こなから

阪神淡路の大震災から、早くも17年。
大江千里さんのFBでキャンドルが点されていた。
また、歌声が聴きたい、と思っているのは私だけではないだろう。

センター試験の「発音」問題に関して、少々呟いたつもりだったが、問題作成部会の「見解」に関しては意外に反応が大きかった。個人的には、

  • センター試験の受験料「のみ」に関わる収支決算報告

を出して欲しいのだが…。

今日で、普通科3年の再入門講座はめでたく終了。
あとはテストのみ。
商業科1年は接触節。このクラスの大多数の生徒に必要な学力の要素は、「観察力」。実例を観察し、共通点、相違点を見つける力。当然、「どこに目をつけるのか?」ということが生命線。

  • 四角化で視覚化、とじカッコ、あしあと

と記号をつけるところはクリアーしても、見た目で「四角=名詞」が3つ、とじカッコの前にあったりすると、機能停止になる者も多い。<名詞+前置詞+名詞>が大きなひとかたまりだという知識が、初見の実例の中で活かせるためには、観察から仮説を立て、検証し、間違えては行きつ戻りつ、結論へというまどろっこしい、じれったい、時には情けない、恥ずかしい思いをする過程が必要。そのプロセスは受け入れず、「誰かが出してくれた答え」を覚える、という対処法で切り抜けてきたつもりなのだろうが、切り抜けられなかったからこそ、今ここにいるのだという自覚がなければ、その後の変化は生まれようがない。
こういう傾向は、「分かりやすい」授業を、ということばかりを追求してきた今風の教育の「成果」でもあるのだろう。先日の「センター試験」では、過去例を見ないほどのトラブル、不手際が続出、ということが話題になったのだが、

  • センター試験で、試験が始まる前の係からの「説明」が20分も必要。

ということを高校現場から送り出す側の教員として反省。

進学クラス高1は、条件節の続き。
タイプ2,タイプ3の用例を、市販の学習参考書数冊から抜き出し、その用例に市販の英語教師用の概説書から抜き出したものを加え、最後に、英語再入門用の一般書籍から抜き出した用例を配置し、A3にまとめて提示。
用例をそれぞれ比較し、そのほとんどが、「こころ」の感じられないものであることを指摘。
学参の例文というと、

If I had a lot of money, I would buy an island.
If I had enough time and money, I would travel around the world.

If I had left ten minutes earlier, I would not have missed the train.
She would have died if the climber had not found her. (以上『フォレスト総合英語』桐原書店)

21世紀になってから世に出ているものでも、このようなありきたりの例文が多いように思います。

If you were right, we would be wrong.
If I had enough money, I would buy the computer today.

If we had met before, what would have happened? (以上『高校生の英文法』三省堂、1984年)

W師匠とその門下生たちが編んだ、このテキストでは、四半世紀前にもかかわらず、「今日コンピューターを買う」という例文が含まれていたり、主節が疑問文・問いかけになっていたりと、多少なりともこだわりが感じられます。が、それでも不十分。

If I were ten years younger, I would learn windsurfing.
If I had no friends, I wouldn't enjoy my life. (以上『日英語の対比で教える英作文』大修館、1989年)

教師向けの本ですから、「子供だまし」ではダメ。少し、それらしい例文になって来ました。

I would love you forever if you just stopped snoring like that.
I would have been able to speak English like you if I had lived in New Zealand. (以上『新 ほんとうの英語がわかる』新潮選書、2002年)

英語ネイティブの執筆でなくとも、このくらいの水準で例文を揃えられるはずだと思います。
このような「現状」に対して、授業で扱った三冊の『if本』で生き直すことのできる用例が、いかに、「触れば体温の感じられる」、「斬れば血が出る」ものであるかを確認。
早く、「こちら側」に来て、自分の言葉を育て、豊かにする学びを始めるように説く。
GGBから取り組み甲斐のある問題を抜粋。意味を頭に思い浮かべ、自分の「こころ」のフィルターを経て、形あわせが瞬時に出来るようになるまで、練習です。

3学期の進度表を提出し、試験の日程・時程を確認し、帰宅。

締め切りの迫る原稿書きはなかなか進まず、仕切り直しに、本棚の上置きを組み立て設置。
文字通り仕切り直し。
国公立の個別試験に臨む生徒たちで、英語が鍵を握る者に「課す」、個別指導の教材をあれこれ思案。伝統的な「読解」「要約」「和文英訳」は、今は高2の教室に移された「学級文庫」の書籍でおつりが来るくらいだが、「今風」の出題に対して、今から『対策問題集』を選んで、書店に買いに行って、という余裕はないので、私の持っている教材の中から見繕って「貸す」ことにした。生かすも殺すも、ではなく、「活かす」ことのみが与えられた選択肢です。

水曜日は『相棒』。
関東ローカルでなぜ、「幸子」登場の過去3話一挙再放送だったのかが分かる結末。
ちょっと、あざとい気もします。

復興支援の気持ちも込め、晩酌。
これから、ですね。

本日の晩酌: 磐城壽・季造りしぼりたて生酒・本醸造規格 (山形県) とその仲間達
本日のBGM: 祈りの季節 (岡村靖幸)