温玉

tmrowing2012-06-09

正業関連の告知から。
まずは、研究社の近刊。昨年9月に行われた大津由紀雄先生の『学習英文法シンポジウム』の登壇者に各方面の一流の研究者、教師も加わり総勢20名での単行本。登壇者とはいえ指定討論者だった私にもページをもらえたこと、一流、本物と一緒に仕事ができたことに感謝。

http://www.kenkyusha.co.jp/purec/#ISBN978-4-327-41080-3

ELEC (英語教育協議会) 夏期研修会。
私も受講したい講座がたくさんあります。
手島良先生の「英語の文字の指導法」は7月30日です。
私の講座も8月15日の午後の部にあります。「受講希望者はこのブログを読んでおいて下さい」とお願いしたのは、高校新課程の「英語表現」のモデル授業を示すことなどは全く考えていない講師が担当する講座なのだ、ということを確実に伝えたいからです。「これを英語で何というか」をただ示すだけでなく、いいたかったけれどいえなかった表現とどう出会い、どう向き合い、どう身につけるか、ということをこそ一緒に考えたいと思っています。お盆の時期ですが、宜しくお願いします。

教員研修全体のページはこちらですが、「夏期英語教育研修会」の「内容詳細」をクリックすると音が出るので注意して下さい → http://www.elec.or.jp/teacher/teacher01.html
各講座の概要だけをダウンロードしたい方は、こちらから→ http://www.elec.or.jp/teacher/kensyukai.pdf

週末の霧雨の中、本業へ。
コースは貸し切り状態だったのだが、艇の破損でやむなく揚艇撤収。これからの事を考えると頭が痛い。まあ、しばらくは、1Xなんだけど。
帰宅後はビデオ撮り用の授業案を練り練り。
10分程度しか使わないらしいんだけど、生徒の顔が映るのはまずいのだろうから、対面リピートとかイカソーメンはできないなぁ、ディクトグロスやっているところを見ても面白いだろうか、などと考えていて、一つ浮かんだのが、

  • チャンクの切り出しを変えた、リピーティングでのバリエーション。

「チャンクの切り出しを変える」ということで何を意味しているかは、過去ログ

http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20050624
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20061230
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20090720
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20110610
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20111013
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20111126
http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20120207

あたりを参照されたし。

backward build-upが注目されているらしいのだけれど、本当にチャンクを自分のものにするには、「語が句」になるところでの頭の働かせ方を自在に操れないとダメだと思うので。まさに「語学」の肝。
中3から高1レベルの素材文を準備しておきたい、となればやはり「公立高校入試問題」。いや、ここで自校入試問題を使うのもアリだな。せっかく作ったリスニング素材の使い回しにもなるし。
少し光が見えてきた。明日、学校に寄って資料と音源をとってこなければ。

今日の読み直し、学び直し。

  • 竹林滋 『英語のフォニックス---綴り字と発音のルール---』 (ジャパンタイムズ、1981年)

これは恩師竹林先生の残したフォニクス概説書。文字習得の発達段階を自分の頭でもう一度考え整理するために基本に立ち返ります。

  • EFL Oral Approach Charles Carpenter Fries: His ‘Oral Approach’ for Teaching and Learning Foreign Language, Moza English language Consultants

これは、1985年にGeorgetown大で開かれたシンポジウムを元に編集されたものらしい。恥ずかしながら全く知らなかった。それから、四半世紀。CLTを経て、SLAの「最新の」知見が教育現場に取り入れられている一方で、「インプット、インテイク、アウトプット」という用語だけが都合よく使われる教材が蔓延し、「パタンプラクティス」の本質を学びもせず、適当に基本例文の語句を入れ替えて「新たな」例文を学習者に提示して喜んでいる現状を見聞きすると、ELECに関わる者として読んでおかねば、という思いが強くなり、手に取ったもの。70ページ足らずで抜き刷りの小冊子という体。終わりの方のDiscussionでのDiane Larsen-Freemanの3ページにも及ぶ「ことば」が印象に残った。ELECに関わりのない人でも、志ある人には読んで欲しいと思う。

本日のBGM: IDEA (KAN)