小学校での英語教育政策がニュースになっていた。
SNSだと、「呟き」でこのニュースを取り上げている人は、かなりの数に上る。この方たちのうちで、「コメント」を付け加えている人も多いのだが、このコメントを眺めてみると、この国での「英語教育」が、世間でどのように捉えられているのか、ということが浮かび上がってくるように思った。
- https://t.co/JlypT6H7P2 (twitterの呟き一覧)
「世間」と「英語教育界」との温度差を実感できませんか?
次のような雑誌の特集はついこの間だったように感じています。
- 「小学校外国語活動」と「中学校英語」の連携を目指して (大修館書店『英語教育』2012年1月号特集)
- 2年目に入った小学校外国語活動〜小・中学校の現場から〜 (三友社出版『新英語教育』2012年9月号)
特集の執筆者にもなっているような専門家は、今回のニュースで報じられている「教育施策」の中身に対しても、何らかの情報発信が求められるように思います。ただ、いくらSNSが普及しているとはいえ、何でも、誰でも「訊かれたらすぐに答えてくれるはず」とは思わない方が健康的でしょう。
「小学校」での英語活動や英語教育について、正直な話し、ここ1,2年はあまり深く考えてはいませんでした。というのも、高校から大学への接続に絡んでの「外部試験」やら、「外部試験」やら、「外部試験」やらにまつわる喧噪で、それどころではなかった感じがあったから。
拙ブログの過去ログでは、7年前の記事で、
での、「公教育でのハロウィーンを題材にした外国語活動」の批判に始まり、
- http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20060915
- http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20060919
- http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20060926
- http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20060927
- http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20060929
と結構「実態」を捉えようとしていましたし、記事も書いていました。
その後、
では、『小学生の英語』 (国土社、1969年) を引いています。この本はもっと読まれるべきだったと思いますが、いかんせん、持っている人や所蔵されている図書館が少ないので、議論には発展しようがありませんでした。
その後となると、
での大津由紀雄氏のエッセイに触発される記事まで跳びますかね。
その合間合間にも、「私なりに」考えたことはあれこれと書いていますが、
の「第2回山口県英語教育フォーラム」の振り返りでも記した、「U先生」からの言葉を、折に触れ反芻しています。そもそもは、私のこのようなリクエストへの返信でした。
さらには、シンポジウムでは「新指導要領を越えて」と題して、私が司会をして、講師の方々のご意見を伺いますので、
「新指導要領のここがいい・大賛成」
「新指導要領のここはどうなのよ?!」
「中学校でできること・できないこと」
「中学校ですべきこと・しなくていいこと・するべきではないこと」
「中学校でしたいこと・したくないこと」
というようなネタをご提供願えれば幸いです。
で、こちらが、その返信 (のほんの一部)。
でも、いわゆる「先取り」は、小学校でも中学校でも大してしなくていいように思います。焦って先に行くよりも、4技能や文法の理解・習得などをスパイラルに深める方が大切だと思います。
「したくない」のは、「高校(小学校)の先生たちは…」と自分じゃない学校の先生たちのせいにすること!「よくわかんない」と言いつつ、こんなにここまで書いてきて思うのは、中学の先生は今教えていることが高校のどんなことにつながっているのか、高校の先生は今教えていることが中学のどんなことからつながっているのか、を意識して教えねばということです。そのためにも互いの授業や教科書を知らねば、と。これからは小←→中というのも加わってくるのですが。
ということで、告知をいくつか。
- 第6回山口県英語教育フォーラム 「教室の英語は、今…。」
絶賛受付中です。
11月16日 (土曜日) 10:00 -17:30
山口県労福協会館・大会議室
参加費無料
詳しくは、こちらのページで要項をダウンロード願います。
今年は、上述の「U先生」も登壇しますよ。
懇親会は湯田温泉付近にて会費制で行います。遠方よりお越しの方は、宿泊先の確保をお早めに!
次は、講演会。
「常時英心」で田邉祐司先生の紹介された、次のものに目が釘付けになりましたが、ちょっと行かれそうにありません。お近くの方は是非に!
講師: Dr Geoff Lindsey
Honorary Lecturer, University College London, President, English Speech Services
演題: The phonetic use of the self: the Alexander Technique and accent teaching
日本英語音声学会 (EPSJ) 関東支部特別講演会 早稲田大学共催
日時: 平成25年11月22日(金)18:00 - 19:30
会場: 早稲田大学(早稲田キャンパス)16号館 4階 409教室
詳細は、http://d.hatena.ne.jp/A30/20131015/1381784371 のブログを、
さらに詳細は、資料は、http://d.hatena.ne.jp/A30/files/Dr%20Lindsey%27s%20Talk%2020131122.pdf?d=download
でダウンロードできます。
アレキサンダーテクニークは、本業のrowingで、競技スポーツでの身体操作やコンディショニングという観点から少し勉強したことがありますが、音声指導ではどのようなアプローチになるのか、興味津々です。
最後は、私自身の発表。
「達人セミナー」の講師を務めます。
メルマガをとっていない方も、リンク先でバックナンバーを見ることが出来ます。
「英語教育の達人をめざして」
私も年末に博多(12月26日)、熊本(12月27日) で「達セミデビュー」です。
東京で働いていた頃に、FTCで何回か講師を務めましたが、「達セミ」で講師を務めるのは初めてです。よろしくお願いします。
採点天国も無事に通り抜け、平常授業に戻りました。
いつものように、ライティングのフィードバックをせっせと書いてから、未明の更新です。
本日のBGM: 明日の私 (竹内まりや)