御破算で願いましては…。

この夏、恩師のM先生から一冊の本が届いた。

  • Make your dream come true.

と題された、M先生の自伝的短編小説。自費出版とのこと。英語で執筆、プロの翻訳家の手によって、日本語に訳され、英日の両方で読めるようになっている。M先生から短編が出来上がった時に見せて頂いたことはあるのだが、邦訳も含めて読むのは初めて。ページを繰って主人公の名前に驚いた。偶然とはいえ、そこに自分の名前と同じ漢字を見ようとは。大切に読ませて頂こうと思います。
さて、
今日から9月。
2学期は始まったものの、体育祭の練習とHRだけなので、体調を見ながら本業の練習を入れる。
保護者面談などを経て仕切り直し。
本日は体育祭のリハーサル。
体育祭では、クラブ行進という出し物 (?) もあるので、隊列というには人数が少ないが順番とロースー着用の指示。1年生の女子が、

  • 先生はロースー着ないんですか?着ましょうよ。

と畏れを知らぬ提案をしてきたので、

  • あなた達の卒業アルバムの写真を撮る時には一緒に着ますよ。

と笑顔で応えておきました。
体育祭自体はドームで行われるので、雨の心配はないが、この残暑なので風が抜けるかどうかちょっと気になる。今年は担任がないので、立哨と警備です。

沖縄インターハイのレース中の写真を注文していたのだが、昨日ようやく届いた。値段が値段なので、それぞれのカットを1枚のみ。現物は本人に渡し、控えはコピーで済ませるつもり。予選の写真を見て、改めて、レーンコンディションの悪さを感じた。この波の中、よく漕いでいた方なのでしょう。
千葉国体の規格艇図面がアップされたので、プリントアウトして眺めてみる。気になったことがあったので、造船会社に電話で確認。安心。ただ、4+、2Xの配艇でどちらが当たるかちょっと心配。wedgeの準備をしていく方がいいのだろうなぁ…。

国体関連の長期出張に備えて、課題の準備も頭が痛い。特に「ライティング」はフィードバックのないまま課題を書き続けてもあまり効果がないので、仕込みの「英作文読書」に徹するか。
最後にちょっとだけ英語の話し。
巷の英語指導・英語学習の言説を見るに、相変わらず、「input→intake→output」という一連の言葉が、一連の流れのまま飛び交っているのが気になる。ナイーブというか、乱暴というか。英語教育学者はこういった基本的な用語を、海外の学者の論文から翻訳したり紹介したりするだけでなく、自前の考察を踏まえて、「解説」して欲しいと切に願う。
「常時英心」の記事で、”figure out” という表現が取り上げられていた。高校生でも上級生になれば必須表現だろう。私が生徒に説明する時の「イメージ」は、算盤の「御破算で願いましては、…なり、…なり、…なり、では?」のような「計算して合計を出す」の方ではなく、「輪郭線を描く figure」と「出てきた結果初めて正体の分かるout」の足し算。

  • 紆余曲折を経ても、輪郭線を描ききって結果を出す。

とでも訳せるだろうか。「受験英語」の教材では、figure out = understandのような捉え方をすることがあるけれども、Lakoff & JohnsonやMEDを引き合いに出すまでもなく、

  • 理解するということは頭の中に像を結ぶこと。

とでもいう比喩が英語にはあるのだろうから「輪郭線を描く」 figureと「結果」の outの足し算が「理解する」ことを表しても不思議ではない。
「input→intake→output」の一連の言葉でもそうだが、

  • 市井の英語教師に理解できる基本用語解説
  • 流行言葉の安易な用いられ方への警鐘

この2つを、雑誌『英語教育』や『新英語教育』で特集してくれないでしょうかね。

遠藤師範の動きと言葉で心の平静を取り戻す。

夕飯はオムライス。晩酌もそこそこに早めの就寝。

本日のBGM: 9月の海はクラゲの海 (The Moonriders)