1000分の2秒

新潟国体から帰ってきました。
PowerBookのキータッチが懐かしいくらい久々の自宅。
結果は、成年女子1Xの4位のみの得点に終わりましたが、準備期間の短い大会参加の中、選手はみなよく漕いでくれたと思います。お疲れ様でした。

大学1,2年生コンビで臨んだ男子2Xは準決勝で他艇に大きく水を空けられ敗退。競り合いの中でミスを生む若さと、そこから追い上げる勢いと伸び代の両方を感じさせてくれたレースでした。

昨年度の1X覇者を乗せて上位進出が期待された男子4+は準決勝で、宮城県、富山県との争い。1着は決勝、2着は順位決定戦へ、というレースで、宮城に少し水を空けられ、富山と全くの同着でゴール。タイム計測も同タイムで写真判定。20分ほど協議が続きました。レース結果のアナウンスを聞き、監督として競漕委員会まで行って、デジタルカメラの拡大映像プリントアウトで着順の確認。トップボールの輪郭線をペンでなぞる程度の差で、3着。最終日に進めず、順位無し、得点無し。結果から言えば、予選で並べた東京都が優勝、福井県が決勝4位、2位には宮城県が入った、ということで、ハイレベルなレースを経験できたことは来年に向けての大きな収穫。

最終日は成年女子1Xの決勝。チーム一丸でのサポートです。
今年から成年の部での出場で、他の3艇は全日本クラスのタイトルホルダーばかり。健闘と言って良いでしょう。優勝したM選手は、全日本軽量級、U23世界選手権、インカレ、全日本とシーズンを通じて厳しいレーススケジュールの中でも高いパフォーマンスを見せつけてくれました。スタートの反応の早さは特筆。0.9秒差で2位のB選手はかつてG大でコーチ、漕手と立場こそ異なれ共に日本一を目指した選手。今年はワールドカップの第2戦、第3戦と世界で揉まれてきて、タフさに磨きがかかっていました。3位はベテランのH選手。中盤で果敢にアタックを仕掛けるところは、相変わらず鋭い勝負勘、レース勘。いい勉強をさせてもらいました。
来年は自信を持って表彰台を目指して欲しいと思います。

今大会もいろいろな方にお世話になりました。ありがとうございます。
G大 (出身者) 選手の国体出場も増えつつあるのは新たな時代の予兆でしょうか。
レース後の地元メディアのインタビューで、本国体が迫っていることの責任と重圧をひしひしと感じました。

表彰式直後に、車で一路戸田へ。お土産を買う暇は全くなし。関係者諸氏ごめんなさい。
荷物の積み卸しを済ませて、ホテルにチェックイン。
駅前の居酒屋で、全員揃ってご苦労さん会で解散。
今年は9月20日から戸田でのミニキャンプを経て、Oコーチの直前指導を受け、前日の新潟入り。配艇練習の時間の少なさが最後の最後に裏目に出たという要素はあるかと思います。ただし、諸事情でクルーを固定することが適わず、現地での配艇練習ではなく、戸田で時間をとっての最終調整を選んだからこそコンスタントのスピードが出せるようになったとも言えるので評価は難しいですね。午後にレースの集中する成年3クルーで監督枠1名しかないなどサポートは十分とは言えず、コーチングスタッフとして反省点・課題のとても大きな大会でした。
来年は千葉国体。今年の経験を活かすことが出来たかは、来年の結果をご期待下さい。
明日から2週間ぶりに平常授業に復帰も束の間、週末には新チームでの県の強化合宿スタートです。

山口に戻る選手団のうち、高所恐怖症の私は新幹線を選択。
復路で読んで来た本は、

  • 『シリーズ 朝倉<言語の可能性> 10 言語と文学』 (斎藤兆史 編集、朝倉書店、2009年)

郄橋和子氏の「文学と言語教育 – 英語教育の事例を中心に --」 (pp.148-171) では、Duff & Maleyや Guy Cook にも言及があり、目の付け所の確かさを感じた。最後に触れられた国語教育の伝統や現状に関しては、鋭い指摘があった反面、正直喰い足りなさを感じた。もう少し分量を割いてくれれば、英語教育に携わる者の心にも深く響いたかと思う。

駅まで妻と娘に迎えに来てもらいようやく帰宅。
お土産代わりにと、先に宅配便で送っていた「安田ヨーグルト」の発酵バターとプレーンヨーグルトは気に入ってもらえたようで何より。
助手席に乗り、戦果を報告する口とは裏腹に、私の耳には、コースを後にするとき、近くを歩いていた他府県の選手団から聞こえてきたこの言葉が残っていました。

  • 悔いを残すな、結果を残せ。

本日のBGM: Did you see? (John Simon)