”Here I Stand”

巷ではGW後半なんですと。
授業は淡々と。
高2看護科は、教科書の読み。

対訳確認で黙読→個人音読→範読を静聴→対面リピート→範読に続いて斉唱→順送り訳を見ながらの「字幕スーパー」聞き→日・英再現

というような「ルーティン」作り。サイトラとかクイックレスポンスとかは、特に意識させてやっていません。生徒によっては、「はい、各自でウォームアップ!」と指示した時に何かしているようですが。
個々の音でいうと、

  • BelgiumとBelgian

の語尾。唇を閉じて響きを確認、舌先で天井を支えて響きを確認。黒板に「胸鎖関節」を図示して、「この辺がリラックスしていると、響きがよく感じられるから確認して」と指示。こういう時に看護科っていいよね、身体(人体)のパーツがすぐにわかってもらえるから。
新しいパートの「仕込み」までやって連休前は終了。

高2進学クラスは、「副詞節シリーズ」の仕切り直し。

進学クラスの2年の教室には各種辞典を取り揃えています。恒例の「副詞節シリーズ」では、数々の辞書から用例を抜き出し、それを横断的に眺めて、それぞれの接続詞が生息する環境、出現するエリアを実感するための調べ作業をここ何年か課しています。例年、生徒には、「横のもの(=辞書の用例)を縦にして並べて、その縦のもの(=ホワイトボードに転記されたの用例)をまた横にしただけ(=各自のノートに転記された例文)ではダメ。自分のものにしないと!」「そのためには、触れば体温が感じられるような、そばに行けば息遣いが聞こえる、顔が見える、斬れば血が滲むような用例を見つけ出すように」と言っていたのですが、今年は、まず、「縦のもの」にならないというテイタラク。嗚呼、凹む…。英英辞典でも見出しで、till/untilは接続詞の用法での用例を見つけやすいですが、by the timeでの接続詞的用法はすぐには見つかりません。「締め切り感覚」とか「時既に遅し…感覚」の発動する動詞表現を、日本語からでもいいのでイメージ、実感できるかが問われるのですが、これがなかなか…。その気がない者がグループを組んでも、進展が見られるはずもありません。放課後に見かねた3年生が手伝ってくれたそうなのですが、自分たちとの差を感じたことでしょう。
過去ログを振り返ると、今春の卒業生たちは高1の6月にやっていたんですね。

それぞれ、それなり、そのうち、とはいいますが、どうなりますやら。連休明けの取り組みに期待しましょう。
高1は、「四角化ドリル」その5まで。
これまでに出てきた語を中心に、「綴り字と発音」を丁寧に。
ルールを覚えること以上に、音が出し入れできる身体と、音からイメージが思い浮かぶ頭を作ること。これが難しいのですね。
いまやっているのは、「名前読みする?しない?」と「母音の棲み分け」。特にベースとなる、「力まない『あ』」の確認ですね。

  • bag, cat, black, mat, map, hat, cap, January, past, band, class, Japan
  • letter, puppy, across, office, little, cliff, tomorrow, summer, apples, tennis
  • cut, but, sun, run, fun, gun, puppy, runner, summer

それぞれの音を捕まえて、綴り字を書き出し、共通点と相違点を考えてもらい、自分で音を作って共通点を体感してもらっています。puppy は決して、(x)パッピーとはならないし、summer は決して、(x)サンマー、とはならないのだから、英語の時は英語の音とリズムで、と念押し。
次の日は、

  • girl, shirt, learn, early, turn, nurse, word, world

を書き取って共通点の確認。その後、『エースクラウン』の和英セクションで、

  • カーテン、サーフィン、紫、カーブ

を引いてもらい綴り字と発音を確認して、次の語を板書。

  • current

なぜ、ふた通りの発音があるのか、納得してもらいました。
原理原則を踏まえれば、4回目くらいには正しい発音になるのだから、「思い切り間違えて、思い切り気がつくこと」が大切という話。


高3は、「診断テスト」をその6まで。ここまでで60題。

  • あんなところで彼女と会うなんて思ってもみなかった。

に対応する英文として、

  • She was the last person I had expected to see there.

が思いつくのがベストだけれど。「意味順」と「J1→J2→E2」をやっているのだから、

  • 事実・出来事 → コメント・感情

という流れで、

  • I saw her there. I didn't expect that.

くらいの「ことば」として、まず自分の頭の中の意味をカタチにすることから。
生徒によくいうのは「頭の中に浮かんだ意味をまず英語という言葉にして出す回路=1mmのスエズ運河を作る」こと。何から始め、それを受けて何を続けたら、致命傷にならずに意味を伝えられるか、言い淀み、言い直し、繰り返しも含めた辻褄合わせが先、洗練 (= E1) は後。
先ほどの例だと、「出会った」時と「予想(していなかった)」時とでは、前後があるのだから、時制を適切に、ということを気にするなら、それは「後から」言い直せば良いこと。

  • I saw her there. I hadn't expected that.

この文脈で、

  • I unexpectedly met her there.

などという文を「こしらえる」前にやるべきことで、かつ(ここが大事)、できることはたくさんあるのです。
で、冒頭の「模範例文」に戻ると、<最後尾→優先順位の最後→ほとんど忘れ去られている>という発想が現れるためには、助動詞や認識・判断・気持ちを表す動詞表現との共起が肝になるので、用例観察が大事ですよ、という話。

  • 彼女にだけはあそこで会いたくなかった!
  • She was the last person I had wanted to see there.

を補足して一段落。

高3の課外講座では、例の「歌」の解説もしておきました。
期間限定で公開されていた、日本語版の歌詞を見て、決め台詞の「すこしもさむくないわ」を確認し、それを「英訳」。符割りに合わせて歌ってみて修正。その後で、英語版の聴き取り。最後に種明かし。
ever、neverが過去形と一緒に使われて、実質「現在完了」と同じ意味を表す例を確認。後は、『ジョジョ』のスタンドの話。時を止めるスタンドの "the World" を引き合いに出して、今回の主人公の能力に名前を付けたら?、という「発問」。先週の課外で扱っていた、読解・聴解での頭の働かせ方、

  • 否定があればそれに取って代わる肯定のサポートがあって然るべき。

を思い起こしてもらい、

では、この歌の世界で、一体何が?誰が?彼女をbotherしていたのか? What is it that really bothered her, then?"

を考える時間。まあ、英語の授業にはなったでしょう。
このbotheredという過去形に関しては、10日ほど前に「呟き」で書いていたのですが、いつの間にか100以上のRTをされていました。
https://twitter.com/tmrowing/status/458918144258490368

これだけ、「雰囲気で英語をわかったつもりになってはダメなんだな」ということに気づく人がいてくれるということでもあります。我流では行き詰まり、息詰まるのですよね。
他の人の「呟き」を眺めていると、北米の英語話者と思しき人は、"… anyways" って、自分が話すように書いていて興味を引かれました。

本日のBGM:You must believe me (Eric Clapton)