「まあ聞けよ、俺の話を…」

0限から進学クラスのオーラル。替え歌バージョンの注意点を解説しようという矢先に、一人だけまったく集中していない生徒がいたので説教。教師として集団を育てるのは難しい。裏を返せば、生徒だって集団として育つのは難しいものなのだ。

今月の歌、第二弾は先日のブログを書くときに聴いていたCarole Kingのアルバムから。いかにもな選曲ではあるが、 "You’ve got a friend" を。今、この生徒たちに必要な曲だろう。iPodにトランスミッターを付けFMラジオ経由で再生。
オード・コレクションからのバージョンでサビメロまでの空所補充。2回聴いて情報交換。それを踏まえて、1曲通しで。朝はここまで。
4時間目は、英語I だが、朝の続きから。1回聴いて各自の理解確認。原田知世のカバーバージョンでサビメロまで。71年のカーネギーホールのライブ盤からもう一回。このバージョンは、オード・コレクションが初リリースだったが、カーネギーホール・ライブ盤ではリマスターされ、音の粒が引き立った気がする。このバージョンは自分でも久々に聴いたが、James Taylorのギター演奏がすごく新鮮。Gibson J-50か?J.T.の腕か?細野晴臣や小坂忠など70年代の日本のミュージシャンがインスパイアーされたのが判る気がした。
空所の確認を終え、韻を踏む語を確認し、語彙指導。brighten up のbrightenを解説。その後、strongを板書し、この場合は形容詞にそのままenはつけられないので、名詞にする必要がある。では名詞形は?と問うが無回答。英和辞書で引こうにも、綴り字さえわからないのだから、strongの項目を隅々まで読まないと派生語がわからない。もたつく生徒には「和英で『強さ』って引いてみたら?」とアドバイス。名詞のstrengthの発音と綴り字を確認してstrengthenを板書。続いて、largeと板書。ではこれを動詞にするには?と問う。英和を引いているが流石に見つからない。「大きくする」を他の日本語で言うと?と問い「拡大」を引き出す。競うように和英を引き、extendなどに引きずられながらも、enlargeにたどり着く。この取り組みは結構大変ですが大変結構です。
動詞化する際の語形成は<形容詞+en>という単純なものではなく、strengthenのように、一回名詞化してから派生するもの、enlargeのように形容詞の前につけるもの、など、enをつければ済むというものではないことを詳しく説明。なぜ、(X) largen, (X) enstrong とはならないのか?はその語を覚えるまでは判らないのだから、一つ一つ場合分けをして、同じ仲間を増やしながら覚えていくしかないことをしつこく、しつこく説く。

  • 「語源を活用すれば単語は飛躍的に増える」と嘯く教師は警戒せよ!まず、基本の2000語をどう覚えるのかが問題なのだ。

その後、教科書の読み。今日は、「達成を示している表現を3つ」読み取る作業。伏線がどこに張られているのかに注意させる。今日扱った表現では、最初の二つは簡単なのだが、三つ目は He’s inspired everyone.という表現のinspireという動詞、everyoneの意味から達成を読み取らねばならないので、少し頭を使う。ここから、次回は具体例のサポートと主題に迫る予定。最後は音読。チャイムが鳴るまでに読み終えられるか、と指示をしたのだが、チャイムが鳴ってもまだ一所懸命に読んでいました。ふむふむ。
今日の普通科は進度に余裕のあるクラスなので、足踏み。前回質問のあったsomeとanyの解説。
「肯定文ではsome, 疑問文・否定文ではany」という説明では英語の実態を表すには不十分でルールとしては不適切である。ではどうするか?良い方法はあまりないのですね。

  • someは、はっきりとは言わないが何か範囲・枠があるとき、anyはゼロじゃなければ何でもあり。

という原則を導入した後、『α・フェイバリット英和』(東京書籍)で辞書引き作業。2人から4人で一組となり、板書した原則にピッタリの例文を辞書から抜き出し、ワークシートに転記する。当然、このクラスの生徒たちには未習得の語彙が山ほどあるので、ひっきりなしに机間指導。

  1. Could you lend me some money?
  2. Would you like some coffee?
  3. Do you keep any pets?
  4. You can take any book you like.

などを板書して具体例を交えて説明。もちろん日本語で説明ですよ。1, 2でanyにしてしまうと、どんな意味を表すか、で対比させておき、本文に戻り、音読。続いて、anyを疑問視するとどういう意味を表すか?「ゼロなのか、ゼロでなければなんでもいいなのか?」という論理の確認。そこを踏まえて、anyを否定するとどういう意味を表すか?「ゼロでなければなんでもいい」の否定だから、「ゼロ以外何にもなし、つまりゼロ」、という論理の確認。これで一段落。
この課の基本語からフォニクスの原則を説明しやすい語を抜き出し整理して板書&音読。しつこく音読。軸足方式(今、名付けました)でgirl-girl-girl-skirt, church-church-church-turn。最後は、縦書きで綴り字の確認。
まあ、こんな感じです。
午後は文化祭準備で授業カット。合唱コンテストの練習や、クラス展示の準備など担任は大童の模様。放課後は職員会議を経て勤務終了。
夕飯は、前菜が山口県の郷土料理らしい「しちゃなます」、「椎茸のバターソテー」。メインは「自家製バジルソースのパスタ」。どれも美味。満足。感謝。
明日は、午後が文化祭準備。当初は3コマだった授業が1コマしかなくなるので、代講を頼んで休暇を取り、朝から研究会に行ってきます。

本日のBGM: 気まぐれ天使(小坂忠&ウルトラ/『気まぐれ天使』オリジナルサウンドトラック)