「壇さん、大和田さん、壇さん」

「呟き」が思わぬ反響を呼び、鴻上尚史さんと安田登さんからRTしていただくというサプライズ。

学年行事で時間割変更などがあり、予定のペースでは進まず。
看護科1年は、四角化ドリル・その6、「A of B でBのA」。
語順と意味順の確認。ドリルその4の「崖の上のポニョ」シリーズとの比較。
その4では、

14. 青空にかかった美しい虹
a beautiful rainbow in the blue sky
16. 角を曲がったところにある郵便局
a post office around the corner
17. 彼女の薬指にある指輪
a ring on her third finger

のような、日本語では「動詞的」な表現を、英語では前置詞が担っていることにも焦点が当てられていたのですが、それでも、基本のチャンクとして、

8. 壁のあのポスター
that poster on the wall
19. 黒い髪の少女
the little girl with black hair
20. 黒ずくめの男たち
men in black

など、日本語では「の」で示される部分が、英語では様々な前置詞で表される例を含んでいました。
今回は、

1 心境の変化
a change of heart
2 ビンのフタ
the cap of a bottle
3 富士山の頂上
the top of Mt. Fuji
4 中国の首都
the capital of China

といった、「帰属」とか「所有」「部分」を表すものを中心にドリルをするものです。いずれ、高2くらいになれば、「主格」や「目的格」の関係を表す、いわゆる「名詞構文」のようなものも扱うと思いますが、

  • いつ悩むの?後でしょ!

という感じで、それはもっと英語に慣れてからでいいと思っています。現に、進学クラスの3年生は、その部分を今、読解で、「英文和訳」で扱っていますから。生徒にやってもらったのは、“the cap of a bottle” で、どっちが theでどっちが aか?を考えるために、

  • ビンの絵を描きなさい。

という課題。入り口と出口で別な「口」を持つビンを描く者は多分いないと思います。

  • いろいろあるもののうちの1つを表す “a”

  • 相手に聞き返されることのない名詞を導く “the”

という、「四角化ドリル・その5」で扱った限定詞の確認です。
私の範読を踏まえて、まずは日→英で想起リハーサル。斉唱でリピート。ここではリズム、強弱のパタンを確認。ペアで日→英の出題・解答を経て、自己チェック。生徒によっては、上手く言えない「事故」チェック。範読に続いて、再度斉唱で音の確認。この段階では、精度を高めるべく、個々の調音のポイントを指摘。その後、対面リピート。簡単だと思えた前半戦に比べると、後半は仕掛けが施されています。

11 硬貨の表(面)
the face of a coin
12 手の甲
the back of the hand
13 カードの裏
the back of a card
14 後頭部
the back of the head
15 都 (市の中) 心
the heart of the city
16 私の心の奥
the back of my mind
18 私の友だち
a friend of mine
19 私の家
the house of my own

多義語、比喩、英語発想などなど、後からいくらでも発展ができるようなセットになっているのですが、まずは、このドリルを使って「スラスラ感」が得られるまで助走スピードを上げ、英語の空へと離陸することです。
そういえば、マドンナが出演していたことでも話題を呼んだ映画、1992年のペニー・マーシャル作品のタイトルが、

  • A League of Their Own

でした。「いろいろあるもののうちの1つ」の感じが良く出ていますね。
この映画の邦題は『プリティ・リーグ』というトンデモなものでしたが、日本版Wikiの項目にある、 “of their own” という英語表現の扱いはなんとも酷いですね。日本の学習者が苦手とする項目ではあるのでしょうけれど。
「日本 (人)」と「英語」というタイトルを付けた本というのは、昔からありますが、たくさん売れたからといって、日本人の英語力がいきなり向上するというものではありません。まあ、基礎基本を疎かにして、流行に飛びついたり、メディアというよりは、単に出版社と書店が作り出した虚像に踊らされたりしていると、真っ当な指摘が耳に入らず、心も揺すぶられないのでしょうね。
先日も、「呟き」でフォローしている方が、

  • 長谷川潔・堀内克明 『日本人の英語 横文字文化の盲点』 (三省堂、1969年)

を読んでいると知り、驚くとともに、「ちゃんと本まで出して指摘して『導いて』くれていたんだから、それを理解吸収して、そのDNAとでも言えるものを受け継ぎ、英語に習熟し、同じ過ちを繰り返さないようにしないと」という思いを新たにしました。現在、再読中です。

進学クラスの高3は、『問題の多い教科書』に代わって、真っ当な英文の「精読」です。
主題の提示、同じ内容を別の表現で的確に言い換えながら受け継ぎ、段落での纏まりを失わず、決めの一文で、しっかりと引き締める。

  • こういう英語をしっかりと自分のものにすること。

と強調しておきました。「模範訳」の巧さにただただ唸りますけどね。

進学クラス高2は、多義語を含む単文・短文での即応練習を経て、「動く歩道」の英文をシャトルランでノートに書き取る皮肉な作業。うまく保持できない人はたくさん走って下さい。走りたくない人はしっかりと保持して下さい。どちらにせよ、かならず英文は復元できますから。だって、あなたの頭の中には、「動く歩道」が見えているんですから、それを「英語の流儀で説明する」だけなのです。

進学クラス高1は、「規則動詞の活用」。以前からやっている、綴り字と発音のマトリクスです。

  • 発音は、 /d/、/t/、/id/ と3種類あるけれど、過去形の目印っていうのは、舌先を上顎の歯茎の裏のあたりに押しつけ、止めて開放する時の音っていう、「耳印」、もっと言えば、自分の「舌先」の感覚なのかもね。

とは投げかけておきました。(※ファイルの差し替えは完了していますので、DL可能です。)

規則動詞の発音と綴り字
規則動詞の発音と綴り字改訂版.pdf 直

進学クラスの上級生では、今、『連想ゲーム』がブームで、担任の主導により、代表生徒による対抗戦も行われているところなのですが、準備室での雑談で、『ずいずいずっころばし』の歌の歌詞の意味から、『かごめかごめ』の歌詞の不思議さの話へと展開し、各人各様の解釈や仮説が飛び交っていました。愉しいですね。

  • 小田島雄志 『道化の鼻』 (白水社、2006年)

の「読書好日」には、木下順二さんの『夕鶴』のエピソードがある (pp. 89-90) のですが、その最後に、「中国への旅から帰ったばかりの演出家・竹内敏晴にばったり会ったとき、聞いた話」が披露されていて、そこで、この『かごめかごめ』の歌詞も取り上げられています。小田島氏は、

  • ぼくはいまだにわからない。

と結んでいて、何の解決にもいたらないのですが、この短い文章の中で、私自身が影響を受けてきた人たちがことごとく繋がっていることに改めて気づかされた次第です。ちなみに、高1の「学級文庫」には『夕鶴』と『ドラマの世界』が収められています。

職員会議を終えて帰宅。
バタバタして就寝。

本日のBGM: leader of the band (Dan Fogelberg)