”Exitentialist A Go Go”

週明けの月曜日は正業で春季課外講習。
3週間前の学年末考査のやり直しをさせていたのだが、精度の余りに低い生徒が一人いて「喝」。勘違いしたまま卒業することのないようにね。
昼食の弁当を急いで済ませて、本業の新入部員を連れての初練習で湖へ。今日はリギングの確認がメイン。エルゴで「姿勢」の確認。お腹とお尻を締め、踵へと伝わる力を感じられる時に腕・肩をリラックスできることが大切。経験者でもグリップがいい加減な者も多いので、正しいグリップで正確なハンドリングを指導。乗艇は安全第一で。
水上はかなりの風だったが、選手の方は1周4kmのアップに続いて、RP 500mオン・500mオフを8発で2周、ダウンで1周4km。計4周で16km。フェザーリングとリリースでの切れ味を求める。脚・股関節を深く畳んだところから加速しつづけるのは確かにしんどいので、ドライブの途中で手を抜くと、フィニッシュでは加速が緩んだ状態でブレードの下端をテール側に回転させて水をかき回し、散らかすようなフェザーとなる。この場合は離水してもブレードのクリアランスの高さが不十分で再度ブレードの背が水に接することが多い。
この「現象」が見えた時は、

  • まずぶら下がり続けて加速!
  • クラッチへの加重しながら艇を離すタイミングを感じること。
  • フェザーはブレードで水を何とかしようなどとごまかさずに、ハンドル軌道を丸くハンズまでワンピース。

を徹底している。結果として「イルカさんご一緒に!」というブレードの動きとなることが肝要なのであって、ブレードワークを綺麗に作ることが目的ではない。単純に考えれば直ぐにわかることだが、船台に艇をつけて止まった状態や、スタンディングのドリルでは誰だって「理想的で完璧なブレードワーク」が実現できるもの。問題なのは、艇の動き・加減速のリズムに合っているかどうか、そしてその加速を継ぎ足せるかどうかということ。この点での指導では概して高校の指導者の方が大学生を指導している「コーチ」よりも優れていると思う。地方の大学生で悩んでいるチーム、選手は地域のトップレベルの高校の先生にアドバイスを求めてはどうだろうか?

本日の本業はエルゴ。いつも通りに引いていたら、いつも通り以下の記録しか出ませんよ。

トップアスリートの実績報告書と校内の決算報告の作成を終え提出。
今年度は学校からの予算が創部4年目にして初めて認められたのだが、選手の減少で県からの強化費の方が大幅に減額となったため、実質はかなりの赤字決算となった。選手からはユニフォーム代以外に部費などを一切集めていないので、弱音は吐きたくはないが、そろそろ私の持ち出しも厳しい状況。来年以降の取り組みをどうするか頭が痛い。

10月の2日から山口国体なのだが、9月10日の「慶應義塾大学シンポ」に討論者 (コメンテータ) として参加することになったので、スケジュールの確定だけでなく、自分の頭の整理も始めました。
今年度は「パラフレーズ」が自分のテーマでしたが、新年度は「学習英文法」で行こうと思います。
まず基本スタンスとして、「学習英文法」といった時に、

  • 「学習のための英文法」
  • 「学習者のための英文法」
  • 「学習者の視点で見た英文法」
  • 「完成された体系として、俯瞰的に捉えた英文法ではなく、出口やゴールがよく分からないなか、局地戦を進めていく中で見えてくる、掴めてくるような英文法」

といった「学習」という要素を考え直すことと並行して、

  • 「一文で完結する、一文を単位とする英語のしくみと働き」
  • 「一文の前段階として、その文の構成要素を捉え直すためのしくみと働き」
  • 「一文を超えて、文と文との繋がり、文同士のまとまりを捉え直すためのしくみと働き」

という「文法」という要素を考え直すことから始めておこうと思います。
手始めは、『田尻本+CD』の新刊とW師匠の『英語の素朴な疑問に答える36章』。田地野先生の新刊も手に入り次第比較検討。その次は、宮田幸一と毛利可信の再読の予定。

