『英語教育』8月号特集ブックガイドの拙稿のタイトルに関して補足を。次のような成句の意味や語源を解説するサイトで関連情報を整理していただければ幸いです。( http://www.phrases.org.uk/meanings/you%20are%20what%20you%20eat.html )
ここで解説されている、
- You are what you eat.
が、Tell me what you eat, and I’ll tell you what you are. とパラフレーズできるとしたら、拙稿タイトルはどうパラフレーズできるでしょうか?当然、ワンクッション、対比されるべき “You’re what you read. “というフレーズが挟まれた上での考察というか価値判断なので、そこをお忘れなきよう。詳しくは元ネタである、Sam Pickeringの ”Letters to a teacher” の該当箇所に当たっていただくのが一番です。
今日は(も?)朝から本業。またしても雨。昨日はあんなにいい天気だったのに。モーターで流木を拾う。一本、電柱か?というような長い丸太があり、引き揚げようとするも断念。できるだけ岸に寄せるしか回避の方法がなかった。事故にならないことを祈るばかり。今日は、国体の中国ブロック大会が広島で行われているので、大学生クルーも少なく、1つのクルーを見る時間が長くとれたのが幸い。午前中は自分のところの選手は放牧して、大学生を、午後は自分のところの選手を徹底的に。最後には雨も上がり青空が。明日は会議も入っているので、エルゴ60分です。
さて、
sentence level accuracyの見直しをしつこく説いているこのブログだが、以前『応用自在 英作文1000題徹底演習』(研数書院;昭和44年)』を紹介したものの(http://d.hatena.ne.jp/tmrowing/20070120)、現在絶版なので、英作文の問題自体には触れずじまいだった。今日、ある方との会話で、ふと思い出したので、申し訳程度に少し紹介。(番号は改編しているので悪しからず)
導入のための用例として次のような文が示されている。
- Today, people all over the world remember what Florence did for the sick and the wounded.
Practice(英訳せよ)
- 1年間で彼らは、学校で学ぶものはみんな学んだ。
- 私は、他人のいうことなどかまわない。
- きみには、私のやろうとしていることがわからないよ。
- きみのいうことは、まったくほんとうです。
- 今年私がしようとしていることは秘密だ。
- 私は、こうするぞ。
- それが、彼の望んでいたことでした。
- 私たちは、彼のいうことに信用がおけない。
※これは、関係詞の用法の中で扱われている “what” の用法。以下、解答。
- 1. They learned in a year what they could learn at school.
- 2. I don’t mind what others say.
- 3. You can’t understand what I am going to do.
- 4. What you say is quite true.
- 5. What I am going to do this year is a close secret.
- 6. This is what I’ll do.
- 7. That was what he wanted.
- 8. We can place no confidence in what he says.
Exercise
英訳せよ。ただし、( )に示した関係代名詞を用いること。
- 両親のない少年=両親を持っていない少年(who)
- 私にきのう本をくれた人 (who)
- 彼がきのうたてた家(which)
- 私が信用できる人(whom)
- 頂上が雪でおおわれている山(whose)
- 私がいままでに会ったいちばん親切な人(that)
- おもしろくもないし、ためにもならない本(which)
- 彼の住んでいる家(which)
※これは、名詞句の限定表現の拡充として極めて優れた問題。現行の検定教科書だと、靜先生らの作った”Planet Blue”(旺文社)に同様の練習問題がある。文を書かせることから視点を自由にして見ると、こんなアイデアも出てくるわけである。もっと言えば、二文連結よりも、この練習を徹底して行い、できあがった名詞句を使ってさらにオープンエンドな作文に繋げることが出来る。(まあ、その段階までを検定教科書でやろうとして失敗したのが、旧版の ”Prominence English Writing” だった訳ですけどね…。)
上述の「ある方」とは、全国の英作文の教師の教師でもあるT氏。山口県の教員研修で来県(帰郷?)されるというので、新幹線を降りたばかりのところを待ち受け、無理を言っていろいろご相談に乗っていただいたのであった。(スケジュール帳を見せていただいたのだが、こちらが罪悪感をもつくらい殺人的な仕事の数量だった。本当に済みません。さらには、超多忙の中でも、新幹線で読んでいたというハリポタのhardbackも見せて頂いた。)
- いやー、びっくりした。思い切ったね。
と私の今回の異動に関しての第一声。
二人して、バターたっぷりの小倉パンケーキを食べながら、ファミレスが英語教育相談室に。
- 現在「英語教育」でのライティング指導というのは、コミュニカティブ、とかパラグラフライティング、とかいう方向に振り子が振れてしまっていて、肝心な語句の連結や表現そのもの、それぞれの文のつながりが英語になっていないままなのではないか。まずは、指導者が英語が書けなければいけないが、もっと英語として適切な一文を書かせたいと思っても、それに適った教材・教科書がない。金子稔先生の本とか、『和文英訳の修業』(佐々木高政)はいいのだが、時代を感じさせる和文だけではなく、現代の英語として「耳で書く」ことを考えると、リズムの合わない英文があるのが気になる。今使える、そういうテキストがないんだなぁ。早くそういうテキスト書いてよ。すぐに使うから。
と熱いお言葉。本当にありがとうございました、肝に銘じておきます。研修の概要と講師の一覧を見せてもらう。錚々たる顔ぶれ。研修を企画している人の力がすごいのだと思われる。帰り際に『英語青年』の写しもいただきお別れ。本業の疲れもすっかり吹っ飛んだひとときであった。
明日(から)の研修はきっと盛会なのだろう。そうそう、山口県では研修の最後にはTOEFL-ITPの受験があるようです。
帰宅途中に寄った本屋で、武者小路実篤の『友情・初恋』(集英社文庫)をストラップのおまけ目当て買い。てっきり好きなストラップを選べるのかと思ったら、おみくじのような小袋に入っており、中身は見えないのだった。がっくり…。
本日のBGM: You are what you eat (Paul Butterfield; the soundtrack for Peter Yarrow's (of Peter, Paul and Mary) weird "rockumentary" movie )