シンデレラの履いていたガラスの靴

今日は選手が検定試験なので本業は休み。
朝食を摂りながら、録画してあった男子SPを見る。
4回転ルッツというのは初めて見た。びっくり。SPでの演技時間は3分ないので、ミスがなければそれほどの差はつかないはずなのだが、それでも5 componentsで点を取れる選手はやはり高得点になる。9点台に乗せる、または近づけられないと表彰台が遠いのかもしれない。
妻と娘はO農園へ出かけていったので、ひねもす自宅で本を読んでいた。あるものは初読、あるものは再読。

  • 松本安弘、松本アイリン 『英語べからず小事典』 (荒竹出版、1977年)
  • 田地野彰、ティム・スチュワート、デビッド・ダルスキー 『Writing for Academic Purposes 英作文を卒業して英語論文を書く』 (ひつじ書房、2010年)
  • 日向清人、狩野みき 『知られざる英会話のスキル20』 (DHC、2010年)
  • 長崎玄弥 『英会話アレルギーの治し方』 (朝日イブニングニュース社、1984年)
  • 國弘正雄 編著 『英語を習うということ』 (ELEC選書、1980年)
  • 長崎玄弥 『こうすれば英文が書ける 英文ライティング頭の体操』 (ジャパンタイムズ、1984年)
  • 『教授法に密着した中学英語質疑応答集---現場教師の疑問に答えて---』 (中教出版、1974年)
  • 石川祥一、西田正、斉田智里 編著 『テスティングと評価 4技能の測定から大学入試まで』 (大修館書店、2011年)
  • 大西泰斗、ポール・マクベイ 『一億人の英文法』 (東進ブックス、2011年)
  • 一色マサ子 『修飾 (上) 英語の語法 表現篇第9巻』 (研究社、1968年)

一息入れて、NHK杯男子のフリー。
やはり、SPと二つ揃えるということは大変なのだ。パトリック・チャンが4回転3回転のコンボをものにしている今季、やはり4回転をどうこなすか、そしてフリーの長さを滑りきるだけの燃費が要求されることになるのだろう。ちょっとスコアが出過ぎかな、と感じた高橋大輔選手でさえ、後半は目に見えてスピードが落ちた。6分間練習では、4回転フリップを着氷していたので、本番でも、と期待されたのだが、回転不足と両足着氷。やはりブルースのギターに乗せてリズムを取るのは大変なのではないだろうか。残すは、EX。今回は、HDDの容量が少ないこともあって、BDで録画、保存版にしておこうと思う。

土曜日の高1進学クラスの課外で、後置修飾ものを扱ったので、今後の流れを考えていたのだが、

  • something to write about

とか、

  • something to write with

なども含めて準動詞の見通しが立ったら、接触節や関係詞に移ることになるだろう。先日の、運営委員会でスタッフとの雑談でも言っていたことであるが、関係詞を用いるメリットのある用例でいかにトレーニングをするかが肝なのだと思う。普段から私が心がけているのは、

  • 関係詞を使えると、とじかっこをその中に使えるので、「時」を支配できる。
  • 関係詞を使えると、その中に別の四角を主語として使える。

という「便利さ」をどう演出するか。日本語の例で言えば、

  • 将来イケメンになるだろう男の子

とか、

  • 私が小さい頃に乗っていた自転車

などの、典型例を自家薬籠中に偲ばせておいても、どの時点で、どの指導過程でそれを出すか。未だに難しいです。
単文・短文から、名詞句の限定表現を括り出す練習は、以前公立勤務時代に、習熟度別クラスでもっとも英語が苦手な生徒達のクラスを担当した時に始め、それ以来もう15年以上行っているが、この練習は「わかっている者、既にできる者」にとっては何でもないことなのだが、「引っ掛かっている者」はなかなか流れに乗れないのである。そのことをあらためて認識させてくれた現任校の生徒達に感謝している。(『ぜったい音読』 (講談社) から全ての用例を拾った授業傍用ファイルはこちら→名詞の大きな固まりと文との識別.pdf 直)
昨日のエントリーで取り上げた、「シンデレラとインソール」だが、

  • the best way to practice English pronunciation

などの例で言うと、この用例の意味を理解すること自体はそれほど難しくないだろうが、その元になっている、

  • practice English pronunciation in the best way

などという表現がスラスラと口をついて出てくる生徒は少ないだろう。足跡に綺麗に名詞がはまってくれないからであり、日本語にはこの構造とぴったりと対応する構造がないからである。

  • 一番良い方法「で」練習する

という表現で現れる「で」は、英語ではどう言うのか?も覚束ないのに、それが後置修飾になった途端にいったいどこへ消えてしまうのか?<前置詞+名詞 = 副詞句>というトレーニングがしっかりとできていないと、練習問題を数多くやる、という指導だけでは解決しないだろう。
接触節との関連で言えば、文の形で、

  • We practice English pronunciation with this textbook.

と言う場合、普通の日本語では、主語を受けて、

  • 私たちはこの教科書で英語の発音を練習する。

と助詞は「は」を用いているが、接触節を用いて、名詞句を拡充する際には、

  • the textbook we practice English pronunciation with
  • 私たちが英語の発音を練習する教科書

となり、助詞は「が」となる点にも注意が必要である。
前述の不定詞での足跡問題は、関係副詞のところで必ず解決しなければならないので、導入以前、以後とも、<前置詞+名詞 = 副詞句>が教材にどのように現れるか、気をつけておきたいと思う。
この項目は、ちょうど去年の今ごろのエントリーで書いているので参照されたし。(http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20101104)

本日のBGM: When these shoes were new (Billy Bremner)