the day to remember him by

tmrowing2013-06-16

心身共に疲れが取れない週末でしたが、「第6回山口県英語教育フォーラム」の日程・会場の確保と講師の内諾が得られましたので、少しホッとしています。今月中には、概要をお伝えできるかと思いますので、今しばらくお待ち下さい。
大事なのは実作です。
進学クラス高1は、「四角化」から「語順・意味順」の肝、いわゆる「分詞」まで進んで、その後、「不規則変化動詞」の「発音と綴り字」へ。

不規則動詞活用_ABB_2013.pdf 直
不規則動詞活用_ABC_2013.pdf 直

活用形を<原形→過去形→-ed/en形>の順に、ABB型とABC型で大まかに分けてはいますが、その中身も様々。分類して即解決とはいきません。できる限り、音とリズムで共通点を感じられるように配列してみました。自分の調音器官がどう働いているかをまず感じて下さい。そして、自分の身体に共鳴する音声を身体で記憶して下さい。
発音では、ここ数年ずっと感じている、

  • begun, drunk, rung, sung, swum

の母音が安定しないので、取り上げてトレーニング。

  • up, cup, run, cut, shut, but

を板書し、up and downで斉唱。その後、自分が確実にできる「軸足」を決めて、軸足の語3回、ターゲットの語1回で、顎の開きをコントロール。
活用形の綴り字だと、前回のエントリーの「秘伝」ではありませんが、

  • hidden

や、

  • ridden
  • written

などは、原理原則が明確です。子音字が二つ並ぶので、前の母音は「名前読み」しない。ということが、すぐにわかります。
でも、

  • given, driven

では、何がその「目印」「耳印」「口印」になっているのか?大変です。
だって、

  • risen

では、強勢のある母音は名前読みしないけれど、

  • horizon

では強勢のある母音を名前読みしているのだから。

  • 発音は難しい。
  • 綴り字は難しい。
  • 分詞は難しい。
  • 後置修飾は難しい。

悩み所、迷い所ですから、無闇に単純化はしない方がいいと思っています。踊り場が見つかったら御の字くらいでいいんです。
先程の horizonも、形容詞で、

  • horizontal

になれば、普通は -i- の部分を名前読みすることはありません。
「慣れ」と言ってしまっては身も蓋もありませんが、足場を少しずつ「均らして」いく間に、フットワークも鍛えられてくると思います。
名詞句の限定表現で、後置修飾の仲間が増えてきたあたりが、「四角化」の真価が試される舞台でもあります。地道に「四角化」を繰り返して下さい。地味でも滋味ですから。
先週まで取り扱っていたのは、世間一般では、

  • 不定詞の形容詞的用法

なんてラベルを貼って「分類」される項目でしょうが、「ラベル」を貼って「効率よく」分かったつもりになってはダメ。
高2になれば、自分たちの足場も今よりも少し高くなっているから、もう少し見晴らしが利き、より全体の絵図に近いものを見渡せることでしょう。
今年の高2の春期課外ではこんな扱いでした。

・ <名詞+to原形>の得意不得意
どういう内容はうまく表せて、どういう内容は難しいのか?
「時」の問題、「主語になるべき『人』『モノ』」の問題
うまく表したのはいいけれど、本当はどうなっているのか、自分でもよく分からないもの
the plan to visit New York
the ability to fly
the right to vote
the place to live (in)
time to say good bye
no reason to believe him
・ <名詞+-ed/en形>の得意不得意
「受け身」と「静止画」は得意
では「時」は?→「既に〜されている」「もう〜してある」は、どう表す?
・ <動名詞+名詞><名詞+前置詞+動名詞>の得意不得意→この機会に後置修飾の総まとめ
1.
a sleeping car / a sleeping pill / a sleeping bag
※決して「現在分詞」ではないので注意すること。ホラーとかファンタジーになるよ!
2.
a device for pulling corks out of bottles
a tool used for pulling the corks out of wine bottles
a tool with a screw-like spike, used for drawing corks from bottles
a tool made of twisted metal that you use to pull a cork out of a bottle
a device for removing corks from bottles, which consists of a handle with a twisted metal rod to screw into the cork and pull it out

新課程の一年生にはこんなアプローチです。
最初に、something to drinkやsomeone to talk to 、homework to finish by tomorrowなどの「足跡」がはっきりしていて、四角で囲った名詞が「ピタッと」はまるものを扱っていましたので、既習事項との対比です。

