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tmrowing2016-06-06

高1は、中学で既に出会い、通過し、高校入試前に塾でも散々書いてきた割りには身についていない「規則変化」する動詞のマトリクス。不規則変化の練習には熱心な先生が多い印象を受けますけれど、規則変化の原理原則は明示的に教えられる際に、「綴り字」なら綴り字だけ、「発音」なら発音だけで類型化がされているかのようです。

規則動詞の発音と綴り字一覧 (16年版).pdf 直

観察して、自分で発音してみて、仲間を見つけて、マトリクスの中に入れていくだけの単純な活動ですが、決して、-edのついた動詞の活用形をマトリクスの中には書かない、という約束事です。ひたすら原形のみをリスト化。

このマトリクスを学習し、その後、小出しに動詞を示し、どのグループと同じ仲間か、と補充していきます。

今日は、こんな補充の仕方。冒頭の写真です。

名詞と動詞の意味と規則変化jpg.jpg 直

カタカナ語として日本語に定着しているものも含めて、名詞の意味を想起しやすいけれど、動詞としても使う語を考えていきます。

rainやsnow が「雨」「雨が降る」、「雪」「雪が降る」は自明のような気がしていますが、

waterを動詞で使ったらどんな意味?「水る」?過去形は「水った」?
weedを動詞で使ったらどんな意味?「雑草る」?過去形は「雑草った」?

という私の授業では定番のネタから。
生徒は waterを動詞で使うと、「水を撒く」「水がある」などなど反応が返ってきます。そこで初めて辞書を引きます。「水を撒く;やる」「涎が出る」などを確認します。
ではweedを動詞で使うと「雑草を植える」とか「雑草を生やす」という意味になるのか?と問うて辞書引き。「雑草を抜く;取る」という意味であって、waterとは対照的です。

このように、動詞は「何が」どうする;どんなだ、「何を」どうする、という意味の整合が求められるので意味はある程度絞られてくる、私たちの世界の見方、人間世界の常識で意味のデフォルトができ上がっていることを感じてもらいます。

以下、face, look, shop, store など似ているけれど違うもので想起しやすい名詞とあまり考えていなかった動詞の意味。lookだけは動詞の意味を最初に答えますね。

faceを動詞で使ったら?という問いに「頭突きをする」という答えもあって、良いセンスしているな、という感じです。faceにはlookにはない「作用と反作用」みたいな力関係が感じられますから。
lookは 『エースクラウン』のフォーカス頁の「絵」を見せて、「あなたがバラを見る時、あなたもまたバラから見られているのです」という解説をしてカタカナ語の「ルックス」で補足。

shopで「店」→「買い物をする」は楽勝だったのに、store を動詞で使ったら?では沈黙。辞書引きの良いタイミングです。文化の違いを少しは感じられていれば幸い。

それぞれの過去形をマトリクスのどこに入れるか?発音と綴り字を確認して終了。

たった9語で50分使っていますが、この後扱う予定の「自動詞」「他動詞」への布石、伏線でもあるので、まあ、上手くいった方ではないでしょうか。過去ログだと、この辺りで「自動詞・他動詞」を扱っています。例年よりはちょっと遅目ですかね。でも、早ければ良いってわけでもないので。

http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20140510
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20140516

高3は、「四大テクストタイプ」の概説に続いて、「ナラティブ」の書き方。『日向本』と ”GTEC Writing Training” の併用です。

文章の四大類型2016.pdf 直
narrative.jpg 直

平日の課外講座では、模試解説。答え合わせではなく、「診断テスト100」で作ったノートや、授業傍用で使っている私家版の『前置詞のハンドブック』に、語法・文法・表現での関連事項を補足していくガイダンスが主眼。

いよいよライティングのつながりとまとまりに授業の重点が置かれるので、「文」レベルの文法は、この「診断テスト100」の徹底活用が求められます。模試のなかでは、「パラグラフの中で、余計な一文を抜いて、つながりとまとまりのある英文を残す」設問の解説は丁寧にしています。今回は、ちょっと作問のセンスに「?」がつくように思います。これって、近年センター試験で出題されていますが、「ライティング」の授業を真っ当にやってきた教師なら、生徒のドラフトでフィードバック前の「お手本」がいくらでも手元にあるのではないでしょうか?

「この一文は取るか、書き換えるかしないと、台無しです」というフィードバックを与えて、書き直しの指示をしなければならないドラフトに相当数出会うはずです。

私は四半世紀、このようなフィードバックは原則日本語で与えてきました。
このフィードバックに関しては、過去ログをお読み下さい。
雑誌『英語教育』の去年の特集を読むよりは役に立つのではないかと思います。

「ことがらはワニノクチ」はまだ序の口
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20160517

いつも同じ話…。

本日のBGM: もういいかい -2016 remaster- (サニーデイサービス)