”I was made that way. I can’t help it.”

日々の実作。
商業科2年は、レビューとしての語句の仕込み<連語>の自己ウォームアップから。
2分で、日→英を確認。
3分で、ペアで、日→英を2題続けて出題。即答できなかったものは、対面リピートで言わせてから、先攻後攻交代。で、最後までを目標に。
2分で、自分の出来不出来を振り返り、スラスラ口をついて出てくるようになった2つのフレーズを選んで、Read & Look up からFlip & Write。
その後、2分以内で3回、縦書き練習の際も、Read & Look up をしてから一気に纏まりを書く。1フレーズ1分で、3回書く訳なので、1回20秒以内で、読んで書くことになります。
仕込みの精度が上がったところで、本文の理解。読解と聴解と両方で。
私の範読を聴きながら、本文を目で追う。まあ、このあたりがもう、簡単すぎて、速く先に進んでよ、と思う人は、「フレーズ順送り訳」を見ながら聴けば良いわけです。私の言い訳です。
インフルエンザなどで1週間授業から離脱していた者などのために、先週終わっていた、「句強勢」「発音と綴り字」の確認。で、今日は、「文の中での調音の精度」。対象英文は、

  • But I believe I can give some beautiful present to people through my performance.

舌先に注意する音と、唇に注意する音とを色を変えたり下線を引いたりして板書。
で、チャンクごとに練習。

  • but I

  • I believe

を足して、

  • but I believe

が適切なリズムで、/b/ が正確な調音で、破裂になるように姿勢と呼吸も確認。
以下、

  • I can give
  • give some beautiful present
  • some beautiful present to people

まで広がっても、唇を閉じるところはしっかり閉じて、舌先が強く天井を支えるところは支えて。

  • performance
  • my performance
  • through my performance

と、切り出しを変えつつ、-th- に気を取られて、/n/ の舌先が弱くならないように調音の精度を要求して練習してから、

  • give some beautiful present to people through my performance

と大きなスパンでgiveという動詞の意味順、<キャッチボール>の確認。
で、「フレーズ順送り訳」で、「ワニ」を確認させて

  • I can give some beautiful present to people through my performance

が、埋め込まれていることを押さえつつも、左から右へと、順送りで、意味を

  • But I believe I can give some beautiful present to people through my performance.

というように音声化。
スラスラ言えるようになったら、Read & Look up。次に、Flip & Writeへ。

進学クラス高1は、「リスニングテスト制覇の旅」で、北信越で長野経由で静岡まで。
原則、モノローグのみを扱っているのですが、高校入試のリスニングテストで出題される英文は、生徒や留学生のスピーチや、ALTの着任離任の挨拶などで自分の体験・思い出を語る「ナラティブ」が多いわけです。では、本当に英語の「ナラティブ」の流儀に適っているか?語彙の制約、構文の制約だけの問題ではないように思えます。

Last month, we had a school trip to Kyoto for 3 days. 160 students joined the trip. The weather was fine on the first day, but it was rainy for the other two days. On the first day, we visited a famous place, Nijo-jo. It was great. On the second day, we went to old temples in small groups. My group was going to walk to a temple, but we changed our plan. We took a bus to get there. That temple was far from our hotel, and we didn’t want to walk a lot in the rain. On the third day, we went to a museum to learn about the culture of Kyoto. We enjoyed the trip very much. (120 words)

Last year I went to a small town in Australia and stayed with the Brown family for two weeks. They had a big farm around their house. They had some kinds of fruits on the farm. Sometimes I saw some Australian animals there. I visited an elementary school four times. My classmates were very kind. I was surprised to know that they had “fruits time” from 10:00 to 10:20 every day, and they could eat some fruits from home, for example, bananas and apples. I enjoyed “fruits time” together with them. (91 words)

どちらが「ナラティブ」として整っているか、明らかです。最初の英文は静岡県での出題、後のは長野県での出題です。30語ほど、長野県の英文は短いわけですが、必ずしも分かりやすくはなっていません。情報の羅列感が出過ぎています。確かに、日本で学ぶ中学生は、このような英文を書きがち、語りがちです。しかしながら、入学試験のリスニングテストで課す英文としては些か問題が多いように思います。
授業では、設問に答えた後、いつものように、私の範読に続いてsentence repetitionをしてから書き取ることにしていますが、生徒は長野県の英文で難儀しました。どの英文だったかわかるでしょうか?当然、一文として異様に長い、

  • I was surprised to know that they had “fruits time” from 10:00 to 10:20 every day, and they could eat some fruits from home, for example, bananas and apples.

