作文の教師

新年度は久々に、「ライティング」を担当することになった。高校3年、週3時間のコマ。使用教科書は、旺文社の『プラネットブルー ライティングナビゲーター』。ライティングのプロセスにこだわったタスクの構成が特徴である。著者の個性がしっかりと表れた教科書と言えるのだろうが、全国的に見ると採択は芳しくないようだ。私の参加しているライティングの研究部会でも、良質の教科書の1冊と考えられているが、『良い製品』が必ずしも売れるとは限らないのは、教科書に限ったことではない。
この教科書は、第1部にあたるStage1では文単位のライティングで、文法のミニマムエッセンシャルズを扱う。後置修飾の課などでは、文を構成する前の名詞句の限定表現のみを書かせるエクササイズがあったりして、文法をきちんと教える=文を書かせる、という思いこみから逃れることのできている点が素晴らしい。(各課の文法項目の扱いやタイトルのつけ方など、私が著者として関わっている某社の教科書と奇しくも酷似していたりするのだが…。)
Stage2ではパラグラフを作っていく段階。この段階で英語で何を「書く」のかが少しはっきりするように構成されている。リスニングやペアワークなども重要なタスクとして位置づけられている。言ってみれば、この教科書のボディーである。ここの扱い方が、教師にとっては最大の関心事となるだろう。
Stage3はウェブサイトを作って英語で発信しよう、という、パラグラフを超えたレベルでの書く活動にあてられている。
現在の勤務校では、授業の進め方など、大部分が教科担当者に任されているため、教師の力量が端的に問われることになる。今週来週と、他の教員とのすりあわせがあるのだが、私のプランとしては、Satge1とStage2を同時並行して進め、Stage2に重点を置こうと考えている。
この教科書では、プロセスに配慮して、タスクが細分化され配列されている。したがって、なかなか、タスクをつまみ食いしたり、その課のねらいを考えてタスクを入れ替える、ということが難しいので、早い時期に、私の考える「ライティング」の授業に引き込んでしまおうと考えている。高3は、正味2学期いっぱいが授業なので、各学期でエッセイを何本書かせるか、peer responseをどの時期から導入するか、などシラバスを設計するのも修正するのも自分のペースでできるのは喜ばしいことである。
授業が始まったら、順次このブログでも情報を流していきたい。