家庭訪問週間で、短縮授業。
今回の家庭訪問週間で、クラスの約半数が終了。
後半は、中間試験期間の午後の時間帯となります。何卒、ご理解のほどを。
正業の高3は、引き続き「診断テスト」で、扇の要となる、足場となる、「英語発想・英語表現」の学習。
今日は、41〜60番の「診断結果」レポート。
almostを繰り返し取り上げています。
42. たいていの日本人は黒髪だ。
Most Japanese (people) have black hair.
Most of the Japanese have black hair.
※ 「ほとんど」「たいてい」の整理。
※ 「日本人は」は、2.の復習。
※ almostの誤用に注意。となる場合は、Aにくるものを100%または0%とみなして、それに近いことを示す。「全か無か」の法則と覚えておこう。 ※ almostが形容詞を修飾する例 → almost full; almost empty; almost dead; almost finished
※ 副詞なので名詞は修飾しないというのは正確ではなく、修飾する対象を、どう見ているかという問題であることに注意。cf. 「ほとんど全員」→ almost everybody
では、everybodyは代名詞であるが、そのうちの “every” の持つ「全;100%」の部分を修飾して「ほとんど」と言っているのであり、「ほとんど全員(…ではない)」→ almost nobody
では、nobodyは代名詞であるが、そのうちの “no” の持つ「無;0%」の部分を修飾して「ほとんど」と言っているのである。
というようなことを、「日本語」で説明しているわけです。少ししてから、再度確認の「問診」です。
47.私の英語の先生はほとんど毎朝、英字新聞を読んでいます。
My English teacher almost always reads an English newspaper in the morning.
My English teacher reads an English newspaper almost every morning.
※ 42番と併せて復習。always; everyに着目して、「ほとんど」の語法を完璧に!
※ 日本語に「〜います」とあっても、習慣的な動作・行動は進行形ではなく単純現在形。
1年次に、「四角化ドリル」や、ホワイトボードで、うんざりするくらいやってきた、「時に関わる表現」「時の副詞節」シリーズも、3年次では運用が問われています。
56. 3ヵ月後にまたお会いしましょう。
I’ll see you again in three months.
Let’s meet again in three months.
※経過時間を示す前置詞 in。目安として、「現在」を基準でこれからの時間→ <in +経過時間>。(過去など)基準を示して→ <経過時間+ later>。
※ three months late だと「3ヵ月遅れ;3ヵ月遅刻 (遅配) 」という意味になるので注意。
cf. 「来週の今日会いましょう」→ Let’s meet a week from today.
※ 来週の今日 → a week later today; today next week
※ 先週の今日 → a week ago today; today last week
※ 10年前の今日 → ten years ago today
※ 英系の語法で、 today week があるが、文脈によって「先週の今日」なのか、「来週の今日」なのかが決まるので注意。57. 彼は、会議は金曜日まで延期しようと提案した。
He proposed that we postpone the meeting until Friday.
※proposeのように主節が過去形でもthat節中の時制を一致させず原形やshouldを用いる動詞群を整理。原形を使う人ははじめから原形を選んでいるのであって、shouldを省略している、というのとはちょっと違うように思います。
※意外なところで、 ask「請う;頼む」のthat節などもこの仲間。信頼の置ける辞書から例文を補充しておきましょう。
※「〜まで」で用いる前置詞の整理。「延」期すなわち、「引き延ばされて幅がある・そこまで続く」のだから、「線」で用いるuntilが適切。 cf. 「点」をイメージする、by = 「締め切り;完了」
で、またちょっと進んでは、「問診」です。金子稔先生の影響を受けている世代の受験生には容易なんですけれど…。
60. 家を出て5分ばかりたったところで、雨が降り出した。
It began to rain about five minutes after I left home.
※ 時間の前後関係の大きなまとまり、つながりをまず確認。
It began to rain after I left home. → という事実の確認は容易。
では、「出てからどのくらい後?」と考える。
※裏返しもできるように。
cf. 家を出る5分前に、彼女から電話があった
→ I had a phone call from her five minutes before I left home.
※ 基本は次のような語句で整理を!
昨日・明日 yesterday / tomorrow
一昨日・明後日 the day before yesterday / the day after tomorrow先週・来週 last week / next week
先々週・再来週 the week before last / the week after next去年・来年 last year / next year
一昨年・再来年 the year before last / the year after next
高2は、引き続き、長崎玄弥先生の教材から、「定義文」を拝借して、readingの基礎基本。1年次に扱った「名詞は四角化で視覚化」、「A of BでBのA」が本当に身についているかが問われています。とりわけ、「A of B」は侮れないのです。
- A dark column of wind that whirls around at a very high speed. It can suck up and destroy almost anything on the grounds in its path.
