今日は午前授業。高2はコンピュータ室で、成句の用例作成グループワーク清書提出。
名詞句の限定表現のバリエーションと、それぞれの持ち味・弱点を簡単に解説。清書の提出では、ようやく身の丈にあった用例・例文が出て来た。以下、一部紹介。本当は、このくらいの用例が辞書に載っていれば安心なんだけどね…。
1. 名詞 by 名詞
- Case by case, the lawyers solved the issues.
- Snow was piled higher night by night.
2. 名詞 after 名詞
- My brother died, so I cried night after night.
- They wrote and signed visas day after day.
3. 名詞 in 名詞
- I am going to spend the rest of my life hand in hand with my wife.
- Prince and his fianc? came to the party arm in arm.
4. 名詞 and 名詞
- He worked day and night to pay off all his debts.
- She committed herself body and soul to fighting for the cause.
普段から、このような意識で用例のpersonalizationやself-involvementを心がけていれば、この後たとえ「お受験モード」に突入しても語感が鈍ることはないだろうと思う。
その後、「今月の歌」歌詞確定。Marvin Gayeの ”Mercy mercy me”。1971年作品。今回の空所を通して眺めれば、今学期集中的に名詞句・名詞節を扱った意図がわかろうというもの。
計7カ所の空所で補充して完成させる名詞句・名詞節は以下の通り。
- what they used to be (名詞のないところに名詞を作る関係詞のwhat)
- the wind that blows (主格の関係代名詞、先行詞はモノ)
- oil wasted on the oceans(過去分詞の後置修飾)
- radiation underground(前置詞(形容詞)の後置修飾)
- animals and birds who live nearby(主格の関係代名詞、先行詞が生物で擬人化)
- this overcrowded land (過去分詞から転用した形容詞)
- abuse from man (前置詞句の後置修飾)
いわゆる「進学校」で横並びの文法指導をしているところは、教員がそのfast trackを降りる勇気がないために、前年までと同じ指導を継続してしまうのではないかと邪推するのだが、降りてしまってもこうして文法の指導はできるのですよ。もっとも、どういうアプローチをしたところで定着には時間がかかるということを忘れないことの方が余程大切。歌詞確定後は、コメントを書いて提出。最後にLesson 10の「フレーズ訳」ハンドアウトを配布して終了。
高3は、特別授業。ライティング課題の合評会。(課題の内容は過去ログ参照→http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20070118)
引き続きコンピュータ室で。長時間いると喉が痛い。
まず、今回の課題に取り組んでの自己評価をワードで打ち込む。その後、Peer Response。
- まず60語の英文を3分で読み、2分で疑問・質問とコメントを余白に書き込む。以下同様に、計4ラウンド。
- 次に自分の作品に戻って、4人からのPeer Responseを踏まえて修正のプランニング。Peer Responseを通して発見したこと、気づいたことをワードで加筆。
- 休憩を挟んで、300語の英文でのPeer Response。2分で、その前の60語でのやりとりに簡単に目を通し、続く5分で300語の英文を読む。疑問・質問、コメントを3分で書き込む。こちらは2ラウンド。
- 自分の作品に戻り、修正のプランニング。ワードに感想・自己評価を打ち込んでプリントアウトし提出。
- 60語、300語それぞれの見直しを踏まえて、150語の英文を自力でreviseして今週末までに再提出。
自己評価の例を一部紹介。
- 多くの人が、授業プリントの頭出しチャンクを利用して、とてもよくまとめていたので、すごいなと思いました。短い文章ではあるけれど濃い内容でした。
- 自分は表現を繰り返さないと300語いっぱいにできなくて困ったが、みんなのを読むと、なるほどと思うことが多かった。というのも、譲歩の部分を書くのを忘れていたことに気づいた。日本語教育重視の意見を受け、「それも大事だが、しかし」とまとめていたら、何回も繰り返し同じ表現を使わなくてもよかったかな、と思いました。
- 二学期に習ったことを活用できるよう心がけました。課題は60語から書きましたが、300語から書いた方が削り易いことに終わってから気づきました。けれど同じ内容で語数を三通り書くだけでも、意見文に対する恐怖心がほとんどなくなりました。日本語の文章を英語で要約する課題の方は、制限語数内に終わらすことが難しかったです。
- 単語選びや、言い回しや英語での表現の選択がとても重要だと思いました。あと、意見文は型にはまっていないと読みにくい。理由付けが曖昧だと、全体としても曖昧のまま終わってしまう感じです。
- 自分では無意識で使っていた曖昧な表現(抽象的な表現)があることに、他人から指摘されて初めて気がつきました。やはり他人からの評価は大事だと思いました。理由付けのところに、またしても無意識に自分の意見的なものを入れてしまっていました。理由付けがやっぱり一番難しいです。
- 60語程度の文章は、少ない文字数でいかにまとめるかが大事だから、しっかりとした理由付けをするためには1つの理由で根拠付けをしていくという方が説得力があると思いました。
- どんな内容であろうと始めに言いたいことをしっかり言わないと頭の中に?が浮いてくることがよくわかった。60語など短い原稿の場合、無理に理由を2つあげることや、わざわざ理由がある、などを入れるよりも「なぜなら〜」で始める方が断然わかりやすいことを発見。
久しぶりの4時間連続授業で、疲れて研究室に戻ると、Y先生から一大ニュースが!
「田尻悟郎先生、関西大教授に!」
写真入りでニュースになるところが流石にカリスマ英語教師。
夏に関西大の募集要項がでたときに、その応募資格の要件があまりに特殊だったので、「これって田尻先生を採りたいから、この要件で公募をかけているんじゃないの?」とK先生と話していたのだが、案の定。大学への移籍は重い決断だったのだろうとは思うが、中高の現場は淋しくなるなぁ…。
帰宅時、途中下車して、中野のブロードウェイで中古CDを探す。ダニー・ハサウェイの1st。Everything Is Everything。ブルース・コバーンのアンソロジー。Singles 1979 - 2002。あとは、ジョージィ・フェイム&アラン・プライス。Fame And Price/ Price And Fame/ Togetherとは皮肉なタイトルだ。名声とその対価は表裏一体、とでもいうことか。今度、田尻先生とお話しするときにそのあたりも訊いてみることにしよう。
本日のBGM: Time I Moved On (Georgie Fame & Alan Price)