「戻れないことは分かっていた」

土日は、本業三昧。
県の高校総体予選に続いて、強化合宿。来月初旬の中国大会やその先の全日本ジュニアも見据えて、Oコーチによる熱い指導。気候も夏のような暑さとなりました。私は、自チームの選手を放牧と調教。照り返しもあって顔が痛いです。選手も泣きながらもなんとか、スクエアワークの両舷腕漕ぎで、オールを乗せるところまではできるようになりました。まだ、直進の精度がダメダメで、すぐに逆レーンに侵入です。あとは、膝と股関節を深く畳めるかどうか、地元水域に帰ってから試そうと思います。
合宿地を撤収して、約1時間、自チームの選手とOコーチを車で駅まで送り届けてから、私も帰路へ。
同じ週末、日本各地で高校総体予選が行われていたことと思いますが、スイスのルツェルンでは、ワールドカップ第2戦。日本からも代表チームが参加していました。そのルツェルンの結果を見て、あれこれ考えたこと。
男子軽量級4-の豪州。
スタートリストの選手名を見て驚きました。Anthony Edwardsは1972年生まれ、今年で40歳を迎える選手。超人と形容して別格で扱うのは容易いけれども、日本のエリート選手の引退年齢を考えると、彼我の差を感ぜずにはいられません。身近なところでは、現H大のコーチでもあるN氏のように国内競技のトップレベルを維持し続ける漕手もいますが、日本代表に選ばれている選手の年齢を考えると、その世代に道が開かれているかは明らかに「?」でしょう。
今年は男女ともopenの1Xにも日本代表選手派遣をしています。いわゆる重量級の選手、言葉を換えれば、「非軽量級」選手にも世界で戦うチャンスが与えられたことは喜ばしいことには違いありません。でも、だったらなぜもっと前、北京の前後には出来なかったのか、という思いもあります。今、思いつくだけでも、何人かの漕手にその可能性はあったのではないかと思うのです。でも、より高い可能性として、「軽量級」に、しかも、スイープの4-よりも2Xに集中してきたのが、協会としての代表チーム強化の流れではなかったのでしょうか。
そして、今年は五輪年。本来なら、ここまでの強化計画の総決算、ピークとなっているはずの年。日本のボート競技のレベルを引き上げ、様々な支援を引き寄せてきた功労者とも言える男子軽量級2Xの二人の漕手にとって、ロンドン五輪が最後の五輪になるのかもしれません。全ての人的エネルギー、金銭的支援を注いで最良の結果を目指して欲しいと願うばかりです。私の脳裏には、まだ、アテネ前の田瀬湖合宿で目の当たりにした、異次元ともいうべきLM2X艇の滑りが焼き付いています。

週の初めの正業は、進学クラスのみ。
高3ライティング、高2リーディング、高1英語I。
高3ライティングは、GWTの概論と練習問題を流用。「ナラティブマスター」を目指します。
高2は、「英語で英語を読む」という課題と誠実に向き合う一コマ。旧課程の「英語 IIB」の教科書、Senior Swan (開拓社) からの練習問題を使って、「文脈からの推測」。私が教師になった1986年に、その初任校で採用していた教材です。四半世紀前に既に、「英語は英語で」の試みはなされていたことを自分の足跡として記憶しています。何が上手くいき、どこで躓き、迷い、悩むのか、私よりも上の世代は見てきているはずです。そのベテランの教師たちの声に耳を傾けることが今こそ必要なのだと思っています。
高1は、規則変化動詞の発音と綴り字のマトリクスに、動詞の原形を印刷した「短冊」を入れていく復習活動から始めたのですが、取り組みがお粗末なので、「喝」。指導に当たっては、様々な学習者に対して「配慮」はしますが、怠け者、戯け者には決して「遠慮」しません。
四角化シリーズは、「ワニの口」から、「他動詞・自動詞」へ。ここで躓くのは、その前に「目の前」にあった課題をきちんと自分のものにしていないから。いつだって、目の前のことができない者に、将来の目標など達成できる訳がありません。
さて、
「文字指導」の続き。
joiningについて。前回の記事で、「ストローク」「運筆」「モーションコントロール」という言葉づかいをのしたのですが、これは必ずしも「文字それぞれの筆順」と同意ではないのです。それぞれのストロークが文字を形作っていることに対する配慮といえばいいでしょうか。その理解があってこその「つながり」であり、「つなぎ方」の指導があるというのが私のスタンスです。
“National Survey” でのReginald Piggott のことばを借りれば、

