Wise up!

朝は5:30からジョギング。案の定筋肉痛。
出校し、英語の課題、朝礼、学年会議、昼食、進級判定会議を経て、追試指導へという流れ。
週末、週明けと薬物乱用防止講習と避難訓練が待っている。そそくさと、初見を入力し、成績一覧表から通知票までの作業を進める。
帰宅後は、ご近所への挨拶回り。
『大人にはわからない…』読了。サイードやベネディクト・アンダーソンへの言及など、自分の直感が裏付けられるような記述が後半に出てきて面白かった。特に、「OSの違い」というのは今自分が高校生と対峙していて覚える違和感を言い当てているような気がした。
先日書いたcarelessに関わる余録を。
英文法というか、英語学というか、統語的には、carelessはcarefulとは異なり、Wクラスの形容詞という分類をされているのではないかと思う。(私の持っているCGELの初版(1985年)では、carefulも同じグループに分類されていた。(16.76, p.1227))
『例解英文法事典』(大修館)では、

  • John was careless to burn the documents.

という例をあげて、「不定詞が表す行為が行われたことを根拠にして、話者がジョンに対して下す一時的判断であり、『その書類を燃やすなんてジョンは不注意だ』の意味である」(p.221)
としている。一方、enoughとの共起に関しては、「このクラスの形容詞を含む補文は、その表す命題が真であるという前提があり、いわば過去志向であるのに対して、命令文は未来志向であり、矛盾を来すからである。なお、事例のようにenoughを形容詞の後に付加すると容認可能になるが、この場合はもはや補文が真であるという前提はない。」(p.219)として、

  • Be kind enough to help her.

という例をあげている。
『英文法解説』(金子書房)では、このWクラスのリストもあげている(p.101)が、thoughtlessとthoughtfulは両方ともこのクラスに分類されているが、carefulは外しているだけでなく、「形容詞carefulはこの構文に使われるが、carefulは使われないことに注意したい。」(p.102)と注記を加えている。

私の違和感は、carelessという語の、-lessという接尾辞は「ゼロ」ではなく、一定の基準に満たないことを示すものであるのに、enoughという一定の基準を満たす指標との共起は心理的に軋轢を生じないのか、というところから来ていたのだが、構文そのものが違ったわけである。
Wクラスの形容詞は随分勉強したつもりだったが、使える知識にまでは熟していなかった、あるいは老化で忘れてしまったということか。So far from wiseだな。
とまれ、

  • He was careless to leave the door unlocked.

  • He was careless enough to leave the door unlocked.

とでは表す意味が異なる、ということははっきりしたので、よしとしよう。後者の文がどの程度普通なのかは宿題。
『Web英語青年』を見て寝る。
風が強い。
本日のBGM: 賢くない(コモンビル)