「そして世界は回ってる」

第3回山口県英語教育フォーラム閉幕。
90余名の参加を得て、盛会裡に終了しました。遠方よりお越しの方も地元の方も、それぞれの現実へと戻って行ったことと思います。
講師の柳瀬和明先生、大津由紀雄先生、加藤京子先生をはじめ、このフォーラムを作り上げてくれた全ての人に感謝します。
企画・運営に携わった側の私としては、達成感というか、脱力感というか、そういった感慨が先行し、まだまだ講演の総括まで自分ではできていません。今しばらく時間をいただきたいと思います。
前回のエントリーのコメント欄には、参加者、スタッフ、そして講師の大津先生ご本人からも声が寄せられました。ネット上のあちらこちらでも、感想・評価は上がってきているようですので、生憎会場に居合わせることができなかった人だけではなく、当日、直接このフォーラムを体験した人も、そういった声を重ね合わせてみて下さい。思いがけない倍音が響いてくるかもしれません。大津先生は、控えめにコメントしてくれましたが、大津先生は来月の全英連・神奈川大会の基調講演を控えていて、その話とはかぶらないように内容に配慮して頂いたので、依頼をしたこちらが申し訳なく思っております。
2008年の第1回から、今回までお呼びした講師の方は計9名。私自身、英語教師としての自分の心が折れそうな時に、誰の声を聞きたいか、誰の姿を見て自らの襟を正すかを考えて、講師の人選をしてきました。今回の3人の先生方の講演をこの順序で届けられたことに満足しています。本当の意味での「リレー」がようやく形になったように思いました。公立校時代の同僚でもあった柳瀬先生の講演に始まり、延べ7時間の長丁場。最後のプログラムである、加藤京子先生の講演では、私は授業のDVDを投影するために会場の隅で音響関係の調整にあたっていたのですが、加藤先生のことばの一つひとつを噛みしめているうちに、涙が止まりませんでした。加藤先生からのバトンを会場に来ていた一人ひとりが受け取ってくれたことを願います。
懇親会は、湯田温泉駅近くの「つくし」で行われました。開放的な座敷で、胸襟を開いて、腹を割った話しができたのではないかと思います。岐阜からお越しのUさん、私の本業でのG大コーチ時代の選手でもあったTさんも延泊してまで、懇親会に残ってくれました。今回、遠くから山口の地へ来て頂く方へのおもてなしの意味も込めて、「獺祭」の純米大吟醸・3割9分・夏仕込みを筆頭に、厳選したお酒も用意しました。夜の部も満喫して頂けたのではないかと自負しております。私は、早々に戦線を離脱していた模様で、二次会のカラオケが終了する時点で奇跡的に意識が戻りました。相済みません。
来年度の第4回がどうなるかまだわかりませんが、地道に、着実に、そして胸を張ってこのフォーラム続けていきたいと思っています。引き続き宜しくご支援のほどお願い致します。