語順と結びつきのドリル その4: <名詞の後ろに来る形容詞の働き(2)>
『結びつきドリル・その3』の例と、次の表現を比較しなさい。
例1 初めて月に降り立った人
the first man to land on the moon
例2 私を助けてくれる多くの友達
a lot of friends to help me
例3 筆記用具
something to write with
例4 次に考慮すべきこと
the next thing to consider
例5 住むのに最適な場所
the best place to live (in)
例6 原子力発電所の建設計画
a plan to build a nuclear power plant

四角化した名詞と、動詞との意味の関係、前置詞の有無、前置詞との結びつきを確認
1 何か書く題
something to write about
2 (メモ用紙やノートなど)何か書くもの
something to write on
3 具合の悪い人の面倒を見てくれる人
a person to look after sick people
4 海外留学をする決意
a decision to study overseas
5 音楽について語り合う友人
friends to talk about music with
6 記念日
a day to remember
7 そのパーティーに招待する客
guests to invite to the party
8 お気軽な減量法
an easy way to lose weight
9 寝る時間
time to go to bed
10 彼女を食事に連れて行く約束
a promise to take her out to dinner
11 外国語を話す能力
the ability to speak foreign languages
12 事故報告を求める通知
a notice to report the accident
13 忘れてはいけないこと
something not to forget
14 太陽を見てはいけないという警告
a warning not to look at the sun

では、次の英語の表現は日本語ではどのように表しているでしょうか?
15 no one to help me
16 no place to hide
17 no need to hurry
18 nothing to remember
19 nothing to remember him by
20 no time to lose
さらに次の例と比較。
21 something not to forget
22 something not to be ignored

足跡があるもの、足跡はありそうだけれど、四角化した名詞をただ引っ張ってきても「ピタッと」ははまってくれずに、「前置詞」という「インソール」を自分で補充して意味と形を整合させないといけないもの、足跡がないもの、という識別はなかなかに難しいのです。
さらには、15-20のように、名詞に「ゼロ」相当の語句を使った場合、どんなに日本語で補助線を引いても、「句」レベルでの置き換えはできませんから、「訳し方」で分類しようとしてもあまりご利益はありません。さらに、21, 22での「態」の問題。こうして、「四角化」と「番付表」がやっと出会ったわけですね。
今はとにかく出会いを重ねること。しかも、できるだけ、いい出会い方をすることです。


進学クラス高2は、「保健室と保健所」、「階段と非常階段」など、対比で定義説明、という予定だったのですが、欠席者に配慮して「定義の見方」再び、というような時間となりました。
「動く歩道」など、一連の定義文を見て、そこで「キーワード」となる名詞をしっかりと「再定義」しようという試み。
まずは、

  • tool

そして、そこから得られた、

  • equipment
  • instrument

そして、そこからさらに、

  • device

まで。
高2になって、「学級文庫」に、「これでもかっ!」というくらい数多くの英英辞書が配備されています。
Longman のLexiconとActivatorでは20年近くの世代の差があるものの、定義に用いられている言葉づかいには、「顔」とか「声」が感じられます。高2生には、「レキシコグラファー」という言葉を教えておきました。「触れば体温が感じられる」「近づけば息づかいが聞こえる」「斬れば血が滲む」ような、辞書の用例、定義とのいい出会いを重ねて下さい。

進学クラス高3は、読解に一段落で、「風景描写」へ。
『即戦力…』の該当頁も援用して、まずは “space order” と「前置詞」の整理。
前置詞を空所に補充するのは結構簡単ですが、名詞句などの内容語や動詞句を、靜流の「空所無し適語補充」で適切な位置に入れ、space orderを説明する英文を完成するのは結構challengingです。「テスト」「検定」「受験」でお急ぎでない方はお試しあれ。
その後、定番の、「リゾート地の窓の外」描写課題へ。
これは、昨年度の先輩のドラフトもあるので、比較検討も可能ですが、いかんせん、少人数なのでフィードバックはすぐに終わります。

土曜日課外を終え、雨の止んだ湖で新人練習。私は2Xのバウです。

  • 腕漕ぎ、シート10 cm、フルスライド

を分漕で、クラッチに「水平に加重」して、「艇を加速」ということだけやっています。まだまだスクエアのままです。最後のフルスライドは、ひとり1kmずつくらいで。
日曜日は快晴。炎天下で午前中だけ新人と練習しました。新人は交代交代ですが私は乗りっぱなしなので直射日光のダメージが、今、じわじわ来ています。
今日はしっかりと「水分補給」をしておこうと思います。

本日のBGM: 一角獣と新しいホライズン (山田稔明)