ち直してきているところです。

朝日CCのライティング講座も開講の部分は終了し、今は、提出された課題のFBをメールでしているところです。
巷の「英作文講座」とか、「ビジネス英文メール&プレゼンテーション」などでは触れられることのほぼない、「英文ライティングの基礎基本」は扱えたと思っています。受講者からは、「続編を」という声もありましたが、リクエストは私の方にではなく、「朝日カルチャーセンター新宿」の方へお願いします。


非常勤をしている某高校でも、所謂「2学期」から、担当するコマが一つ増え、その準備が思いの他大変でした。高3の入試対策演習ということで、問題の選定は過去問データを見ればまだ労力は減らせるのですが、解答・解説を全て自前で作るのは結構手間がかかります。「何もここまで…」というくらいきめ細かく、丁寧な解説を提供しておりますので、受講者は安心してくれていいとは思います。

さて、
ここで告知・宣伝です。
noteで配信している「有料記事」ですが、今最新の記事がこちらです。
「大関の生息域」番外編:大関による時制の遡上
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「大関の助動詞 have 」の特集で番外編です。
時を担う「過去形」と 心を映す「過去形」
相を担う「大関」と 時を遡る「大関」
これまでの記事を「統一した主題でまとめ」横断的に整理してみました。

a. That accident could have been worse.
あの事故は、もっと酷いものになっていたかもしれない。
b. I’m really sorry to have kept you so long.
大変お待たせしてどうも済みません。
c. He’s proud of having been a successful athlete when young.
彼は若い頃卓越した運動選手だったことを誇りにしている。
d. Having known her personally, I was very saddened to know she killed herself.
彼女とは個人的に知り合いだったので、自死したと知ってとても辛かった。

のそれぞれで使われている「大関の have」を、まずは一つひとつ実感してもらうために、まず「英語の過去形」というものをしっかりとつかまえ、それを踏まえた上で、英語ということばが時系列を表すために、どのように「大関の have」を使いこなしているか、精選された実例を通して感じてもらいます。

他にも、以前、公開した有料記事を、あるテーマでまとめて、「お買い得」なマガジンを設定してみました。

「助動詞の番付表」 お買い得パック
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大相撲の力士の序列を英語の助動詞の階層性に見立てた「枠組」です。
法助動詞 
完了形
進行形
受動態
に加えて、助動詞としてのdoまでの体系を実例重視で示しています。
「簡易版」と用例が共通していますが、個々の「助動詞」の用例の精選ぶりと的確な解説とで類書とは一線を画すでしょう。 価格設定はものすごくお買い得だと思います。

  • 助動詞の番付表(2020年簡易版)
  • 大関の活躍の場を追体験する
  • 関脇は懐が深い<be + -ingの世界>を学ぶ
  • 英語の「受け身表現」:小結の生息域
  • 助動詞の生息域と番付表の活用#1

の5本の記事をパックにしています。

「名詞は四角化で視覚化」ドリル お買い得パック
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第1弾:その1-その7 第2弾:その8-その14 第3弾:その15-その20 に加えて、 用例が「第3弾」に一部共通していて解説もある「中級への入り口」 の4点セットに、「助動詞の番付表」の簡易版を加えての販売です。
マガジン初公開時に「付録」だった、「文と文の要素を識別するドリル」は、新たな「関係詞」関連の記事として、別売りで公開しています。あしからず。
文を作る要素としての「名詞句」にとことんこだわったドリルです。 基本的に、空所補充もなし、並べ替え完成もなし、ひたすら四角で囲んで実感するドリルです。 用例の精選が肝なので、このままお使いくださるのが一番かと。

  • 「名詞は四角化で視覚化」ドリル その1〜6まで
  • 「名詞は四角化で視覚化」ドリル 7-14
  • 「名詞は四角化で視覚化」ドリル 15-20
  • 名詞句の限定表現〜中級への入り口
  • 助動詞の番付表(2020年簡易版)

こちらのパックにも「助動詞の番付表(簡易版)」が含まれています。

『意味順』と「四角化」で作る英文法の見取り図 お買い得パック
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田地野彰先生の開発した『意味順』というしなやかなOSを援用して、文型分類ではない、記号付けに終わらない、英文法の見取り図を作るための記事を集めました。それぞれの「意味順スロット」の中に名詞句が来る際に、ひとかたまりになる、つまり後置修飾で下線延長となるのか、それとも知覚動詞、使役動詞のように、下線は延長しないのか、が最初のうちはわかりにくいので、「見取り図」で確認してください。 「四角化」の例文と共通しているものもありますが、併せて読むことで理解が深まることでしょう。