In the same way that the basic alphabet is made solely of circles, parts of circles and straight lines, the handwriting alphabet too is composed of two or three basic strokes. The letter a for instance (a combination of c and i) forms in part c d e g q b p whilst i gives i l u h m and n. The writing patterns on page 157 include all or most of the strokes of which handwriting is composed in successive combinations. These are written with what I term a neutral nib, which gives a stroke of unchanging thickness similar to a ballpoint but of course much cleaner. Writing patterns serve as an introduction, or perhaps I should say a guide, to joined writing.

On pages 160-163 are charts showing every possible combination of letters that may be joined (520 in all) and in each case the simplest method of joining is employed. Those letters which for practical reasons may not be joined are g j y and q. The only way in which these four letters may be joined on to the following letter is for g j y to have looped tails and for q to have the tail carried back up to the writing line---an old-fashioned practice and one that today does not subscribe to legibility if writing is hurried. (pp. 157-163)

ということになるでしょうか。「百聞は…」といいますから、面倒でも"National Survey" からスキャンした画像ファイルをDLしてご覧下さい。

Piggottによる筆順 1&2
Piggottによる筆順_1.jpg 直
Piggottによる筆順_2.jpg 直
practice_strokes
Practice_strokes.jpg 直
sample_joins
Sample_joins.jpg 直
possible_joins
Possible_joins.jpg 直
left_unjoined
Some_better_left_unjoined.jpg 直

その上で、joiningの指導に関して、付け加えて「課題」をいうならば、たとえば、“play” とか ”class” などの子音連続で、日本語のカタカナ語の干渉で余計な母音を割り込ませないように、という指導は広く行われているのとは対照的に、

  • pl, pl, pl, pl ….
  • cl, cl, cl, cl ….

という子音連続での「書く」指導はあまりされていないのではないか、ということです。繰り返しますが、あくまでも、私の「印象」ですので、すでに、系統的、段階的にこの「つなぎ方」の指導をされている方がいましたら、広く深く情報を交換して、教材を一緒に作りたいと考えています。
ちなみに、Nelson Handwriting のシリーズでは、フォニクスの指導とも連携できるように、joinsが段階的に指導できるような教材化がなされています。

  • in, ine
  • ut, ute
  • ve, vi
  • ok, oh
  • sh, as, es
  • ri, ru, ry

上級レベルになれば、接尾辞も含め、より複雑なパターンでのjoinsの練習が豊富に用意されています。
靜哲人先生の『English あいうえお』に、子音と母音の組み合わせでの発音練習がありますが、発音が入ったら、 (この「発音が入ったら」が大切)、発音練習と同じくらいの量の「書き方練習」が必要なのではないかと思う訳です。
「だったら、Nelsonのシリーズをテキストにすればいいではないか?」と私も思います。がしかし、その “joins” を学び、部分的に取り出して練習する段になって、そこで用いられている「語」を見ると、英語ネイティブにとっての日常語の基本語が多いため、日本の学習者には教師による補足が必要不可欠となり、入門期の指導では必ずしも最適の教材とは言えません。
「自前」の教材を求めている学習者、指導者は一定数いるのではないか、と思うのです。
引き続き、情報をお待ちしております。

本業の練習はオフ。
早めに帰れる時に帰っておくんだ。
夕飯はオムライス。
「呟き」で、Great 3 の活動再開に驚くとともに、高桑圭の脱退を知る。
祝杯か別れの杯か。
旨いけれども、何か少し、物足りないのだなぁ…。

本日の晩酌: 雁木・夏辛口純米・山田錦60%精米・無濾過 (山口県)
本日のBGM: Nobody’s Fool (demo) / Great 3