明けて日曜日は、大雨でした。一日ずれていたら、と思うとある意味安堵です。
本業の乗艇の予定をエルゴのトライアルに変更。

ご飯を食べる気力が余り無く、汁物で済ませる。
船中八策からエキシビションへ。
録画していた男子・女子のフリーも。
浅田選手はジャンプの矯正中。
3ルッツを「きちんと」入れたいのだろう。ルッツを直すとフリップも跳べなくなる、というのは五輪前の安藤選手と同じか。ただ、身体の美しさは五輪以降ますます磨きがかかったというか、際だってきたように思う。ジャンプが不調である中、どれだけのトレーニングを継続してきたかがよく分かる。今回は、世界一のケリガンスパイラルも封印 (村上選手が手の使い方までそっくりにコピーしていましたね)。ジャンプの失敗ばかりを映し出し、「惨敗」とか「屈辱」とか煽りに熱心なスポーツ紙の取り上げ方と比べると、まだ良識のある実況だったのではと思う。私はかねてより公言している通り、個人的にはキム・ヨナ選手のファンなのだが、その私から見ても浅田選手が世界のフィギュアスケート史上最も才能に恵まれたアスリートであることは明らかである。宝といっても良いだろう、その存在を活かす報道のあり方を日本のスポーツメディアは再考すべき。シニアデビューの村上選手の若さ、溌剌さを持ち上げ、浅田選手との対比・明暗を演出することで誰の溜飲が下がるというのか。浅田選手はエキシビションでのイーグルといいアラベスクの一番深いポジションへ淀みなく移行するスパイラルといい、今回の全出場選手中、美しさでは群を抜いていた。男子の解説の本田武史が各選手の技の一つひとつに的確にコメントし、主催者側としては持ち上げるだけ持ち上げたいであろう高橋大輔選手のショートでの切れ味鈍いステップに苦言を呈していたのには好感が持てたが、女子の演技の解説者には「美しさ」を適切に言語化することを求めたい。イケメン、美形の選手をアップで映すだけでは、フィギュアスケートの「美しさ」は伝わらない。

週のスタートの月曜日の実作。
高1オーラルは、「〜 (し) ている」の整理。
時制と態の確認、総まとめでもあります。
高3は、2コマ。1コマ目は私が高3の時に使っていた教材をヤフオクで落札したので、その教材から1課を抜粋して読解演習。

  • 守屋富生 『入試のための英文読解ゼミ30日』 (吾妻書房)

当然のごとく今や絶版です。長文とはいえ400語に満たない文章を30編集めたもので、名文選の系譜にあります。問題を解き終えて、あらためて「はしがき」の守屋先生のことばに耳を傾けるべく、私が朗読。(画像ファイルはこちら『守屋先生はしがき』.jpg 直第18日ベネット.jpg 直)

  • 夏休みから2学期にかけて読み進めた『いいずな本』の13ユニットで、入試が終わっても、もう一度読みたい、読み返したいと思うユニットはどれ?

と一人の生徒に問うと、「Unit 1」との答え。良い答えです。13分の1。そんなところでしょう。現在の読解教材のほとんどがノンフィクションの説明文・解説文。評論文といっても作者の顔が見えにくいものばかり。それに対して、この守屋先生セレクションは、チャールズ・チャプリン、クラレンス・デイ、ジェームス・サーバーの自伝、ウィリアム・サローヤン、キャサリン・マンスフィールド、シャーウッド・アンダースン、オー・ヘンリー、オスカー・ワイルドの小説に始まり、ジョージ・オーウェル、A.G. ガードナー、ギルバード・チェスタートン、アーノルド・ベネット、J.S. ハックスレイ、T.S. エリオットらのエッセイを経て、H.G. ウェルズ、W.L. チャーチルの演説、そして、A.J. トインビーのエッセイで締めくくられている。人生経験を経て、読み返すに値する内容、筆致のものが多い。しかしながら、この当時の多くの教材では「音源」は用意されていない。したがって、初見で問題を解く時はもちろん、復習でも、それはなんと読むのかという、「音」のレベルで苦労している学習者では消化不良を起こしてしまうのは明らかである。高校卒業までに身につけるべき英文の読解力とは?と自問自答しながら入試対策をして欲しい、というメッセージを投げかけて終了。
2コマ目は、今、自分たちの実作である『いいずな本』。再読の精読。ここでの一歩一歩が、書かれていることばの一つひとつをおろそかにしない読み、端折らない、ごまかさない読みに繋がると信じて進んで欲しい。

高2は副詞節のwhenと名詞節のwhenと関係詞節のwhenで、辞書巡り、教材巡り。ノート見開き2ページに自分の生き直した例文を整理する課題。

放課後は雨も上がり、本業で湖へ。
乗艇での1000mタイムトライアル。スタ付きで2発。課題がクリアーになってきました。選抜に向けて、しっかりとチューニングしたいと思います。明日は、500mのスパート練習。きついところでどれだけ踏ん張れるか、最後のヘビーデイです。

本日のBGM: 虹の都へ (高野寛 with Couch)