土曜日は高2の課題講座。
8時50分から12時まで。前半はdictogloss「もどき」の続編で『茅ヶ崎・0』から。津田梅子。音声が良いのだなぁ。今回の「もどき」はこんな流れ。
- 全文通してペンを置いて聴くだけ。2回聴いた後で、ペンを取って書き出す。消しゴム不可。
- 物語文、さらには、今回の「偉人伝」は一学期にも取り扱っているので、その「話形」を確認させ、選択すべき情報を考えさせる。
- 全文繰り返してペンを取り、補足修正。
- 構成・構造で大まかなパーツに分けそこまでを聴いてからペンを取る。
- シャドウイングに挑戦。できるできないと言うよりは、音読スピードで自分の筋肉を動かすことが主眼。その後、ペンを取って補足修正。
- 静聴というか精聴。ひたすらしっかりと聴く。その後、補足修正。もう一度、「偉人伝」の話形に必要不可欠な情報が盛り込まれているか確認。
- 一文ずつ、シャドウイングで補足修正。
- 教室後ろのホワイトボードにスクリプトの拡大コピーを貼り付け、Read & Look up よろしく、ホワイトボード前で英文を唱え一文ずつ覚えてから自分の机に帰って答え合わせ。
- 自分は何が書き取れなかったか、何が聞き取れていなかったか、本来の音と違う何と間違えて書き取っているか、という自己分析・自己評価。とりわけ、個々の音・アクセントなどのリズム、語彙そのものの欠如・誤解、文構造・文と文の関係に焦点を当てて分析。
- 音の変化に焦点を当てて解説。自己分析で該当箇所をチェックしていたかを再確認。
- 暗唱にむけた取り組み。
ということで、dictoglossがしたいというよりは、英語という言葉での頭の働かせ方の地図を作っているという感じですかね。
課外の後半は、『ケネスの…速読教室』から、一話を利用して、「直読直解」の練習。カセットテープの音読スピードが、1分間に140−180語くらい。幅があるのは、「物語文」が基本だから。語彙と構文をコントロールし、尚かつテーマ、トピックで日本の高校生をターゲットとした読解教材という観点で、本当にエポックだと思う。自分自身が高校3年の時に実際に使っていたのでよく分かる。大学入試対策などとみみっちいこと言わずに、20〜30年前の高校生の姿に思いを馳せる余裕を持てば、今時の高校生にも充分活用できるでしょう。評論文とか論説文、説明文などは生の素材を加工して易しくしたものが「検定教科書」なのだから、それ以外は敢えて求める必要はないもの。語彙と文法が身に付いていれば、日本語で仕入れた背景知識を頼りに読めてしまうから。英語の文章を読んでいるのではなくて、自分の頭の中にあるテーマ、話形のストックを引き合いに出して読んでいくだけで済む。やはり、スキーマに頼ることのできない良質の物語文を、やさしめの英語で読むことが大切。その意味で、良質の「ライター」に出会い、鍛え、鍛えられ、ダメ出しし、ダメを出されながらも、良いものを世に送り、残すことが大切。ただ、お任せで書かせるのであれば、「借入」「輸入」すれば済むこと。昔、Treasureを作った時に、もう少し自分の英語に自信があれば、ライターの英語にダメ出ししきっていたのに…、という懺悔でもある。
午後からは本業。2Xはインボードとピンヒルを調整、力感がでて全体としてまあまあの出来だが、一日のメニューの終わり方が下手。最後の最後で気を抜いてしまえば、その日の1時間、2時間で築いてきたものが霧散してしまうことに自覚的であれ。
日曜日は、遠い方の湖へ。
午前中は余り風もなく良いレーンコンディション。加速とランが今ひとつで出入りの激しい漕ぎ。一進一退という感じか。ダムの方のオープンスペースで、腕漕ぎ、片手漕ぎを交えて、後ろ10cmで加速を徹底。少し持ち直して終了。
国体で使うオールの梱包で大学生に湖まで来てもらい頑張ってもらったのだが、運送業者との対応で二転三転、四苦八苦。そのうち、雷と大雨。梱包していた段ボールがびしょ濡れとなり、輸送には堪えられないだろうということで明日出直しということになった。お疲れ様でした。宜しくお願い致します。
選手を駅まで送り帰路へ。
家に帰って落ち着いた頃に、全日本選手権を終えた選手から電話。今大会は惜しくも準優勝だったのだが、インカレからここまで良い経験を積めたのではないか。いよいよ残すところは千葉国体。チームの総力を結集して臨みたい。
以前のエントリーで「結果のout」に関して、何かにまとまった記述があったはず、と気になっていたのだが、確認できたので、備忘録。
- 巻下吉夫『日本語から見た英語表現 英語述部の意味的考察を中心として』 (研究社、1984年)
pp.106-109の「3.3. 熟語動詞」の項で、”make out” を代表例として多くの用例が扱われている。
- A lexico-semantic analysis of verb-particle constructions with up and out (1981)
Susan Lindner の論文。これはG. Lakoffの『地震、雷、火事、親父より怖いのは女性だよね』、で紹介されたのを知って興味を持ち、頑張って入手したはずなのだが、どこかにいってしまったのだった。
- G. A. Meyer, 1975, The Two-Word Verb, A Dictionary of the Verb-Preposition Phrases in American English, mouton de gruyter
古いのだけれど、いろいろと洞察を得ることのできるハンドブック。outの定義として次のように整理している。
- Away from the inside or center.
- In or into the open air; in public; socially.
- From a hidden or complex source.
- From a group; from a competition, organization or group activity; from operation.
- Beyond possession or control.
- From an original position; into a state of detachment or disagreement.
- In a detailed manner; to a logical conclusion.
- To a state of discomfort, exhaustion or extinction; to an end or finish.
- To the fullest degree; energetically; totally.
- In an extended manner; continuously.
- So as to gain substance or put out on flesh.
個々の句動詞の用例と定義に、この分類を併せて示すことで、「なぜ、その句動詞はそういう意味になるのか」に対する見通しを与えようという極めて意欲的な試み。ある程度は成功しているように思う。なぜ、8. では「終結に向かい」、10. では「延長して」になるのか、を「ハト感」で説明できるともっと嬉しいのだが。印象的な用例は、
- The fan opened out to show a geisha girl under a cherry tree. [The design appeared when the fan was unfolded.] (p. 145)
ただ、気になるのは、これが、10.の例、つまり「延長・持続」などの例としてあげられているところ。 扇子は徐々にしか開かないものではあるけれど…。
ましゃましゃを見て、一週間の終わりを感じる。
- 『日本語学』2010年9月号、特集「名詞句の文法」 (明治書院)
を読んでから就寝。上原聡 「名詞化と名詞性---その意味と形---」 (pp.24-38) が面白かった。もう少し新しいものも読んでみようと思った次第。自分の名詞句へのこだわりの理由が自分でもよく分かったのが収穫。
本日のBGM: What Godzilla said to God when his name wasn’t found in the Book of Life (American Music Club)