働き蟻は啄木の夢を見るか?

週明けの正業スタートは進学クラスのみ3コマ。
高3ライティングは、narrativeの仕上げ課題から、時の副詞節・副詞句の関連表現総まとめへ。文法事項で習熟が求められる表現を全て、今回のnarrative課題の「トピック・話題・物語」に関連付けて作成してあるので、それぞれの英文のイメージ化が容易になるだろうという思惑です。GWTの例題も含めて、ここまで扱ってきた英文を漏らさず仕上げて下さい。期末試験では、当然、同じものは書きません。同様のスキルを求められるパラレルな課題が用意されていますので健闘を祈ります。

高1は、いわゆる「分詞」を扱ったので、「不規則活用する動詞」の根底理解へ。ここまで、規則変化動詞の過去形→動詞の –ing形を扱いながら「フォニクス」の基礎基本を仕込んできましたが、いよいよ不規則変化。「音」と「文字」の観察力が問われるのは今までと同様ですが、まずは、「意味」が覚えられているかどうかです。動詞を実感を伴って覚えるにはやはりチャンクか例文となるでしょう。
日常基本的な動詞の多くが不規則変化をします。その動詞の典型的な用例を辞書で確認しようとした時に、<現在形>でしかも<一人称・二人称主語>や<複数形の名詞の主語>だけとは限りません。
これは辞書の記述で比較してみるとよく分かると思います。
たとえば、growという動詞を『初級クラウン英和』、『グランドセンチュリー英和』 (ともに三省堂) で引き比べてみると、そこで示される用例、そしてその示し方が、あきらかに習熟度の差を表していることがわかるでしょう。
意味を実感として理解させようと補充・補足する用例が、本当の意味で「補」えているかどうかは、この動詞の時制・活用に習熟しているかどうかにかかっている、という「コロンブスが先か、ニワトリが先か」というジレンマとなる訳です。
ということで、明日は、不規則変化の音と文字を体験した後で、初めての用例収集の旅に出ます。まずは「日本文での用例作成から」ですが、高2の教室から辞書を移動しておかないと。

高2は宿題となっていた「生き物定義文のなぞなぞ」から。
読んでいくうちに答えが分かるように文を構成してくれているので、大事なのは、そのあとしっかりと「ことば」を読み直すこと。以下用例は全て長崎玄弥『奇跡の英文解釈』(祥伝社) より。

A kind of elephant that lived long ago. It had long, curving tusks and shaggy, brown hair. It was larger than an elephant that lives today. This word is often coupled with Tokyo to describe its enormous size.

が “mammoth” ということは容易にわかるので、定義文での関係詞節中の時制の対比で、「すでに絶滅している種」であることがわかる、ということ、この応用で、すでに個人となっている有名人の説明も可能であることを指摘。「その人の作品や影響は今日もなお生きている、が、その人はもうこの世にいない」ということが時制で表せる、という意識を持って、学級文庫を読むべし。
他には、andのペア、並列の処理。

A very large, heavy animal with short legs and thick hairless skin. It lives in and near rivers and lakes in Africa. In spite of its giant size, it is gentle by nature and eats plants.

これは当然、 “hippopotamus” だが、 “in and near” と “rivers and lakes” のマトリクスを実感すること。

A furry, chubby animal that lives in Australia. It has large bushy ears, a black nose, and no tail. It lives in trees, and the female carries her young in a pouch.

という他愛のない定義で、“koala” ということを確認したら、要素の列挙で、「ない」ものを置くとしたら、最後、ということを指摘。noがどの語を修飾するのか、andとorの使いわけ、など勉強になる一文。

A bird that has a round head with large staring eyes and hooked bill, a short square tail, and soft feathers. It usually hunts for food at night, and it lives on mice, frogs, snakes, and insects.

“owl” の定義文だが、第一文の二つのandをきちんと処理できているか、頭の中に映像を思い浮かべろ、という話し。当然、has の目的語が、<A, B, and C>で、そのうち、 Aが <A with 1 and 2>となっているわけだが、L板スライドですぐにわかったか、そして最終的に、耳で聞いても同じ処理ができるか、を自問自答。それができるような「音読練習」をしましょうと締めくくり。
「英語は英語で」の前に、または並行して、やっておかなければならないことは多いのです。

本業はオフ日なので、比較的早い時間に帰宅。
先日の記事で、新課程の「混み英」じゃなかった、「コミュニケーション英語 I」の教科書で取り上げられていた「アリの行列」の英文に言及していましたが、「アリの生態」に関連して、David Feldmanのシリーズの中の一冊、 “Are Lobsters Ambidextrous?” に次のような英文を見つけたので備忘録代わり。

  • What happens to an ant that gets separated from its colony? Does it try to relocate the colony? Can it survive if it can’t find the colony?

に対する回答です。(pp. 44-45)

As we all learned in elementary school, ants are social animals, but their organization doesn’t just provide them with buddies---it furnishes them with the food and protection they need to survive in a hostile environment.
All experts we consulted indicated that an isolated worker ant, left to its own devices, would likely die a week or two before its normal three-week lifespan. And it would probably spend that foreshortened time wandering around, confused, looking for its colony.
Ants help each other trace the path between food sources and the colony by laying down chemical trails called pheromones. Our hypothetical solitary ant might try following pheromone trails it encounters, hoping they will lead it back home. Worker ants in a given colony are all the daughters of the original queen and can’t simply apply for admission to a new colony. (以下略)

本日のBGM: Through Your Hands (John Hiatt)