I saw her standing there.

日々の実作で悪戦苦闘。
商業科2年は、「仕込み」から「教科書プリント」への橋渡しを経て、「物語や登場人物の説明で用いられる現在時制」を確認するべく、 “First Dictionary of Cultural Literacy” から、お話を二つと、登場人物 (?) を2名 (?) 分、転記して印刷し、クイズ形式で。

[ 1 ] is a fairy tale about a beautiful princess who is put under a curse that makes her sleep for one hundred years. When a handsome prince finds her and falls in love with her, his kiss releases her from the evil spell, and she awakens.

[ 2 ] is a children’s story about three pigs who leave home to make their own way in the world. The first one builds a house of straw, the second a house of twigs, and the third a house of bricks. A wolf comes along and is able to blow the first two houses down, but the third is too strong, so the third little pig lives happily ever after.

[ 3 ] is a toy bear who is the main character in several books for children published in the early 1900s by the British writer A. A. Milne. The author’s son, Christopher Robin, is also a character in the books.

[ 4 ] is a comic book hero who has also appears in television shows and movies. He can fly, run faster than a speeding bullet, and leap tall buildings in a single bound. He uses these superhuman powers to protect people from evil and injustice.

実際に教科書本文で出てきた用例は、

  • She (= Katarina Witt) showed a strong-willed girl, who never gives up her hope.

というものなので、たいていの高校生用教材は、「非制限用法の関係代名詞」に焦点を当てるのだろうけれど、私はそれほど重視していないし、自分でも学べる教材がいくらでもあるから、「どんな時に現在時制を用いるのか」という具体的な「モノ」とか「ネタ」、「ジャンル」や「テクストタイプ」に触れてもらうことを選択。目標はクラスの2割の意識改革。

とはいえ、大多数の生徒は、語句が覚えられない、発音がきちんとできないという段階をクリアーできていないので、とにかくこまめに「仕込み」に戻っては、教科書プリントの活用。この時期は、インフルエンザ対策にも配慮しなければならないので、ペアを次々と替える対面リピートは封印しているため、悩ましさも倍増。
今週の復習では、前時に教科書プリントでの音読を終えたところで、語句の「仕込み」プリントにもどって、自分の達成度・定着度を、 “Read & Look up” などで自己評価させてから、プリント裏面の罫線が印刷された頁を使って、1文のディクテーションへ。

  • She expressed the cruelty and the ugliness of war.

ペンを置いて、3回聴いてから、ペンを取って書き出す。その後、2回同様に聴いて、加筆修正。で、「仕込み」のプリントに戻って、フレーズの纏まりを確認。本文の読み取りに入る以前に、

  • 21.   戦争の残酷さを表現する express the cruelty of war
  • 22.   戦争の残酷さと醜さ the cruelty and ugliness of war

の「日→英」マッチングは終えているにもかかわらず、大半の生徒は、その二つの足し算になるときちんと書くことが出来ていないもの。まあ、平均的な高校生の姿でしょう。ただ、そのままで済ませる訳にはいかないので、仕込みの精度を高めて、足し算や因数分解 (とその展開) を繰り返して、自分がきちんと書けなかったディクテーションの英文へと辿り着く「道筋」を確かめる活動。教科書プリントで折って下になっている隣の頁にも、表面にも、英文は印刷されているので、そこを「チラ見」すれば、自分に書けなかった部分などは、当然すぐ分かる。でも、そんなことをして赤ペンで書き足しても、自分の頭の中の英語表現のストックは整理されないし、意味の順で語を句に、そして句同士を繋ぐ原理原則、並べて文を作る原理原則は身につかない、ということをしつこく説いています。
この点では、進学クラスでもまったく同じで、次のように話すことが多いですね。

  • 頭の働かせ方に不備があるのだから、勝手はいけない。目的地の場所をいくら赤で印を付けたところで、あなたの「ナビ」では、そこまでの「地図」そのものが間違っているのだから、「地図の書き直し」をした上で「ルート」を記録していかないとダメ。コンピュータで「OSのアンインストール」と「再インストール」をするように簡単にリセットというわけにはいかないのです。

理解にも定着にも時間はかかるものですが、「できないから再テスト」を繰り返しても、「テスト」でできない経験を強化するだけの場合が多いので、授業中に時間を取り指示を徹底する、というか、指示を「効かせ」て、実際に私の目の前で活動させ、自分が何をやっているのかを自分でモニターさせることの方が多いです。よく、「Fast learnersをふきこぼさない」などという人がいますが、陸上部の部活を例にとって考えれば、練習のために競技場へ移動するバスには、短距離選手も長距離選手も一緒に乗り込んで、別々に練習しても練習後は一緒に帰ってくるものなんですから、教室での学びで、「速い」「遅い」を気にし過ぎるのも如何なものかと思います。それよりも「教室の真実」を一瞬でも経験させることの方で頑張ろうというのが私のスタンスですね。そこができれば、なんとかなるんじゃないでしょうか。いや、本気で、そう思ってますよ。
進学クラスの高1は、恒例の企画、

