振り出しに戻る

土曜日は遠い方の湖にTTへ。
珍しくレーンコンディションが悪く、タイムは余り参考にならず。トレーニングの質を考えても、二番スタートで追いかけてくるはずの他校の選手が全力で漕ぎ続けられなかったので、追い込むこともできず、不完全燃焼のモーション。私が選手だったら、「何で全力出さない?」と揚艇後に問い質すけどね。馴れ合いではお互いを高めることはできませんから。
日曜日は午前中の保護者会を終え、近い方の湖へ乗艇練習に。
2年生にはUTで20kmを指示し、1年生を中心に見る予定だったのだが、up後のメインメニューに入ったと思しき時間帯でその2年生に目をやると、尺が潰れて艇を運び切れていなかったので、リリースでランが出るまでダメ出し。腕漕ぎ、スクエアワーク等々。その後、1年生の2Xの指導に戻る。1Xは放牧のまま。揚艇後は、体幹・腹筋シリーズ。スタビライゼーションはただ姿勢を維持・保持するだけでなく、実際に筋肉を収縮させる「連動」の種目も併せてやらないといけません。終了後は、ペアストレッチ。身体が発する、様々なサインを感じ取る練習でもあります。

沖縄インターハイの期間中、夜の宿舎で県の他チームの顧問・監督の先生方といろいろな話しをしました。

  • あなたは、要求しているレベルが高すぎる。指導の内容は自分を基準としているけれど、そのレベルが高いのだ。ほとんどの高校生はそこまで達していない。

ということを面と向かって言ってくれた私より遙かに年上で、本業での競技指導実績も遙かに高い先生もいらっしゃいました。本当に有り難いことです。
私自身が考えているのは、「シンプルに、単純明快な論理で生きる」ということ。
本業であれ、正業であれ、ダメなものはダメですから、とことんダメ出しをします。ただし、コーチをするのであれば、いくら選手にダメ出しをしても、最後の最後までとことん面倒を見ることしかできないわけです。業ですから。私は、「ライオンと対峙する若者」や「(カードゲームの) 大貧民の手持ちのカード」の譬えをよく使いますが、今回選手に言ったのは、

  • 今・ここで全力を出すことをしない者に明日は来ない。いや、そういう者に明日を与えてはいけない。

という内容の話し。「来年になったらもっと強くなっているから、その時に戦ってくれ。」とか「今回の手持ちのカードではとても戦えないから、次の回に期待。」などというメンタリティーをいかに排除するか。それと同時に、今現在の「ギリギリ」を見極めることの両方がコーチには求められる。故に、コーチは日々研鑽を積むことが不可欠。
「大貧民」で思い出したけれど、「はずれくじ」の話しを最後に。
英語教材の書名を検索ワードにして「教材」についてこのブログの過去ログを見ている人が結構います。少しは参考になるのでしょうが、

  • 自分が良いと思った教材をまずは使ってみる。

ことからスタートするのが指導者としては健全でしょう。

  • でも、その教材が、自分の生徒にとって合わなかったとしたら?その学期や一年間は取り返しがつかないのでは?

という不安や恐れ、そして本当に「取り返せない」時の懺悔や贖罪、そういうものと引き換えに、教材を選ぶ眼も、鍛えられていくのだと思っています。まずは「はずれくじを引く勇気」そして、いつゲームが振り出しに戻ってしまうかも知れないという「すごろく感覚」を併せ持つことが肝要かと。
トレーニングも同じこと。
「ゆる体操」がいいと思えば、取り入れてみる。レジスタンストレがいいと思えば、「ランクアップ」で合宿して思い切り身体をいじめてみる。何でも「まず始めること」、「始めたら続けること」、で「続いたら振り返ること」でしょう。ネットで検索ばかりしていてもダメですから。でも、「骨盤を立てる」というのはちょっと試したくない気がします…。

本日のBGM: 一回休み