12/30のセミナー振り返り。
年の瀬にも関わらず、約30名の参加を得て無事開講できました。ありがとうございます。
- 英文ライティング指導法セミナー:表現も・論理も〜和文英訳の指導と英文ライティングの指導との両立
と題した3時間の長丁場。
おおまかな流れは以下の通り。
用意したスライドは2回ほど作り直して154枚に。作成途中のボヤキをツイートしていました。
いまのところはPowerPointのスライドが130枚ちょっと。1時間で40枚程度の平均速度かな?
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2023年12月26日
1枚のスライドで英文が読めるポイントの大きさって難しいですよね。でも、今回も、iPadで操作するので、スワイプでさらに拡大して示す予定です。 pic.twitter.com/3Yy2j2t8Tl
いかんいかん、気がついたらスライドが150枚オーバーに…。 pic.twitter.com/MCg93TukLH
— Takashi “即時停戦” Matsui (@tmrowing) 2023年12月28日
途中、10分程度の休憩を二回挟んで、ほぼ定刻通りに終了しました。リハーサルをした甲斐があったというものです。
セミナーの中で寄せられた質問には、概ね回答できたと思います。終了後も15分ほど、会議室は開いたままにして、さらなるQ&As。
明けて、本日の午前に、共有可能なスライド(約半数)のpdfを載せたアーカイブのアドレスをお知らせし、当日のチャットをpdfにしたものと、参考資料のpdfを受講された皆さんに送りました。当日のスライドでは見ていただいた実際の生徒の解答英文・作品の部分は共有スライドではカットしています。悪しからず。
早速コメントが寄せられていますので、事前に許可を得ている方のものをご紹介。匿名希望の方は匿名で抜粋です。
本日はとっても濃い内容の講座をありがとうございました。質問にもたくさん答えてくださって嬉しかったです。テンプレ祭りにならないライティングの指導モデルに触れられて刺激的でした。来年度以降の自分の指導に活かしていきたいと思います。メモを取り切れなかったところや情報の処理が追い付かなかったとことも多いので、開催があればぜひまた参加させていただきたいです!
非常に内容の濃いもので,今からもう一度今日のお話を振り返りながら,どうやって今後の自分の授業に反映させていこうかと検討していきます。松井先生のセミナーは初参加でしたので,ご著書である「パラグラフ・ライティング指導入門」を拝読してから今日のセミナーに臨みましたが,今日の内容と合わせてさらに勉強します。テンプレに依存しすぎない,意見文ばかり書かせないとのお言葉は,特に私の心に刺さりました。先生のツイッター・Xやブログもこれからフォローさせていただき,英語指導者の一人として進化していきます。
次は、桜修館中等教育学校の陣野俊彦先生から。
文字指導のセミナーで以前お世話になりました。本日も年末にも関わらず機会を設けてくださりありがとうございました。講演後に先生のブログを拝読していたところ次の文を見つけました。
「効率よく、技術を身につけたい、身につけさせたい」という流れとは対極にあるのが本来のライティング指導なんじゃないでしょうか、
本当におっしゃる通りで、本日先生にご教示いただいた、多様なメディアを通して調べ、様々な英文にあたりながら行うライティング指導を模索していきたいと思います。
続いては、新潟市立下山中学校の山﨑寛己先生。
昨日のセミナーでは、松井先生の目から見た英語やライティングの指導を追体験することができ、その解像度の高さにただただ圧倒されました。中学校の現場でも、言葉の生息域を確認すること、一読了解を目指すための技術、「お題」に潜む問題点(意見文作文)、テンプレの弊害、書き出しや終末で表現を予め与えることで生徒のライティングをコントロールするコツなどたくさん活かせる視点がありました。
何より、セミナーを通して松井先生のご指導に底流している生徒への愛が感じられ、常に英語力をアップデートし続けたい、指導についても勉強し続けたいと思う良い機会となりました。本当にありがとうございました。
匿名の方の長文から抜粋で。
本日は、貴重なお話ありがとうございました。3時間があっという間でした。先生のお話を聞きつつ、自分であれば、目の前の生徒にどうしてきたか、また、どうすべきか、何が新しくできるのかをずっと考えていました。自分にとって大変有意義な3時間でした。
・和文英訳と自由英作文の連続性
・英語の語義・チャンク・文・passageを行きつ戻りつしながらの指導
・日本語、英語にかかわらずことばの運動性の体感と体幹の重要性
・その体感(幹)を生かした、生成系AIやコーパスの活用とプリント作成(生徒がうらやましい)
上記のどこをとっても、「つぎの授業ですぐに・・・」というわけにはいきませんが、先生がお考えになっていることを聞いたり、読んだりすると、毎度、宿題をもらっている感じがします。そして、その宿題の答え合わせは、何かの本を読んでいるときや授業の準備をしているときに、ふと思いつくことが多いです。「ああ、先生がいっていたことは、そういうことだったのか」とか「あの時の疑問に対する答えが、今の自分ならこうだな」のように。今回の研修で、先生のライティングやことばそのものに対する知識、姿勢、理論と実践を改めて体感しました。そして、もっと頑張らねばと思いました。そのためには、方法論だけでなく、ことばに対する深い洞察力が非常に大切だと再認識させられました。これから一つ一つ自分の頭に残ったものを反芻して、自分なりの答えを探っていきたいと思います。
セミナー冒頭でも話しましたが、今回のように「英語教育」系のセミナー、研修で和文英訳が取り上げられることは少なく、たいていは予備校系の教員研修で入試対応の色が濃いと思います。
私自身が担当した、2012年夏のELEC協議会の教員研修では、次のような切り口で開催し、資料編として、和文英訳や英作文関連の「レガシー」を紹介していました。
そこから10年ちょっと。
当時の研修に参加されていた方の中に、今回のセミナーを受講してくれた方もいらっしゃいますので、何が変わって、何が変わらないのか、じっくりお聴きしてみたいと思っています。
受講者からの声が届きましたら、またご紹介させていただきます。
本日は、セミナーの御礼、
そして、2023年の御礼まで。
ありがとうございました。
本日のBGM: more than words (羊文学) 〜 ぼくらの魔法 (ハンバート ハンバート)
※このBGMの2曲は、以下のプレイリストに含まれています。