Thick As Ice

2025年12月19日 第94回全日本フィギュアスケート選手権大会
男子&女子シングル ショートプログラム観戦に行ってきました。
個人的にはフィギュアスケートでは久々の代々木第一体育館。

開場が11:30で、競技終了が21:50頃。
若い世代には想像できないかも知れませんが、年寄りがこれだけの長丁場だと代々木体育館といえども防寒対策は必須。
長めのコートではなく、ノーフォーク型のツイードのハンティングジャケットのインナーに、バッファローの裏ボアベスト。


REDSのコール天パンツのズボン下にはモンベルのGeo-line(保温だけして、吸湿発熱はしないやつ)の薄手。
Keenのアンカレッジブーツも久々に投入。

ブランケットは夕方までは折り畳んでクッション代りに。
今回は2階席で上の方だったので、双眼鏡は本業のロウイング(ボート競技)のコーチング時に使っていたものを持参。大活躍。
大きさは公式プログラムのA4サイズと比較。

トイレも、女子用ほどではないけれど男子用も行列になるので、水分補給はアンブレラマグにチャイを入れてチビチビと。
朝昼晩兼用の腹ごしらえは、朝東京駅で仕入れたまい泉のカツサンドのみ(三原舞依さんが今季で引退なのでね)。

私は競技中は飲食せずに、整氷休憩時のみにモグモグタイムにしていますが、最近はドリンクだけではなく、唐揚げやポテトを競技中に買って席に戻る人を見かけるようになりました。
競技終了後の退場も一苦労。代々木体育館から原宿方面もペンギンの群れの歩みのよう。
JR原宿駅はごった返し必至なので、表参道までイルミネーションの中を歩いて移動。

銀座線で新橋から総武快速に接続。
ちょうど日付が変わる頃に帰宅。

これを書いている時点では、既に男子のフリーも終わり、順位は確定しているのですが、現地観戦した男女のショートプログラムの振り返りをざっくりと。
男子SPは波乱に近いものだったかな、と。
若い方のグループは初めて見る選手が多かったのですが、第1Gで印象に残ったのは、蛯原大爺選手。岡島先生門下なんですね。
第3Gでは片伊勢 武 アミン選手。色気がある滑りでした。振り付けが宮原知子さん。
上位Gで安定的な滑りを見せたのは鍵山優真選手。現地の大型モニターでは、GOEの加点などは数値として示されませんが、4Sは高いGOEがついただろうと目視でわかるほどのジャンプでした。
私が今季期待している
・山本草太選手
・友野一希選手
・佐藤 駿選手
は今一つスコアを伸ばせず。
ジュニアの中田璃士選手は溌剌とした滑りで、ジャンプも成功させましたがスコアは渋め。
そんな中で、弾けまくっていたのが三浦佳生選手でした。今季のここまでは試合によって、さらにはショートとフリーで上手くまとめられずに、プログラムの変更も含めて踠いていた印象でしたが、この日はオープニングの4S+3Tからアドレナリンの放出とパフォーマンスのコントロールが噛みあった感じ。

整氷タイムを挟んでの女子は、第1Gから涙腺が緩んでいました。
1番滑走の山下真瑚選手は、俗に「漬物石」と呼ばれる資質に溢れているので期待していました。若干のミスはありましたが、宮本賢二さん振り付けの「アゲヒバリ」を堪能。最後にヒバリが舞い上がる絵が見えました。
今回の最年長、最多出場の大庭雅さんの登場では会場の空気が本当に暖かくなった気がしました。
そして今季限りでの引退を表明していた三原舞依さん。リンクインでは私の席の周りのあちらこちらで大きな声が飛びました。SPは『戦メリ』。双眼鏡で三原さんの表情を確かめましたが、私の目の前は涙で滲みそうでした。演技後とスコア発表で全力で拍手。
第2Gで鮮烈だったのは、何と言ってもジュニアの岡万佑子選手。凄いものを見せてくれました。
独創的な振り付けは村元哉中さん。素晴らしいプロを作っていただき感謝しかありません。
今、日本の女子のジュニアは3A(トリプルアクセル)を跳ぶ選手が複数いますが、この日の岡選手のジャンプの入りはステップを切ってカウンターから。実戦投入は初なのではないか、というものでした。

  • この入りでの3Aを私はどこかで見たことがあるぞ!