さて、以下告知。
慶應義塾大学英語教育/言語教育シンポジウム

慶應義塾大学英語教育/言語教育シンポジウム
2011年9月10日 (土) 慶應義塾大学日吉キャンパスにて
テーマ: 学習英文法
演者:
江利川春雄(和歌山大学)
大津由紀雄(慶應義塾大学)
斎藤兆史(東京大学)
田地野彰(京都大学)
鳥飼玖美子(立教大学)
討論者:
久保野雅史(神奈川大学)
松井孝志(山口県鴻城高等学校)
討論参加型司会者:
柳瀬陽介(広島大学)
(所属は2011年3月現在)
他、交渉中の方もおりますので、詳しくは、大津研ブログをご覧下さい。http://oyukio.blogspot.com/

続いて、昨年度から始まったプロジェクト。
大学入試ライティング答案再現プロジェクトご協力のお願い

再現答案をアーカイブ化する、「ライティング問題再現答案プロジェクト」に協力して頂ける方を募集しています。
これは、受験産業等、web上、商業誌上で示される速報的な大学入試ライティング問題の模範解答の不備を補うべく、「英語教室の教師と生徒に よる」、「英 語教室の教師と生徒のために」企画された、「英語教室の教師と生徒のもの」、としての再現答案アーカイブの構築を目指すものです。
いわゆる偏差値の高い国立大学の出題の模範解答は大手予備校のサイトなどweb上で見ることが可能ですが、必ずしも英文として自然でなかった り、出題の求 めに充分には応えていなかったりするものも多く見受けられます。母集団の大きな伝統的進学校であれば、先輩たちの指導資料・学習資料が残っていることが多 くとも、新設校や、進学者のそれほど多くない高校の生徒は、「お手本」や「参考」になる英語ライティングの実例をあまりにも知らないばかりか、指導する側 にも経験が不足している場合がままあります。このような状況下で少しでも建設的な、健全な英語学習・英語指導を行うため役立てようというプロジェクトであ ります。
当面は、高等学校や予備校・塾に勤務する英語教師の方にご協力を呼びかけます。大まかな流れは以下のようになります。
• ご自身の受け持つ受験生に、実際に受験したライティング問題の再現答案を書いてもらう。
• 再現答案のうち、合格者の答案を集めて、大学・学部ごとにアーカイブ化する。
• 再現答案アーカイブには氏名・イニシャル・出身校・担当教師などの個人情報に関わる情報は示さない。
• アーカイブは一定の手続きを経て、無料で誰もが閲覧でき、その後の教師による指導や受験生による学習に利用することができるよう保存・管理・公開する。
将来的に、英文としての適否・評価・助言などを加えていくことや、コーパス化して語彙リストやコンコーダンスラインを抽出するなどの発展もで きるかとは思 いますが、このアーカイブから、書籍化して商品化、教材化したりなどの「営利」に関することは一切考えておりません。その気になった時に、誰でも無料で使 えるということを主眼としております。
母語話者に限らず、プロの英文ライターの方、日英語双方に堪能な方のご協力が得られればさらに心強いと考えております。
ご協力頂ける方、ご質問のある方、詳しく知りたい方は、左のアンテナの「プロフィール」から、メールでtmrowingまでお問い合わせ下さい。

次もライティング関連。
「ライティング指導・評価の参考となる書籍リスト」改訂作業への協力をお願いします

2001年にELEC同友会の研究大会で配布した小冊子『ライティング指導、この50冊』 を、発行から10年経過したところで改訂したいと考えております。この10年で数多の書籍が出版され、様々な実践や研究が世に問われたことと思いますが、 高等学校に限ってみても、指導要領の改訂に伴い、「ライティング」に特化した科目はなくなり、指導技術が継承されたり、広まることなしに、現場に混乱が生 まれはしないか、不安な要素も多々あります。
そこで、これまでのライティング指導・評価で手ごたえを感じていらっしゃる諸先輩のお知恵を借りようという次第です。
10年前の冊子は、私が読みためてきた50冊を紹介したものでしたが、今回は全国のライティングの教師の眼鏡にかなったものを集めてみたいと思います。宜しくお願い致します。
ダウンロード可能なpdf版 (resource_writing.pdf 直) をご参考の上、みなさんにとっての「この1冊」をお知らせ下さい。改訂の暁には、研究大会や分科会などで一般に公開すると共に、ご協力頂いた皆さんには、冊子 (またはpdf版) をお送り致します。
ご協力頂ける方、ご質問のある方、詳しく知りたい方は、左のアンテナの「プロフィール」から、メールでtmrowingまでお問い合わせ下さい。

本日のBGM: Grains of life (The Beatniks)