  • 公立高校入試問題全国縦断リスニングテスト制覇の旅

昨年度の生徒、つまり現高2生が授業で扱った北海道、青森県、岩手県の2011年の出題例とその書き換え版を用いて、どのような「学び」が求められているか、「英文の繋がりと纏まり」とはどういうことか、そして、今年度、誇張無しに、数百回は言われたであろう、

  • 英文を生き直しなさい。

ということばと向き合うことを求めています。
今年の1年生は、3ヵ月くらい遅れてこの企画に入りましたが、先程も書いたように、速いとか遅いとかを越えたところで、学びに浸れないとね。青森県の出題例を扱っている時に良いセンスを発揮してくれた生徒もいます。

  • Hello. Oh, your dog ….

の部分に聞き取りだけで違和感を覚えられれば、第一関門突破と言えるでしょうか。 (英文は、過去ログ参照→ http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20111128)
岩手県の出題例 (http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20111129) でも、聞き流してしまいやすく、設問では決して問われることのない、予定調和というか、「ご都合主義」的な文章となっている部分があります。そういったところは、一回自分でその英文内容を引き受けて「生きてみる」段階を経て、初めて丁寧に「生き直して」、ことばとして、そこに命を吹き込むことが可能になるのだと思っています。この出題例の英文で言えば、

  • But I loved the beautiful nature of Iwate the best of all.

と、「自然の美しさ」を絶賛したことが、

  • Since then, working as an English teacher in Iwate has been my biggest dream.

と「岩手での英語教師志望」の理由になるあたりに、胡散臭さが漂っています。確かに、英文が長いと、聞き取りでの集中力が途切れてしまうことでしょう。注をつけることが難しいので、使用できる語彙や構文も限られてしまうことでしょう。でも、その中でも、「生き生きした」英文を紡ぐことを目指したいと思って、自分の実作に励んでいます。

進学クラス高2は、「リーディング」の教科書の英文と、そのオリジナルとを読み比べて、

  • 短く “trim” したからといって、分かりやすくなる訳ではない。むしろ、刈り取られた部分にこそ、重要な情報が伏線として張られていることもある。

という展開。
iPad miniを導入してはみたものの、教室のモニターはHD対応ではないので、映像は流せず、音声だけで、『はじめ人間ギャートルズ』のエンディングテーマを聴いてもらった。机間巡視をこちらがするのではなく、生徒に液晶画面を見せるためにグルグルと回って、登場人物の「外見」を確認してもらって、オリジナルの英文へ戻る。
教科書では刈り取られたが、原文には必要不可欠だったこちらの英文。

Clothes often have an even shorter life span because they’re generally appropriate for just one season of the year, and by the time that same season rolls around in the following year, fashion has changed and the previous year’s outfit doesn’t look quite right.

という前段落での、最重要具体例を刈り取っておきながら、

  • How did we get into this situation? Has the world always been this way?

での、 “this” で具体的内容を纏めて引っ張っていこうというのは無茶。で、 “Of course not.” の後も、重要な情報が抜けてしまっている。

Can you imagine a Stone Age woman looking through a magazine to see what brand of designer animal skins is “in” this year? Or her husband going to the Super Megastore to drool over the latest wooden clubs?

先程、液晶画面で見た登場人物を思い起こして、再度英文を確認。
残り時間が少々余ったので、日本のメジャーなアーチストがライブでカバーしたバージョンも聴いてもらって本日は終了。次回は、新しい課を扱って、「リーディング」は一区切り、ようやくというかとうとうというか、「英語II」の教科書に入ります。

帰宅すると、ステレオで "GHTG" がかかっていた。妻がCDラックで私のCDを発見して気に入ったらしい。良い趣味だと思う。

夕飯は、美味しい豆腐を買ってきてもらえたので、リクエストで、青春の思い出の、あの店の「カツライスの上」と「豚汁」を再現してもらいました。涙腺を刺激する味ですね。
録画してあった『相棒』を見てから、寝ようと思ったところで、NYショック!
ランキングに変動はあるかな…。
すぐには寝られず、Ustで告井延隆さんの「ひとりビートルズ」を見て、いつもよりかなり遅く就寝。

本日のBGM: For no one (告井延隆のひとりビートルズがやってくる via Ustream)