come
[1] VERB
When a person or thing comes to a particular place, especially to a place where you are, they move there.
という定義に続いて、
紙版では
[V prep/adv] Two police officers came into the hall.
[V prep/adv] Come here, Tom.
[V prep/adv] You’ll have to come with us.
[V] Can I come too?
[V v-ing prep/adv] The impact blew out some of the windows and the sea came rushing in.
[11] VERB
If a thought, idea, or memory comes to you, you suddenly think of it or remember it.
[V + to] He was about to shut the door when an idea came to him.
[V to n that] Then it came to me that perhaps he did understand.
アプリ版ではこうなります。
come [11]
先程の定義は when でしたが、今度は if になっていることに注意して下さい。when が「あるある」での通常営業だとすれば、ifは「いつもとはちがって…だとすると」という条件設定のスペシャルな状況です。それでも、主語には「人」ではなく、「考え・考え・記憶」がくるということがわかります。悩ましいのは、thoughtという「考え」とideaという「考え」が担う意味の分担が初学者にはよくわからないことです。
二例目の記号付けと用例との照らし合わせは少々面倒です。
ここでの nは名詞句のひとかたまりを表します。そして、その名詞句にthat節が後続する「見た目」になることがわかります。
用例に当てはめると、
V + to n 「時制をもったcome の後に、前置詞 to 、さらに名詞句が続く」というのですから、
it came to me と代名詞のmeがtoの後に続き、さらにthat節 (that perhaps he did understand) が続いています。
I’m going to have to explain to them that I can’t pay them.
という例がCOBUILDには収録されています(前置詞 to のエントリーです)。
ここでのexplainは助動詞have to の後ですから、動詞の原形になってはいますが、その使用環境は
[v to n that] ということになるでしょう。
vがexplain
to+名詞句が to them
そしてthat節のまとめる内容が、I can’t pay them
「あれ?何か違うぞ!」と感じましたね?
そうです、come to 人that 節の場合の用例として、主語に来ていたのは it でした。
日本で広く用いられている(であろう)文法用語でいえば、「形式主語」にあたるものです。そして、that節の内容を予告する働きをしています。explainとは異なり、あくまでもcomeは「自動詞」として使われているのですが、COBUILDのこの第9版では、しつこいようですが動詞の分類に自動詞・他動詞を区別する表記法を採用しなくなりました。
それに対して、explain「説明する」は他動詞で、しかも人ではなく、「ことがら」を目的語にとる動詞ですから、誰に対してその説明をするのか、と「人」を示すためには前置詞の to が必要となる、というわけです。
二つの動詞の由来も、ふるまい方も異なるわけですが、見た目には同じ記号が付くことになるわけですね。旧版では、形式主語などで用いられる代名詞の it には、「予告のit」として、it という記号を当てていましたが、それがなくなりましたから、先程の explainで見たような、純粋な(?)名詞句と、形式主語などの it を動詞型の中で見極める目安となる記号がないということです。
このような現象が、そこかしこで生じるため、COBUILDでの文型・動詞型の記号付けを適切に処理して、例文の意味を的確に理解するためには、やはり最初の「文による定義」を丁寧に読む必要があるのです。
comeからもう少し気になる例を見ておきましょう。
[15] VERB
If someone or something comes from a particular place or thing, that place or thing is their origin, source, or starting point.
[V + from] Nearly half of the students come from abroad.
[V + from] Chocolate comes from the cacao tree.
[V + from] The term ‘claret’, used to describe Bordeaux wines, may come from the French word ‘clairet’.
ここでも条件設定のifで文定義となっていますが、主節の動詞の時制は先程と同様に is と現在時制であることに注意して下さい。この「出身、由来、起源」を表すcome from の用例は全て現在時制となっています。前置詞fromには名詞句が続くことは自明とされ、何も表記されません。
また、用例の提示順は、
[16]VERB
Something that comes from something else or comes of it is the result of it.
[V + from] There is a feeling of power that comes from driving fast.
[V + of] He asked to be transferred there some years ago, but nothing came of it.
定義は文の形になっていますが、これまでに見てきた、
When sv, SV.
If sv, (then) SV.
ではなく、
S 関係詞の後置修飾 V.
という文構造での定義となっています。
英語にあまり慣れていない人は、この文構造でメインのVにあたる is の主語が的確に捉まえられていないかもしれません。
bring
[1] VERB
If you bring someone or something with you when you come to a place, they come with you or you have them with you.