では "whirl" という動詞の「グルグルと回って捻れて」というイメージが持てているかが肝。
生徒には、「名詞の三分類は、ヒト、モノ、コト。でも、『モノとコトの境界線は時として曖昧』って言ってたよね」とヒントにならぬヒント。
- モノが捻れて捻れて捻れて…、モノモノモノモノモノモノモ…。
- 「ノモ?」
- そう「のも」。おい、このクラスは野球部 (員) いないのか?
- 野茂!
- 野茂と言えば?
- トルネード!
そう、「竜巻 (= tornado)」です。正当をいち早く得た生徒には、
- ご名答!
とtornadoの強勢のパタンが実感できるようなレスポンスを与えています。
まあ、定義を丁寧に読めば、答えのtornadoを思いつくのは簡単。でも、「意味が読めたら、言葉を読め!」ということで、関係代名詞の thatに代入すべき核となる名詞 (所謂「先行詞」) は、”column” なのか、それとも “wind” なのか?を考えてもらいます。生徒には、「悩んでおいて」と言ってあります。
- A large mass of ice formed by snow that does not melt. It moves slowly across land or down a valley. Long ago, it covered much of North America, Europe, and Russia.
の「氷河 (=glacier)」でも、thatに代入すべき名詞は? snowですか?iceですか?massですか?と問うています。ここでも、「悩んでおいて」と言い続けます。
- A piece of stone that looks like an icicle and hangs from the roof of a cave. It is formed by the dripping of water that contains lime.
と、「鍾乳石 (=stalactite)」で「ご当地ネタ」が来たところで、下準備は整ったように感じます。ここでの、 thatに代入すべき名詞は、英語があまり得意ではない生徒でも、やはり “stone” になると感じられるわけですから。
「四角化ドリル」での「名詞句の限定表現」が本当に定着しているかの確認であり、この2年次で折に触れアクセスし、見て、読んで、馴染んでいくことになる『前置詞のハンドブック』の導入でもあります。
四角化ドリルでの扱いはこちら。
私家版の『ハンドブック』では、of の基本義「そのもの→同格・同等」の発展として、
<同等→ [比喩的に] →『…のようなXX』 (映像的・劇的・詩的な効果を狙うことも多い)>
26. A mountain of a wave attacked the beach. 山のような津波が浜辺を襲った。
27. She is an angel of a woman to me. 彼女は僕にとって天使のような女性だ。
という項目を立てています。
忘れた頃にぶり返す痒みのように、「A of B」を取り上げます。
- The swift, sudden fall of a mass of snow, ice, earth, or rocks down a mountain slope.
当然、答えは、”landslide” なのですが、「A of B」で、名詞Aの中に「圧縮された用言」が感じられる時は、それを「解凍」してBに来ている名詞との「意味のつながり・関係」を考えるように言っています。
「名詞構文」などと仰々しい言い方はせず、ごく普通の表現として整理していきます。ここが上手くイメージできないと、downがいったいどこから繋がるのか、「話しが見えない」ことになります。fallという名詞 (=体言) から、fallという動詞 (=用言) を引き出せれば、
- B falls down C.
という「読み」ができますから、「絵」が浮かびます。
こんな風に、高2になってようやく、
- 名詞の三分類で、「もの」と「こと」の境界線は時として曖昧、と言われていたなぁ。
ということを「実感」するわけです。
今の1年生が、「四角化ドリル」に励んでいる時には、「虫の目」で森を行ったり来たりしているわけですが、その局所戦をことごとくモノにして、陣地が広がっていき視界が開けていく中で、あたかも「鳥の目」を獲得したかのような全体の「図面・絵図」が見える日が訪れると思っています。それまでは、
- 悩みどころで悩み、迷い所で迷い、躓き処で躓いて下さい。
というしかありません。
自分のクラスでは、こう言いました。
あなたの英語は今、何歳ですか?まだ、幼児レベル?乳児レベル?もし赤ちゃんを放置していたら、死んじゃいますよ。無責任ですね。自分のもう一つの言葉を育てるんですから、手間暇がかかって当然。言うことをなかなか聞いてくれないと言って怒ってもダメ。だって、それはあなたの「ことば」なんだから。
繰り返し転ぶ前に、まず、一回目は自分で起きあがっていたのだ、という発達段階における普遍性に誇りを持ちましょう。過去ログでは、随分と前に、タイトルでも問いかけていましたね。
さて、
先日のエントリーで冒頭に張った写真の補足。
「縦書き練習のポイント」はこんなワークシートで使用中です。DLしてご自由にお使い下さい。
「レバーファイル」と一緒に写っていた「辞書」ですが、
- Chambers Student Learners’ Dictionary: For intermediate learners of English
という新しい(と言っても2009年ですが)学習用の英英辞典で、 “CLIL” に最適、という謳い文句にまんまとそそのかされて購入したモノです。辞書は使ってナンボ。癖が分かって来るにも、もう少し時間がかかるものだと思いますので、レビューは気長にお待ち下さい。
本日のBGM: Ghost of a chance (Garland Jeffreys)