と演技終了後に思い起こし、検索したのが、ロシアの女子シングルトリオで活躍したコストルナヤ選手の3Aの入りでした。
Webに上がっているこちらを参考までに。

コストルナヤ選手の3A(+2T)

岡選手の3A

第3Gでは初出場の金沢純禾選手を生で見られて感激。伸び代しかないので、この場を思い切り楽しんでほしいです。

第4Gからは心拍数が大変。
千葉百音選手は、GPFからの立ち直りを感じさせる出来。フリーに期待です。
今季の私の推しの一人、渡辺倫果選手はジャンプが詰まり気味ながらも、ステップシークエンス(StSq)も含めてしっかりとまとめました。胆力ですかね。
ジュニアの世界チャンプ島田麻央選手は「別枠」。この演技を国内大会で見られるのはただただ凄いです。
会場での中井亜美選手の人気の凄さに驚きました。

そして最終G。
私の今季一推しの住吉りをん選手がコンボレスも含め力を出し切れずに終わり、キスクラを映すモニターを見るのも辛かったです。岡島先生、サポートをよろしくお願いします。

このGの最初に滑った、同じ岡島門下の先輩でもある樋口新葉選手の演技には唸りました。本当に「強い人」だなと実感。今季で引退を表明している彼女のSPの曲は “My Way” ですから、emotionalになるなという方が無理。そして、私の記憶にはない3S+3Tというコンボに単独の3Lzというジャンプ構成。初投入の構成で滑りきることの出来るセンスと身体操作には脱帽&落涙。

4連覇中の坂本香花織選手は「別格」。
女子シングルでの今の世代だけでなく、歴代女子の中でも「最強」でしょう。SP曲は “Time to say goodbye” ですが、フリーが終わって全日本選手権とのお別れになります。

その余韻冷めやらぬ会場の空気をさらに浄化するかのような松生理乃選手の演技に浸りました。
今季の私の推しの一人。というか、推しプロのひとつがこの松生選手のSP。ローリー・ニコル振り付けの昨シーズンのフリープログラムをただ持ち越すのではなく、SPに改編。生で “Rino Matsuike” のくるりンを見られて感激です。

最終滑走は青木祐奈選手。
昨シーズンからの継続のこのSPプロを目に焼き付けるために、この日のチケットを取ったといっても過言ではありません。
曲は

  • Adios Nonino

ミーシャ・ジーさんの振り付け。
昨シーズンの拙ブログでも取り上げています。

Just gorgeous!
tmrowing.hatenablog.com

私がこれまでに目にした数々の女子のSPのプログラム、パフォーマンスの中でも、ベストというか「最も美しい」ものの一つではないかと思える演目です。とにかく、一つ一つのストローク、一挙手一投足が美しく、音楽と調和しています。オープニングのコンボは青木選手の代名詞とも言える3Lz+3Loではなく、3Lz+2Tにしてきたところに、彼女の凄みを感じました。これまでなかなかスコアを出してもらえなかったStSqも、しっかりと滑り切ったところを見届けました。
個人的には、「もうちょっとスコアを出してよ!」と言いたい気持ちもありましたが、この全日本選手権初日の締めくくりが青木選手のこのプロで本当に良かったです。ありがとうございます。
私が、俗に言う「スケオタ」の仲間入りをしたのは、00年代に太田由希奈選手の演技を見たことがきっかけでした。そして、今でも私自身、太田由希奈選手の名プロの数々を振り返り、反芻していますが、会場やWebで若い世代が太田選手の素晴らしさを語るのを見聞きすると嬉しく思います。青木選手のこのSPのAdios Nonino、そしてフリーでのLa La Landも、新たな世代に語り継がれるのではないかと期待しています。

敬愛するスケオタのおひとりでもあるマークスさんの次のツイートに、私は即「いいね」を押しました。

本当に青木祐奈さんのアディオスノニーノは後世のスケオタにも語り継がれるであろうプログラムだと思う。もちろんLaLaLandも。
太田由希奈さんが未だにその卓越した美しさで定期的にバズるように、青木さんも何十年か経って、またその素晴らしさが伝播されていきそう。

2万回リツイートしたいくらい。

フリーは自宅でTV観戦です。今、これを書いている時点でもティッシュがどんどん消費されていき、鼻の周りがかさかさになっているので、カリンの化粧水で保湿に努めます。
スコアなど詳細は公式サイトから。

www.jsfresults.com


気になる語法は今日はお休みです。
本日はこの辺で。

本日のBGM: Today is the day (The Swiss Family Orbison)

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