[V n] Remember to bring an apron or an old shirt to protect your clothes.
[V n] Come to my party and bring a friend with you.
[V n with adv] Someone went upstairs and brought down a huge kettle.
[V n + for, V n prep] My father brought home a book for me.
bring [1]
動詞の説明の最初に come を取り上げた理由が分かってもらえたかと思います。
comeの説明に bringは不要でしたが、このbringの説明には comeが不可欠ですね。
COBUILDでは、他動詞の表記をしない代わりに、文定義の中で、目的語を明確に示しています。そして、その目的語への働きかけがわかるように、定義文の主節が書かれています。
動詞型の説明で使われる記号では、小文字の n は「名詞句」を表しています。 Vに名詞句 n が続く、という表記ですから、辞書を引いた人は、この部分を読んで「n が目的語の働きをしているのだな」という理解をすることが期待されています。
二例目と三例目の例文と記号付けを読んで違和感を覚えた人はいませんか?
「二例目の例文には、前置詞のwith が使われているのに、記号付けの方には with がない!」
「三例目の例文には、前置詞の withは使われていないのに、記号付けには with がある!」
どういう理由でこうなっているのでしょうか?
四例目が、そのヒントとなるでしょう。
三例目は
[V n with adv] という記号の表す意味は「動詞に名詞句が後続し、副詞と一緒に使われる」ということであって、(X)「前置詞のwith と使われる」ではない
のです。[V n 切れ目 with adv] というまとまりだと思って下さい。
それに対して、特定の語と一緒に使われるのが典型的であるときには、その環境を「+」の記号で表します。
四例目を見て下さい。[V n + for, V n prep] とあります。この記号付けは、「動詞に名詞句が後続し、前置詞の for をとるまたは、動詞に名詞句が後続し、前置詞をとる」と読むことを期待されているわけです。しかしながら、この四例目として示されている英文では、
“brought home a book for me” という環境ですから、正確には、
動詞+副詞+名詞句+前置詞 for (+名詞)
V with adv n + for
という表記がなされてしかるべきところです。
このbringの前に取り上げた come の文定義の主要3パターンを覚えていますか?
要注意といった三番目のパターンは、後置修飾が付くことによって、主語に来ることができる名詞を絞り込む働きをしていました。
come は自動詞でしたから、主語を絞り込みました。
では、今度のbringは他動詞。とすると?
そうです、他動詞の場合は、目的語に来ることができる名詞を後置修飾で絞り込むことが予想されます。
[3] VERB
If you bring something that someone wants or needs, you get it for them or carry it for them.
後置修飾部分が確認できましたか? or での分配を的確につかみましょう。
something that someone wants or needs 「誰かが欲しがっている、または必要としている何か」
[V n + for] He went and poured a brandy for Dena and brought it to her.
[V n n] The stewardess kindly brought me a blanket. [ Also V n, Also V n + to]
一つ目の用例と、記号付けが対応していませんね。記号では 「前置詞 for が典型例」とありますが、forが使われているのは、pour n for という結び付きであって、brought の方は、前置詞 to が後続しています。むしろ、2例目の補足で示されている Also V n + toの V n + to が当てはまるところでしょう。
二例目では、V n n と名詞句を表す n が二つ示されていますから、動詞に名詞句が二つ続く、所謂「二重目的語」をとるということがわかります。
[V n that] In the evening I returned to tell Phyllis our relationship was over.
[V n wh] I called Andie to tell her how spectacular the stuff looked.
[V n n] Claire had made me promise to tell her the truth.
tell [1]
ここまでの例では、動詞に後続する名詞句 n は人であることが共通していて、「ことがら」に当る名詞句が、that節、wh節、名詞句で表されることをそれぞれ示しています。
特に、三例目では、2つ目の目的語は単にn としか示されていませんが、このような提示順であれば、the truthは 名詞ではあるけれども、「ことがら」の性質が感じられるものであることにも納得が行くことと思います。
四例目以降も見てみましょう。
[V n + to] I only told the truth to the press when the single was released.
+表記の to ですから、典型例として、前置詞のto (とそれに後続する名詞句)が続くことを示しています。情報を与える「相手」を、前置詞 to以降で示すものです。
[V n + about] Tell us about your moment on the summit.
今度は、+表記で about が来ています。この場合は、情報を伝える相手、ではなく「情報の内容」を補足・絞り込むための前置詞です。
[V with quote] Her voice breaking with emotion, she told him: ‘It doesn’t seem fair.’