”Listen to me.”

哀愁のマンデイ。体調が今ひとつなので時間的に余裕を持って出校。高3ライティングはコンピュータ室を使って「ホストファミリーへの自己PRの手紙」をrevise and rewriteして提出。提出物はきれいなので有り難いが、PC操作の慣れ不慣れで作成時間が全く違ってくるので考えものである。コンピュータを利用するのは個人に任せて、教室の授業で出来ることに専念する方がよほど英語力の向上に寄与すると思う。教室の授業で英語力をつけるのに、e-mailもインターネットも基本的に不要ですよ。「いや、あれば便利でしょ」という人は、便利だからといって用意したもの全てを授業で常時利用できるわけではない、という単純な真理を忘れている人。メディアやテクノロジーを利用している場合には、そこで用いられている学習そのものの方法論を吟味しておかなければ効果を上げることは出来ないだろう。
高2はLove the one you're withの歌詞確定作業から。一クラスは留学生が授業に出たり出なかったりなのでどう参加させるか困ったモノだ。Part 1 のsummaryを確認して音読。習熟度の一番高いクラスだというのに、基本語の綴り字で differentやhealthyを間違えている生徒もいるので大変。今日ものすごく気になったのが、あるクラスでの生徒の行動。今日は語義の解説を日本語でしていたのだが、「こういうところは誤解しやすいところだから気をつけるように」という説明をしたそばから、その語を電子辞書で引いて、私の説明が正しいかどうかを確認しているのだ。今時の高校生が皆そうだとは思わないが、失礼も甚だしい。ミクシィや教えてGooなど、インターネット環境での英語に関する質問とその解答のやりとりを眺めていていつも感じるのだが、「学校での教師の言うことを良く聴きなさい」と声を大にして言いたい。高校生レベルの英語に関するたいていのことは学校の授業か教師に質問すれば片づくのである。そして、高校レベルの英語力が「きちんと」身についていれば、TOEFLで530点、TOEICで700点くらいは取れるはずなのである。生徒も親も世論も含めて「教師の質が低い」とか「今年の教師ははずれだ」とか言う前に、自らの学びの姿勢をこそ問い直すべきだろう。
昼休みに質問に来た生徒は、「状態動詞の進行形」について、色んな人が色んな説明の仕方をするので混乱したらしく、私の所に来れば、何か「超個性的な」考え方が聞けると思ったのだろう。
「どんな動詞でも、進行形の形を取るということは、その動作の『始まり』と『終わり』を意識していることを示すのです」という黒川泰男氏の説明にならったコメントをしてダイアグラムを描いてあげた。動詞の意味特性とか名詞の数とか周辺事項は多々あるが、この段階ではそれなりに腑に落ちたようだ。イメージやフィーリングに訴えかけるだけでは不十分で、結局、考え方・理屈を示す言葉での説明が稚拙では消化吸収が上手く行かないのです。もっとも、今日質問に来たようなセンスの良い生徒ばかりだと苦労はいらないのだが…。