standing on the podium

気がつけば、もう11月も終わり。
ということで、月後半、2週間にわたる朝の生徒指導も今日で一段落。ご苦労様でした。次の来月後半になると、もう冬のまっただ中だなぁ…。
今回の指導で一番気になったのは、「声」。普段から、教室で竹内敏晴、林竹二、鴻上尚史などの本を読むように薦めているのだが、「心焉に在らざれば視れども見えず」にならないようなフォローが必要か。もっとも、自分の声に裏切られないように気をつけることが肝要。

高2の0限では、冬期課外に使う副読本の紹介。
「一人2冊を読み、それぞれ10編あるエピソードのうち、最も面白かった2編について、ガイドを書く。その4編については、他の生徒が読んで疑問点が出たときにヒントを出したり、語句や表現について教えてあげられるよう読み込む。自分の割り当て以外の本から、冬休み後半に読む本を、ガイドを頼りに選んで、『多読はじめ』に取り組む。」
という構想。現在、高2の教室にある副読本は高1の冬期課外、冬期休業中の読み物となる予定。
高3で行った、センタープレの第2問を試しに解かせてみて、来年までにどのような学びをしておかなければならないかを説く。純粋に基本的な文法項目の知識が問われることは少ないものの、その文法の理解が不十分では、習熟も習得も覚束ない。一方、語彙そのものが貧弱な為に、そこで問われている焦点を見いだせないことも、平均的な高校生の場合はまだまだ多い。コロケーション、語法に関して、行きつ戻りつの学習ができるような、自らの「目の付け所」を自分で育てていくことが、この教室で目指す学びである。

高1は、土曜日課外の続きができずに、仕切り直し。英語力以前の問題が山積ですが、うんざりしている場合ではないので、諦めずに続けていこうと思います。期末試験の準備と、試験を越えたさらに先に繋がるように、自分でしておくべき5段階の取り組みを板書。今自分がどこまでできているか確認。今、扱っている全ての素材文から、「P単」フレーズを括り出す作業は全員がクリアーしないとダメです。『P単』って、それ自体がドリルで、それ自体がテストで、日本語のコロケーションから英語のコロケーションへ、という唯一の教材だったから、私が公立校勤務の時代に旧版の見本本の段階で一括採用したのですよ。誰かにテストしてもらわなくても、自分でできるところから、如何様にもアプローチでき、しかも短期間で習得できるのが強みなのです。
今の高2はようやく、『銅』メダルが掛けられるくらいの習熟度に来たので、その苦労と達成感を後輩に伝えてあげて下さい。

『P単』と似たコンセプトの単語集・連語集には、川端一男 『大学への英単語』 (研文書院) がある。これは、各ステップの構成が明確で、奇数ステップは「動詞句」のコロケーション、偶数ステップは「名詞句」のコロケーションとなっている。STEP 1の動詞句から引く

  • apply a theory / convey information / lack confidence / participate in debate / sacrifice convenience
  • 理論を適用する・情報を伝達する・自信を欠く・討論に参加する・便利さを犠牲にする

という連語が、英日対応でページの上部に示され、その下ではそれぞれの語の発音記号、意味、派生語、反意語などが示される。学習ページでは、英日での情報提示だが、チェックテストのページでは、日→英の形で、英語を答えるように構成されている。
STEP 2 は名詞句。

  • a persuasive argument / cultural heritage / environmental pollution / rigid definition / comfortable surroundings
  • 説得力のある議論・文化的遺産・環境汚染・厳密な定義・快適な環境

という英日対照で、チェックテストは、日→英である。初版は1979年。私が高校生の時ですから、CDなどついていません。当然のことながら、絶版です。
郡司利男 『逆配列・英単語速習』 (開文社) もコロケーションで学べる単語集であるが、今では完全に上級者向き、というより、教師用だろう。たとえば、-sionで終わる単語を配列している、ある1ページの情報量が濃密。

  • collision / vision / television / division / provision / supervision / mansion / expansion / pension / extension / explosion / excursion / passion / procession / confession / profession / depression / impression / oppression / expression / session / possession / mission / submission / admission / commission

これがただ縦に並んでいる。極めて単調な作り。それぞれ、左ページでは、コロケーションの提示、右ページで発音記号と意味と最小限の補足。左ページのコロケーションの提示例を引く。

  • come into 〜 with  … と衝突する / a man without 〜 視野の狭い人 / see A on 〜 Aをテレビで見る / 〜 of labor 分業 / make 〜 for [against] … に備える / under the 〜 of …の監督下に


という具合に、commissionまで載っている。よくもまあ、これだけのスペースにその情報を、と感心するくらいの密度なのである。
こちらは、初版が1967年にもかかわらず、まだ市販されているので、コロケーションに興味のある方は是非。

振り返ると、今月は怒濤の日々だった。中国大会に始まり、インフルエンザ対応、生徒指導に英語教育フォーラム、そしてやけど…。
一戸建てに越してから、夏場は葦簀の活用とか、打ち水とかで凌いで、一度もエアコンをつけずに過ごしたのだが、木造家屋の冬場は結構冷えるので、対策が必要。これまで使っていたデロンギのオイルヒーター (これはもう、20年近く独身時代から使ってる) とトヨトミのパネルヒーターは部屋数の多い広い家には不向きなのだなぁ。電気代も馬鹿にならないし…。

明日からは12月。
月初めは朝の生徒指導がないので、いつものように、朝4時半からの自分の時間を有効に使いたい。

本日のBGM: Oh, you are all I need (ハンバート ハンバート / 『包帯クラブ』 OST)