上がるものは下がる。問題は降りてきた後。

ようやく晴れ間が見えた新しい週の始まり。
飛び石で3コマ。
高1進学クラスは、週末に模擬試験を受けているので、論説文のテーマ・話題に関して。柳瀬和明先生発案の「話題の深みと広がり」のチェックリストをゴリゴリと行い、チャートででこぼこを眺める。

凹みすぎのところは、いきなり英語で補強をやろうと思っても無理。まずは、日本語による知識の仕込みから。凸のところは、さらに突出させるか、その話題に英語でついて行けるように、言葉の仕込みを。英語の教材や学校の教科書では足りないような、手が届かないような分野を中心に「学級文庫」の日本語書籍は見繕ってある。3ヵ月とか、半年とか英語学習を続けたところで時々振り返ってみて、塗り面積を確認してみればよい。

というような話し。
買い戻しシリーズでは『アルプスの少女ハイジ』が到着したので教室で紹介。そうそう、週末珍しく自宅を掃除していたら『かぐや姫』が出てきたのでビックリ。高1のクラスで、「竹を切っていないのに『かぐや姫』が出てきた」と言ったが、あまり反応はなかった。

高2のライティングは、フィードバックを経ての再提出が終わったので、模擬試験での英語表現系の出題を取り上げ、手取り、足取り、揚げ足取り。まず、出題形式。マーク式じゃないのに、誤りのある箇所だけを指摘させて訂正させないのでは意味がない。記述式なのであれば、訂正までさせるべし。問われている語法・表現が本当に英語力にとって重要なものなのであれば、の話しですけれど。語法の解説を読んで納得できる生徒はいいけれど、整序作文の出題で首を傾げるものも相変わらずありますね。「略式では省略可能」、などという知識を要求するのはどうしたものか。こういうものこそ、和文英訳で答えさせるべき。その和文英訳の出題は、まとまった日本文の中の下線部訳。解答で求める表現・語法があまりにも固定しすぎている。因果関係とか、行動とその目的などは柔軟に処理できてこその英語力。一方、オープンエンドな出題は対話文なのだが、これは対話である必然性は全くない。随分昔の首都大学東京の作文問題 (http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20060112) を見ているような気がした。これで、表現力とか作文力があるとかないとか評価されるのはちょっと可哀想な気がするし、このような模擬試験の出来不出来で「偏差値40の英語力」とか「偏差値70の英語力」などと言って、生徒指導に戻るのは考え直した方がいいでしょう。
肝心の実作は、学級文庫の教材を使って、後置修飾の徹底比較。それぞれの持ち味、得手不得手が実感できるところまで、時間をかけて繰り返しとなるでしょうね。thatが名詞節を導く接続詞か、関係詞か同格を導く接続詞か、という識別では、「格」というものを実感できなければならなくなるので、そのものさしをどうするか、まずは実例を前にして悩むこと、次に、その形式を用いなければ表現できない類の「自分のことば」を探しましょう。
6限は普通科3年、再入門講座。
感情表現で、-ed/en形が既に形容詞化していると考えた方がよいもの。
例文は日本語を先に与え、英語の形式、語順と形合わせを記号付け。元になっている動詞の原形が発音・綴り字ともしっかり復元できるよう板書してから、個人で1分間音読練習し、上手く読めないところを確認。その後、私の範読に続いて、斉唱でread & look up。そこから対面リピート。1ペア目は普通に、2ペア目は、一方が黒板に向いて立ち、もう片方は日本語で出題、英語で即答。1ペア目をやっている間に、板書の内容語をことごとく消しておき、ヒントとしておくので、スラスラ言えない人はそれを見てもよしとしています。まずは、覚えることときちんと向き合いましょう。Noticing will fade, and so you must practice to hold it back.
ここまでやっておいて、残り時間で辞書を引いて用例の補充。プラスの感情から3つ、マイナスの感情から3つ。pleased / delighted / relieved / disappointed / scared / bored。動詞のエントリーの中に入っているものもあれば、独立した形容詞として出ているものもあるので、学習用英和辞典とはいえ、適切な用例を探すのは骨が折れます。次回は、この例文を確認するところから。
第4回山口県英語教育フォーラムの打ち合わせの段取りをして、帰宅。
今夜も『水戸黄門』と付き合う。白洲さんは今夜も見ているだろうか?
晩酌にみつせ鶏のレバーを百姓庵の塩で焼いてもらい機嫌を直す。美味。
商業科1年のワークシートを作成してから就寝。

本日の晩酌: 常きげん・山廃純米吟醸・生 (石川県)
本日のBGM: Down where the drunkards roll (Richard Thompson and Loudon Wainwright III)