♪もう一人お前がいる♪

tmrowing2012-07-26

連日高校野球の応援でスタンドから声援を送っています。
県の決勝大会。第1シードの面目を果たし、今日は準決勝を勝ち抜いて、決勝進出です。
決勝の相手は、なんと、同じ学校法人の兄弟校となりました。創立以来初とのこと。
勝てば20年ぶりの夏の甲子園だそうです。
応援団のバスで学校に戻ってから、着替えて帰宅。
今年は、本業でインターハイ出場がないので、こんな風に忙しい夏もいいですよね。
明後日も暑さに負けずスタンドで声援を送ります。

さて、
新刊となった『学習英文法を見直したい』 (研究社) では、各著者の推薦図書の囲み記事があり、興味深く読んでいます。このブログでの関連記事へのリンクを張っておきます。
末岡敏明先生の挙げていた、安田一郎 『NHK続基礎英語 英語の文型と文法』 (1970年) は、過去ログでもとりあげていました (写真付き)。

久保野雅史先生の薦める、毛利可信 『ジュニア英文典』 (研究社、1974年) は、江利川春雄先生のブログで写真入りで詳しく解説されています (http://blogs.yahoo.co.jp/gibson_erich_man/27151090.html) が、このブログの過去ログでも取り上げています。

最近では、

で、「動詞の意味特性」に言及したさいに、参照しています。

真野秦先生の薦める、朱牟田夏雄 『翻訳の常識』(八潮出版社、1979年) は、

で買い戻したことに言及していましたが、内容は引いていませんでしたね。そのうち、少し書こうと思います。
大津由紀雄先生の薦める、太田朗 『英文法・英作文---整理と拡充』 (研究社、1956年) は、昨年のシンポジウムの前に大津先生よりご紹介があり、江利川先生のブログで解説が載り、私も買い求めました。先日も、”marry” の語法で引用したところです。


今回の私の原稿執筆に当たっては、参考文献の方は、引用が可能なものは「絶版本」も含んでいます。一方、この囲み記事の方は、興味を持った読者の方々が、その後手にとることが可能なものを、と思いましたので、「絶版本」は避け、現在も流通しているものを2冊挙げました。
『英文法の問題点』 (研究社、1969年) は、改訂こそされていませんが、まだまだ現役で流通しています。
過去ログでは、

など、普段の授業で使っている様子も書いています。

「絶版本」でもいいのだったら、

  • 小西友七 『現代英語の文法と背景』 (研究社、1964年)

とか

  • 安井稔 『英語教育の中の英語学』 (大修館書店、1973年)

とか、

  • 五島忠久・織田稔 『英語科教育 基礎と臨床』 (研究社出版、1977年)

などなど、私ももう少し考えたんだけどなぁ…。

過去ログで直接は取り上げていなかったけれど、90年代後半、進学希望者対象の課外講習をしていた時に参考にしていたのが、

  • 福地肇 『英語らしい表現と英文法 意味のゆがみをともなう統語構造』 (研究社出版、1995年)

でした。当時生徒には『表現ノート』を作らせていたのですが、多くの生徒が新聞や雑誌などのauthenticな素材文を扱うので、現代英語の特徴を浮き彫りにしてくれることがあります。ある時、

  • an estimated + 複数名詞

という名詞句に関しての質問を生徒から受け、回答に困っていろいろなものを探していて、出版されたばかりのこの福地先生の著書に遭遇したものです。
そこでは、 「統語的調整」 (pp. 77 - 82) で、次のような実例をもとに、どのように「歪み」に対処するのか、指針を与えてくれています。

(4. 43) Last week, an estimated 5,000 people gathered at the ceremony.
(4. 44) An additional 3.6 million books were damaged by water.
(4. 45) For an arduous 3 hrs. 54 min., the cyclist pedaled up a hill.

この記述に感動し、その後、何度も読み返し、「潜伏命題」、「潜伏名詞化」など、目の前の「実例」をもとに、どのように頭を働かせ、解きほぐし、また元に戻すのか、を勉強しました。「目から鱗」というのは、このことか、というようなこの時の出会いがなければ、今「名詞は四角化で視覚化」などと言って、名詞の扱いにこだわった実践をしてはいないように思います。
今回、『学習英文法を見直したい』での、福地先生の論考 (「英文法と英作文」 pp. 217- 230) を読ませて頂いて、その力みなく流れるような筆致に、改めて、あこがれにも似た思いを抱きました。達人のレベルを思い知らされた感じがします。

明日は、通常の課外講座。といっても、野球応援で予定がかなりずれているので、振り出しからですね。

本日の晩酌: 三重錦・純米吟醸・中取り生・麹米「山田錦」50%精米・掛米「雄山錦」60%精米 (三重県)、天吹・純米吟醸・ひまわり・超辛口・生・酒こまち55%精米 (佐賀県)

本日のBGM: あこがれの地へ (どんと『一頭像』より、『ずいきの涙』収録、伊豆下田吉佐美大浜ライブバージョン)