  • 『意味順』スロットで確かめる英文法の見取り図(2020年7月修正三訂版)
  • ワニ使い動詞で整理するthat節とwh-節とhow節
  • 後置修飾に習熟しよう(簡易版) #1
  • 後置修飾に習熟しよう(簡易版) #2
  • 「知覚動詞」「使役動詞」って簡単に言うけれど…

入試素材文を活用して「つながり」と「まとまり」感覚を養う
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「センター試験」の「不要文指摘」や、私大入試の「文整序段落完成」問題の素材文を活用して、英文の「つながり」と「まとまり」の感覚を養うための記事を集めました。 細かい解説はありません。素材の良さを噛みしめ、私の手書きノートの記号付けやコメントを活かしていただければと思います。
「名詞は四角化で視覚化」という記号付けは、実際の英文例の中でどのように行われているのか、を知る材料ともなることでしょうし、「私自身が、英文をどのように読み進めているのか」「その英文、英語表現、語義のどこに着目して解説しているのか」を知ることにもつながるでしょう。
センター試験型「不要文指摘」問題を読む #1

  • 「センター試験」「私大入試」素材文を読む:「つながり」「まとまり」感覚を身に付けよう!
  • 「センター試験」不要文選択問題のパラグラフを咀嚼する#1
  • 「センター試験」不要文選択問題のパラグラフを咀嚼する#2
  • 「センター試験」不要文指摘問題記号付け

名詞か?形容詞か?副詞か?その都度しみじみ味わうパック
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名詞句の限定表現に習熟してきたら、次は文中での識別です。
とはいえ、「文型ありき」での後だしジャンケンではありません。
後置修飾なのか?使役動詞・知覚動詞での形合わせなのか? それとも分詞構文や付帯状況での形合わせなのか? 「強調構文」で語順が歪に見えたり、「足あと」の有無が分からず「ウム厶…」となったり。 でも、そういうものは、その都度「意味と形」をすり合わせて「しみじみ」味わいながら身に付けるしかないように思います。 そんなことを想定した教材です。 既に公開しているマガジンの他の「お買い得パック」の内容と重複しているものもありますので、購入の際には十分お気をつけください。

  • 『意味順』スロットで確かめる英文法の見取り図(2020年7月修正三訂版)
  • 後置修飾に習熟しよう(簡易版) #1
  • 「知覚動詞」「使役動詞」って簡単に言うけれど…
  • いわゆる「分詞構文」: 2020年10月版
  • いわゆる「強調構文」のお話

老婆心ながら、補足しておくと、これらの記事、マガジンには、ほとんど「練習問題」というのがないんですよ。私自身、問題を解くことで英語ができるようになった、という実感がほとんどないので、こればっかりは「生存者バイアス」で申し訳ないのですが、偽らざる心境というか信念、視座と言っていいでしょう。

このエントリー冒頭でも書きましたが、実際に「受験学年」の生徒や、受験生の指導をすることがありますが、四択にしろ、整序にしろ、誤文訂正にしろ、問題演習って、本当に好きじゃないんです。時に「ああ、良い問題だな」と思うものもありますが、その場合もたいていは、その問題の「素材としての英文テクスト」が良いから成立しているんですよ。

ということで、「問題演習」を謳う「教材」を扱わざるを得ないときにも、完成した英文に関する言語事実に関してはできる限り丁寧に説明するようにしています。最近は、教材に付属する解答解説が「見開き2ページの両面印刷で、個別シートのバラ納品」などというものが増えましたが、私の場合は、解説の殆どを自分で書き直して生徒に伝えています。入試過去問のデータは同じですから、「市販教材」と同じ問題を扱ったりもするのですが、最近では、この完成した英文の「解説」「和訳」が酷かったですね。

  • I’ve never met him but ( from what ) I've heard, he's supposed to be as charming as he is deceptive.

慶應・商の空所補充四択完成での出題です。正解は容易だけれど、特に he’s 以下の意味を市販教材や学校採択教材の解説でもまともに扱えていないものがあるのががががが…、という感じ。
この英文のポイントは三つほど。
1. 一般には「同等比較」と呼ばれるas A as Bの「肝」。
2. 形容詞deceptiveの語義の把握。もとになる動詞は deceive。
3. <be supposed to 原形>の原形がbe動詞となる場合の語義の知識。「一般に…だと思われている;…と目されている」。
≧ の気持ちを踏まえた上で、同じ尺度での二者の比較なら「勝るとも劣らない」で、類似の性質を同一物で比較するなら「だけではなく;に加えて」、相反するような性質を同一物で比較するなら、「補って余りあるような」という解釈をすることで、出口が見えることでしょう。

お手持ちの『過去問演習』本でこの問題が収録されていたら、その「和訳」や「解説」を見てみてくださいな。

本日はこの辺りで。

本日のBGM: やさしい悪魔 (キャンディーズ)
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