今日から「共通テスト」。
これを書いている今は、そろそろ外国語(筆記)の終わる頃ですかね。
2日目もありますから、一喜一憂せず、心身の健康&安全第一でお願いします。
- The number of students who let a small mistake on the first day ruin the rest of the test is increasing.
ということにならないように。
ツイッター(今ではX)での「英語ニュース引用RT140字紹介&詳解」で、こんなツイートをしていました。
COVID-19パンデミック以降完全に定着した感のある
hospitalizations have risen のSV
the number of で単数呼応するでもなしhospitalizationsを限定する in number もなし。
複数形名詞で可算性が前面に出て、容認度が高まっていると考えられるけれど、これが波及する名詞がどこまで拡がるか要観察。COVID-19パンデミック以降完全に定着した感のある
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2024年1月13日
hospitalizations have risen のSV
the number of で単数呼応するでもなしhospitalizationsを限定する in number もなし。
複数形名詞で可算性が前面に出て、容認度が高まっていると考えられるけれど、これが波及する名詞がどこまで拡がるか要観察。 https://t.co/stUOUbjC4b
当該の英語ニュースの英文はこちら。
COVID-19 hospitalizations have risen for the ninth straight week while flu hospitalizations decreased for the first time in weeks, CDC data shows.
この語法の変化は、既に、2021年末には指摘していたことですが、そこからさらに2年でよりはっきりしてきたので再度取り上げる次第。
2年前の投稿。
この2年で大きく変わった語法としては
増減の表現
が挙げられる。とりわけcaseという名詞が増加の動詞を直接取る用法が定着した感がある。the number of casesとかいちいち言っていられない更新頻度が背景にあるのだろうか。case以外の名詞にも波及は感じられる。最早「変動する」と感じるならOK?この2年で大きく変わった語法としては#増減の表現
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2021年12月21日
が挙げられる。とりわけcaseという名詞が増加の動詞を直接取る用法が定着した感がある。the number of casesとかいちいち言っていられない更新頻度が背景にあるのだろうか。case以外の名詞にも波及は感じられる。最早「変動する」と感じるならOK? https://t.co/D7xjVAOvZb
当時取り上げた英語ニュースの英文は次のようなもの。
Dr. Sean O'Leary, vice chair of AAP's Committee on Infectious Diseases, shares tips with @GMA for parents of kids under age 5 as COVID cases rise and the vaccine for that age group is delayed.
President Joe Biden gives updates on COVID-19 as omicron cases rise across the country.
何がどう変化しているか、よく分かっていない人もいるかと思うので、「規範的な」書き方の例も示しておきましょう。
ふた昔前の入試英語ではこんな表現でした。
On present trends, the number of cancer cases is likely to double by 2020 with 20 million new cases a year.
現在の傾向では、がん患者数は2020年までに倍増し、年間2,000万人が新たに罹患する可能性がある。
the number of +複数形のcasesが主語で、動詞はthe numberに合わせて単数呼応。
英語ニュースからも引いておきましょう。
Sweden announces new restrictions as the number of coronavirus cases continues to rise.
このようにthe number of で増加・減少する対象をrise の主語として示すもの、とされていると思います。
The number of cases in which ambulance crews struggled to find where to take emergency patients in Japan hit a record high in the week through Sunday.
一見、増減の表現に見えにくいですが、hit a record high は「記録更新」ですから、既存の記録の超過&最上級を表します。その主語は、casesではなく、the number of cases。これも規範的。
The number of tribunal cases in which employees are alleging menopause related discrimination is on the rise.
https://twitter.com/BBCWomansHour/status/1466845205299187714
the number of で主語を立てるもう一つの規範的表現としては、動詞のrise ではなく、名詞のriseを使って… is on the riseとする、というのも規範的な書き方です。
このcasesに関わる語法の変化は、2年前の時点でも、英語を使うプロの方にも指摘してもらっていました。
確かに、the rise in the number of (the?) casesがthe rise in casesと表されることが一般化している。 via https://t.co/DhHZ5G45AU (Wikipedia)#英語 #実例 pic.twitter.com/YWytUz9ggP
— nofrills🍉文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など (@nofrills) 2021年12月22日
https://t.co/85G0J1mUIN 添付画像にあるthe rise in cases について、松井先生のこのスレッドを参照。 pic.twitter.com/ANwAII7qzt
— nofrills🍉文法を大切にして翻訳した共訳書『アメリカ侵略全史』作品社など (@nofrills) 2021年12月23日
本題に戻って、このcasesのように複数形名詞が直接数量や変化/増減の動詞を取る例。
ざっくり見ただけでも、増減の表現の変化の予兆くらいは感じられるのでは?
1,2枚目はCOCA。
コーパスのデータは2019年まで。つまりコロナ禍以前のもの。
cases 47位
deaths 58位
hospitalizationsは100位までに入らず。
3枚目はNOWコーパス。
昨日までのデータが反映されていることになっています。https://twitter.com/tmrowing/status/1745995997577409013
現在完了形の生息域で、過去分詞にどのような語が来るか?
2020を境に世界線が変わっているのが分かる?cases
hospitalizations
deaths
そして比較のために
births
の4つで確認。たとえざっくりでも、ここまで来れば、結構、見えてくるものがあるのでは?
https://twitter.com/tmrowing/status/1746004330040508748
この変化が、他のどのような名詞にまで拡大していくのか、目が離せません、よね?
現在の私の授業では、こういった実態には言及するものの、noteで公開している記事(写真の例文32のコメント)と同じく、
- 「本来は不適切」
という言い方で、ライティングの際には、in number などの増減を測る物差しを示すことを説いていますが、こういった但し書きは、書き言葉の語法でも、不要になる時が(すぐそこまで)来ているのだろうなぁと思っています。
本日はこれまで。
本日のBGM: ある愚か者の場合 (斎藤 誠)