「都立高校入試への拙速なスピーキングテストの導入に反対する」続報です。
tmrowing.hatenablog.com
この記事で紹介した1月13日の記者会見以降も、いくつかつぶやいていました。
東京都のスピーキングテストって、1020点のうちの20点分。合否を分けるに足るよね?
高校入試の合否を左右しかねない「スピーキングテスト」の採点にミスがあったときに対処できる準備を都はしていますかね?
企業の利益優先で情報が明かされない可能性があるんじゃないの?東京都のスピーキングテストって、1020点のうちの20点分。合否を分けるに足るよね?
— Takashi Matsui (@tmrowing) 2022年1月20日
高校入試の合否を左右しかねない「スピーキングテスト」の採点にミスがあったときに対処できる準備を都はしていますかね?
企業の利益優先で情報が明かされない可能性があるんじゃないの? https://t.co/VBS2jZIDpc
都立高でも少し前に採点ミスからの追加合格出ましたよね?
東京都立高校入試の採点ミス・追加合格者、48校の学校名を公表 | リセマムこういう対応ができるのは、手元に採点の記録たる答案が残っているから。
では、フィリピンに持っていった音声データとその採点記録は、いざというときにいつでも開示できるように「誰の」手元にあるの?
ミスはないに越したことはないけど、万が一大きな事故があったら「選抜」そのものをやり直しできるもの?
今は5年間の都の共同事業者を入札で決めてるけど、大きなミスで5年待たずに事業から取り消しになった後に、代わって入ってくる事業者の使う「テスト」ってまたプレテストやれるの?間に合うの?
https://twitter.com/tmrowing/status/1484123936925184003
そんなツイートをしてからしばらくして、京都工芸繊維大の羽藤由美先生のツイートで気付いたのですが、今回の事業で「スピーキングテスト」の得点を何故「調査書」への記載なのに、「得点」として外付けしているのか、が分かりました。
むしろ確信犯的に,この制度の圏外に置くために,スピーキングテストの成績は調査書に含めることにしたのかな?
— 羽藤由美 (@KITspeakee) 2022年1月20日
令和4年度東京都立高等学校入学者選抜における本人得点等の開示について|東京都教育委員会ホームページ https://t.co/LWnOT7yQkO
昨年の11月に、都からこういう通知がなされています。
www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp
開示を請求できる内容
1 学力検査等得点表(学力検査の得点及び面接、作文、実技検査等の得点)
2 学力検査における答案の写し
※ 推薦に基づく選抜では、答案の写しを開示請求することはできません。学力検査等得点表のみ開示ができます。受付期間
合格者と不合格者とで受付期間が異なります。1 合格者
全ての募集 令和4年5月2日(月曜日)から令和4年8月31日(水曜日)まで
※ 5月2日より前に合格者の方が申請しても、申請は無効となりますので、5月2日以降に改めて申請してください。
2 不合格者
(1)推薦に基づく選抜及び第一次募集・分割前期募集 令和4年3月3日(木曜日)から令和4年8月31日(水曜日)まで
(2)分割後期募集・第二次募集 令和4年3月17日(木曜日)から令和4年8月31日(水曜日)まで
(3)定時制第二次募集以降の募集 当該募集の合格発表日から令和4年8月31日(水曜日)まで
※ 上記の期間以外に開示を請求する場合は、東京都個人情報の保護に関する条例に基づいて請求する必要があります。
「調査書」記載事項は学力検査の枠外におくことで、「入試選抜」に当たっての情報開示の対象からは外しているわけです。
「入試選抜」以外の情報開示請求をするなら、こちらの制度に基づくことになります。
www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp
しかしながら、こちらの制度に基づいて開示請求をして、たとえ調査書が「開示」されたとしても、そこで出てくるのはAからFまでの6段階の記号だけ。
そして、生徒個人には「個票」が返却済み、という建前なので、情報を開示する側から「むしろあなたの方が詳しいのでは?」と言われるようなもの。
結局「採点の適否」は闇の中。
採点の公平性、公正性をどう保証するのかは、どうあっても、明らかにしたくないということでしょうか?
そもそも、「中学生に返却される個人票」にも、「スピーキングテスト」のどの問題への解答がどのように採点されたのかはわからないのです。出ているのは、スコアとランクと最大公約数的なCan-doの記述文抜粋。
2019年の個票は、星見都議が示したもので目にしたけれど、この時は210点がmaxのスコアのGTECもどき版。
100点がmaxという、昨年のプレテストでの個票の実物はどうなっているのか?
この事業、とにかく早急に明らかにしなければならないことがまだまだあります。
「理」のない「利」の追求は今止めないと、大変なことになりますよ。
※追記:関連記事の第三弾を後日書き加えました。こちらから是非。
本日のBGM: Stop in the name of love (The Supremes)