Is it all right to go so far as to say so?

今週も最終日、冷たい雨の一日。
朝、同僚の国語科の先生に『大人にはわからない…』をお貸しする。
朝礼、英語課題に続き、薬物乱用防止講演。
大学生の大麻汚染がニュースを賑わす昨今、他人事ではない。大学入試小論文のテーマとしても今年はどこかで出ているかも知れないが、クラスで課した事後レポートは「感想文」止まりのものがほとんど。主題・争点を際だたせるような思考・思索にはまだまだ隔たりがある。いい加減、

  • お行儀よく話を聞けました、○

のレベルから脱皮しなければ。
春期課外の教材を精査しようと思ったのだが、市販教材・学校採択用教材を見てもピンと来なかったので、結局高1は自主教材を改訂して使うことにした。基本動詞と前置詞・不変化詞の概論と音読筆写。コマ数が少ないので、午後にぶら下げが出来るよう数学や国語と調整が必要。
高2は、学級文庫に英語教材があるので、春の間に読破をノルマにしよう。以前示した28段階の制覇とも言える。部活だとか、検定だとかいっていられない人が増えてきましたから。

さて、国公立大の入試も一区切り。
気になった出題を拾ってみたいと思う。
九州大学・前期・第4問:「次の英文を読み、100語程度の英文に要約しなさい。ただし、人称代名詞はすべて三人称を用い、一人称は用いないこと。引用符も用いないこと。」
英文での要約を求める国公立大学が外語大を除いてほとんどない現状では、06年に私が絶賛したこのタイプの出題が復活したことは喜ばしい限り。テクストタイプを踏まえて、テーマ性の強弱を英文に表すことが肝要と思われる。ということで、今年の素材文は、「肺ガン」にまつわるAudreyというある年配の女性のエピソード。彼女の言葉の引用の部分と地の文とで要所要所に出てくる、「主観的な」「情緒的な」表現と、ベースとなる事実・出来事を述べる部分とを確認しながら読めることが望ましい。
例えば、”who knows too well the shocking impact of” での、tooとshocking。”she couldn’t believe her misfortune” での感情。受験頻出構文でもあるifを用いない助動詞の倒置による仮定法、”Had I known”。さらっと引用される”this sorrow”という名詞や、unfortunatelyというコメントの副詞。そして、締めの段落での、”Sadly for Audrey”というコメント、”appreciate” という動詞の語義の根底理解。
Audreyの反省や後悔や自己評価を踏まえて、今の生に対する姿勢を淡々と記述するか、その「悲しみ」「痛み」を受け止めて生きる部分を前面に出すか、はたまたその部分を彼女がこの「悲運から学んだ教訓」なのだとまで踏み込んで書くか。「5段落あるから、それぞれの段落を20語程度にまとめてつなぎ合わせた」だけの受験生、また、素材文の引用符部分を間接話法に直しただけで取り込んでいる受験生との差はそのあたりで出てこようかと。大手予備校の解答速報も悲喜交々。Y>S2>K=T>S1というのが私の評価。本当にS1程度の英語で合格させてくれるんでしょうか?だとしたら楽勝ですけれど。
大手予備校は受験生の再現答案をお持ちなのでしょうから、合否が判明したこの時点で本来は速報から解答例へと差し替えておくのが誠意かと思うのは私だけでしょうか。九大合格者の多い高校の先生からの情報をお待ちしております。
グラフ・図表説明問題のなくなった広島大・前期の出題は後日に。

本日のBGM: 今日はなんだか(Sugarbabe/ Live in Sendai)