は苦労しますが、それよりももっと短い、オープニングの、

  • Last year ….

の文です。設問のトガキに「順子さんがホームステイの思い出についてスピーチします」などという文言があればいいのでしょうが、いきなり、

  • I went to a small town in Australia

で、しかも、

  • stayed with the Brown family for two weeks

ですから、話形に忠実な「マジメ」な生徒ほど主題を掴まえるのに苦労するように思います。
英文が短いから容易で長いから難しいとは一概に言えないことがよくわかる例だと思います。
私の教えているこの高1生も来年度は、「ライティング」のコマがありますから、

  • 「語り」の英文として、学ぶ意味があるのは、静岡県の方。

ということはしっかりと伝えておきました。この後、音読をする中で、スカスカなところに気づき、ギャップを埋めるとしたらどういう言葉が必要か、本当に言いたいことはそれでいいのか、と英文とのやりとりを自分で進めることが「生き直し」にとって必要な作業となります。
昨年度の高1での「生き直し」の様子はこちらなどで。 (http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20111201)

進学クラス高2の「英語II」は、Evelyn Glennie。
過去ログにもあるように、私のクラスでは、ballではなく、bowlに直して読ませています。

生徒にも、この過去ログを印刷して配布。
iPad miniで「画像検索」した、timpani を見せ、さらに “the ball of *” と “the bowl of *” の画像検索も概観。で、本文の読みをきちんと。
語彙で焦点を当てたのは、 『前置詞のハンドブック』では、「等価交換」の for で扱っている例文と確認させた英文

  • Evelyn gives a lot of credit to her elementary school teachers for encouraging her to take drum lessons at the age of 12.

に含まれていた、

  • credit

日本語の片仮名で定着している「クレジット」ではなかなか「実感」が掴めない語なので、学級文庫の辞書引き作業。英英での定義も含めて、「寄れば息遣いが聞こえる」「触れば体温が感じられる」「斬れば血が滲む」用例の採取。
私からは、

  • credit ≠ blame

とだけ書いて、調べてもらいました。
多くの辞書では、

  • praise

を用いて言い換えていますが、類語辞典では、

  • thanks, gratitude
  • respect, tribute

なども見られます。
Oxford 系の学習英英、LDOCEや、Macmillan、Cambridge, Chambers’ などなど、白板に書き記された定義に加えて、最後の生徒が定義説明を書いていく時に、文字通り、ちょっと唸りました。

  • If you get the credit for something good, people praise you because you are

と、be 動詞が書かれて、次の形容詞は何だ?という次の瞬間、

  • responsible for it, or are thought to be responsible for it.

そうです。responsible です。日本語訳の「責任を持つ」という語感ではやはり英語の「肝」は掴みきれないでしょう。しかも、areでの断言と are thought to be での評価との対比。まだまだ英文修業が必要だと思い知らされたのでした。
卒業式に向けて歌の練習もしているので、この時期の歌と言えば、

  • 洋菓子じゃなくて、何?

と振って、

  • 我が師の「恩」

という我々の文化に深く根ざした言葉との対比をして本日は終了。
私が授業を進める言語は基本的に日本語ですし、グローバル時代の英語などということは全く気にしていませんので、参考にはしない方がいいと思いますよ。自分に出来ることの精度を高め、「ことば」というものに誠実に授業をするだけです。


FBからの情報で、Kevin Ayersが亡くなったことを知る。
どうしても、元Soft Machineという形容がつきまとうのだろうが、個人的には、ソロというかその後の楽曲の方が断然馴染みがある。アレックス・チルトンが亡くなった時もかなりショックだったが、今、これを書いている最中にも目頭が熱くなる。
成功や栄光を追い求め、上り詰めるような「志」とは無縁の、純粋に音楽を愛し、歌や演奏を楽しんだ人だったのではないかと思う。合掌。
ジョナサンは大丈夫かなぁ。

本日のBGM: Falling in love again (Kevin Ayers)